見張りの合間を通り抜けて 向こう側に行きましょう
「何だっ!今の物音は・・」
「あの辺から聞こえて来たぞっ!」
「敵か?それとも鼠か?・・・」
ハイウェイに続く坂の上のチンピラは階下の物音に反応して叫ぶ、すると下の土嚢に見張りに立つ二人のチンピラ達も音の反響して来た方向に注意を向ける。
「俺が見てくるぜ、どうせ鼠か何かだろ」
小屋の中で外を眺めて居たマンバ・ピストルを装備したチンピラは音の反響して来た方向に歩いていく、彼は慎重に辺りにも敵が隠れていて自らを襲いやしないかと警戒しながら音の方へと進む。
「ふむ?・・・何も居ないな、きっと風で瓦礫の一部が落ちてきたんだろう・・・・おいっ!何も変な感じはしないぜっ」
マンバ・ピストルを右手に構えたチンピラが、仲間達に聞こえる様に大きな声で何も変な感じはしないと伝えると、仲間達も安堵の溜め息を吐いて安心した。
「何だよ、やっぱ風か鼠か?」
「脅かすなよ~~」
土嚢の積まれた場所に警備に立つチンピラ達は緊張が解けて体の力を抜いてしまう、その後も彼等は再び敵が襲撃して来ても見張りを続ける事にした。
「なぁ~~んだよ、敵かと思って折角俺のドラグノフで仕留められると思ったのによぉー・・眠ぃぜ」
紅い服装のドラグノフを背中に担いだチンピラはそう一言気だるそうに言うと、再び坂の上で大欠伸を欠いてダラダラと見張りを続けた。
「あ~~何にも無くて良かったぜっ」
その後小屋の中に戻ってきたマンバ・ピストルを手に持つチンピラは、木の箱を椅子代わりにして座り、再び小屋のそとに広がる広大な砂漠の景色を眺めた。
『無事にたどり着いたね?』
『次は奴等の背後に・・』
小屋の裏側まで無事たどり着いた二人のアンデッド達は、土嚢に見張りに立つ二人の重装備のチンピラ達を見つめる。
アイリアは二人の重装備のチンピラ達が此方に気が付かず道路の先を警戒している様子を凝視する、スキルトは自分達が進むべき坂の方をじっと見つめる。
「行こう!」
「うん!」
そ~と音を立てず土嚢の側の重装備のチンピラ達の背後を歩く二人、そんなスキルト、アイリア達に気が付かず見張りを続けるチンピラ達。
『また上手く行ったな』
『そうね、でもまだ上の奴が・・』
崩れたハイウェイの坂の裏側に隠れ、上で見張りを続けるドラグノフを背負ったチンピラに注意するスキルト・アイリア達。
「早く行ってくれ・・」
坂の裏側から上を覗いてチンピラの様子を見ながらスキルトはボソっと呟く、しかし欠伸を何度も続けるチンピラは中々その場から離れず、顔を眠たそうにウトウトさせながらも見張りに立っていた。
「早く退いてよぉ~?」
「?・・・何か聞こえた様なぁ~~・・?あぁ~~・・・!ズズ・・ズズズゥー」
下から咄嗟に聞こえたアイリアの声に反応したチンピラでは有ったが、何と!彼は眠気には勝てずに欠伸を欠いた後、直ぐに立ったまま寝てしまった。
「アイツ!?寝やがった・・・」
「とんだ間抜けねっ・・・」
スキルト・アイリア達は見張りに立っている上に自分達の縄張りを侵す侵入者に気が付かず、眠ってしまった坂の上の間抜けなチンピラに対し二人して呆れてしまう。
「じゃあ行こうよっ」
「アイツは眠ったままだしな」
アイリアに手を引かれたスキルト、二人は抜き足差し足で坂の上まで歩いていく、それに土嚢や小屋の中に居るチンピラ達が気付く様子は当然無く、二人は無事にチンピラの真正面まで坂を上る事が出来た。
・・・頼むから起きないでくれよ・・・
・・・絶対に眼を覚まさないでね・・・
チンピラの背後に回り込み近くに有る、茶色い中型トラックの残骸の陰まで行こうとするスキルト・アイリア達、彼等は間抜けなチンピラが眼を覚まさない事を心の中で祈る。
「よし、着いた」
「あっ!」
『コツンッ!?』
そして茶色い中型トラックの陰にスキルトが隠れた時に、アイリアは丁度つま付いて倒れそうに成って物音を立ててしまった。
「ん?・・・おいっ敵!」
「しまった、起こしちゃった!?」
突然背後から聞こえてきた物音には流石に眠っていたチンピラも気が付き、後ろに振り向いてアイリアの姿を確認すると仲間達に侵入者が居たと知らせようとする。
「じゃないわよ!新入りよ、新入りっ!」
「へ?新入り・・・」
チンピラに見つかってしまったアイリアは上手く誤魔化して、この場を逃れようとした。
仕事は相変わらず忙しい、後は金欲しい。
ゾマホンVSニシャンタの討論番組が見たい。




