通るのは困難だけれど 行かなきゃねーー
真ん中に聳え立つ柱を避けて通ろうと画策するスキルト・アイリア達、二人は右側のコンテナの中を通り抜けてチンピラ達を避けつつ、この場所を通過しようと考えた。
『パーンッ!』 『ババババババ』
「あっ!」
「また音がしたわっ!」
天井から砂漠に響き渡る銃撃音が聞こえたスキルト・アイリアは、砂漠を見つめると遠くで砂漠獣のサンドファンゴスの群れが猟銃と自動小銃に撃ち殺されたり、反対側の砂漠に立てられた大きな木製の看板に穴が開けられて行くのが目に入った。
「また、チンピラ達の射撃練習の時間の様だね?」
「うん、そうだね?よーし、ここは私の出番よっ!」
左右の穴だらけにされたボロボロの看板程の板と、猪に似た赤茶色の体毛に覆われた砂漠獣サンドファンゴスの死体を見つめて、ハイウェイ上に陣取るチンピラ達の射撃練習が再び始まり、アイリアがM70を発砲してもバレ無い状況と成った事を喜ぶスキルト・アイリア達。
「取り合えず、コンテナに向かいましょう」
「そうしよう、射撃が必要に成った場合その都度、チンピラを狙撃してね」
先を行だしたアイリアの後を追って、自らも歩を進ませるスキルト、彼等はスラム街の様なバラック小屋の近くまで、自動車やドラム缶の陰に時折、身を隠しながら慎重に進む。
「彼処だね、アイリア」
「そうね、彼処を通り?・・あっ!」
いったい何処から何の目的で集められたのか分からない、積み上げられた冷蔵庫や電子レンジ等の家電製品の、ガラクタの山の端に有る画面の割れたテレビの陰から頭だけを出し、スラム街の横のコンテナ入り口を見つめるスキルト・アイリア達。
二人がコンテナの入り口を目指して進み出そうとすると、コンテナの奥からマチェットを右手に持ったチンピラが、バラック小屋の方からはマカロフ・ピストルを両手に構えたチンピラが歩いて来た。
「あの二人、何か話を始めたぞ」
「面倒ね、二人纏めて片付けるわ」
スキルト・アイリア達が、ガラクタの山から自分等を観察している事を知らない馬鹿な、チンピラ達二人は呑気に下らない話をしていた。
「飯はまだかな?」
「おい、おい?まだ昼じゃあねぇよ!」
・・・馬鹿な奴等ね一分後には二人仲良く御陀仏よ!・・・
チンピラ達が昼飯の話をする中、M70を構えて息を殺し、二人のチンピラ達に正確に狙いを定めるアイリア。
・・・一発で仕留めるわよ・・・
ここからはマカロフ・ピストルを両手に構えたチンピラの背中と、マチェットをブラブラと右手に握り振るうチンピラの正面の姿が視認出来た。
・・・もう少し・・もう少し・・後ちょっと・・・今よっ!『バンッ』・・・
じっとM70の照準を見つめるアイリア、彼女は無駄話を続けるチンピラ達の体が重なると、直ぐ様引き金をさっと引いた。
「全く、食いしん坊なん・・」
「食いしん坊じゃあね!・・」
アイリアの撃った弾丸はチンピラ達の頭を貫通して二人の脳髄を吹き飛ばした、その様子を彼女は見届けると、スキルトを連れてチンピラ達の死体が倒れるコンテナの入り口まで向かおうと駆け出した。
「ここは流石に目立つわねぇ~」
「コンテナの脇に隠して置こうか?」
アイリアは辺りを見回すと今まで通ってきた道とは違い視界の広い、この場所に死体を放置したままにするのは不味いと思い、スキルトも流石に死体を放って置く事は出来ないと同様に考えた。
「コンテナの脇には何も無いわね、コレじゃあ直ぐに見付かるわよ?」
「じゃあ・・取り合えずは中に死体を運ぼう」
こうして、アイリアは腰を曲げてマカロフ・ピストルを両手に握っていたチンピラの体を掴むと、ズルズルと引き摺って運び、スキルトはマチェットを握る死体を持ち上げて運ぶ。
「あっ落ちた」
「そんな事どうでも良いから、早く隠してよ」
スキルトが運ぼうとして持ち上げた死体の右手から、カツンと音を立てて地面の上にマチェットがこぼれ落ちた、それよりも早く死体を隠してしまおうとアイリアは急かす。
そして二人は薄暗いコンテナの中に死体を引き摺りながら入り、隠して置ける安全な場所を探した。
眠たいな。




