チンピラの隙を見て 通り抜ければ・・・
後書きに個人的な怨み言を書くわ。
肉のこんがりと焼ける匂いが、階段を降りて木箱が山積みされた場所から漂って来てスキルト・アイリアの鼻孔を擽る、その場所にはチンピラ達がドラム缶の上に金網を置いて骨付き肉を焼いていた。
「なぁ?さっき変な、銃声が聞こえ無かったか・・」
「ああ、聞こえたぜ、誰かが腕試しに野生動物でも仕留めようと一発、ぶっぱなしたんだろう」
「そうだろうなぁー、皆も暇だから他にやる事が無いから、銃を撃つんだよっ」
PSLを背中に構えたチンピラ、FADを右手に持っているチンピラ、ベネリM4を背つ中のバッグに入れているチンピラ達は、アイリアの撃ち放った銃声が仲間達が気晴らしに射撃した音だと勘違いし、特に気にする事無く談笑を続けた。
『バン・・・』 『パンッ!パンッ!』
「おっ?まただな」
「今度は何を撃っているんだろうな」
「鳥でも撃ち落としたんじゃないか」
三人のチンピラは何処からか聞こえて来た銃声が、いったい何の動物を仕留めたのかと想像する。
「まさか?警備ロボットじゃないよな」
「だったら、困ったな?肉が手に入らないからな~~」
そんな下らない事を呟きながら彼等チンピラ達は焼けた肉を頬張り、やがて全ての肉を食べ終わると別れてしまい、その辺のコンクリートの上に、シートや、御座を引いて眠ってしまった。
「ようやく寝たか?」
「邪魔だったわねー」
スキルト・アイリア達の進路を邪魔するチンピラ達が、三人とも眠ってしまったのを確認すると、チンピラ達を起こさない様に彼等は静かに行だした。
そして三つのバラック小屋と、二つの中型倉庫の前までスキルト・アイリア達は来ると、先程よりも厳重な警戒体制が敷かれたのかは不明だが、大人数のチンピラ達が行く手を阻み、この場所を無事に通過できそうな雰囲気では無かった。
・・・どうしようか?・・・
・・・どうしまっ!・・・
前方に聳える建物と厳重な警備に困り果てるスキルト、そんな彼とは対称的に何かを閃いた様に明るい顔で、何処かへと視線を向けるアイリア。
「アイリア、何か見つけたの?」
「ええ、スキルト彼処よっ」
アイリアが指を指し示した先には、ハイウェイを降りる錆び付いた赤茶色の非常階段が有った。
「アレ・・・って大丈夫なのかい、僕等が降りてる途中で『ガタンッ!』って成らないよね?・・」
「・・・多分、きっと大丈夫よっ!見た目は襤褸くても私達の体重位は支えられるわよ、きっと・・・」
そんな会話を何時までも続けている訳には行かないスキルト・アイリア達は、風が吹くと『ギシミシ』と音を立てる非常階段を降りる決意を固める。
「ううっ!・・凄く不安だ・・」
「文句を言わないのっ・・私だって怖いんだから」
風で微かに揺れる非常階段の側まで歩いて来たスキルト・アイリア等は、錆び付いた鉄製の階段が何時崩れて、チンピラ達に見つからないかと不安を胸に抱く中、階段を一段、一段と降りて行く。
『カランッ・・カランッカラン』
・・・鳴るなよ?見つかるだろう・・・
・・・間抜けなチンピラさん達・・どうか私達を見つけないでね・・・
余り音を立てずに降りたいのだが鉄製の階段は、二人が一歩ずつ降りる度にカラン、カランと金属音を立てる。
スキルトは心の中で音が鳴るなと呟き下方にチンピラが居ないのかと眼球の無い空っぽの眼孔を彼方此方に向ける。
チンピラ達が自分達を見つけ無いようにと祈るアイリアは、手摺を右手で掴みながら階段を降りる、その手の感触は錆びた鉄の手摺は太陽の光を浴びて少し熱かった。
「見た目はアレだったけど、何とか持ってくれたね」
「まあね~~それより、アッチには何が居るかな?」
階段を降りてハイウェイ下の道路に着いたスキルト・アイリア達は、今度はビルタウンに行く方向に視線を向けると、そこには一本の太い柱の様な構造物と小さい小屋が乱立していた。
柱の様な構造物は道路から天井まで延びており、聳え立つ姿は此方を圧倒する威圧感が有った。
それも?その筈である、聳え立つ柱の中央には小さな窓が有り、そこは銃眼と成っておりMG34機関銃の銃身が顔を突き出していた、更に周囲にはバラック小屋、コンテナ、自動車等の残骸が散乱しており、二人が此処を通るのは難しく、とても困難だと予想できた。
テロリストの味方をした奴は許さん、決して赦さない、奴は善良なるミャンマー人に懲らしめられる運命だ。




