外に出たな? 町の明かりが見えるわ
「外に出たら町の明かりか?」
「帰りましょう~・・モンスタータウンに・・・」
マンホールから出たスキルトとアイリアは遠めにモンスタータウンが見えたのを確認すると、一旦町まで帰還する事に決めた。
「うん!・・町だ・・・」
「きぃ~~?」
マンホールの穴から出てきたヨーゼルは町を見つめると一言呟き、穴から顔を出したキィーキィも町の明かりを見つめると短く鳴いた。
「ヨーゼル・・お父さんの行方を探すのは後日にして今日はもう帰ろう?」
「その方が良いわよ、巨大熊も居るし夜は魔物や盗賊で一杯よっ」
そう話すスキルトとアイリア、二人の説得を聞いたヨーゼルは素直に説得を聞き入れ町まで向かう事を了承した。
「ボクも本当は、お父さんを探したいんだけどね、夜は二人の言う通り危険だから」
行商人の息子で有るヨーゼルは今の状況を危険だと理解しており、我が儘を言わずに二人に町まで連れて行って貰う。
「さて?・・じゃあアイリア、ヨーゼル、キィーキィ、皆っ!行くよっ!!」
そう言うと灰色のアスファルトの道路を踏み締めながら、町に続く道路の交差点まで歩き始める三人と一匹達、夜の風は少しだけ冷たくて今夜の砂漠はひんやりとしていた。
「歩いて行くだけでも疲れるな・・・」
スキルトはそう愚痴を溢した、彼等は町まで夜の砂漠をアスファルトの上を歩いて進む、幸い町までの道程には敵となる野性の魔物は居なかった。
その後、町の裏口までたどり着いた三人と一匹を町の自警団が出迎えた、その中には親切なゾンビ男のバーダーと、狼の獣人のガブゥーが居た。
「お前らっ!!生きて居たのか!?」
「良かった・・・ロボット達に返り討ちにされたのかと思ったんだぞ?」
町の裏口に立つバーダーとガブゥーは帰ってきた三人と一匹が無事だった事を嬉しがりスキルト達を町の中に入れる、
「心配してくれて有り難う」
「私達は見ての通り無事よ」
バーダーとガブゥーが自分達二人の事を心配してくれて居た事に礼を述べるスキルトとアイリア、そして二人が見掛けない子供と都会猿を連れている事に気づく、
「お前ら・・その子供とは?、もしかして行商人の息子ヨーゼルじゃ?」
「隣町ヨークシーから来た行商人ハリウスの息子ヨーゼルだなっ!」
驚いた顔で話すバーダーとガブゥー、二人はヨーゼルと父親のハリウスの事を知っており、三人と一匹を何処かに連れて行こうとする。
「ひょっとしてっ!お父さんはっ!?」
ヨーゼルは父親が無事に町までたどり着いたのだと思い、顔に安堵と喜びの表情を浮かべる。
「ああっそうだ?・・今は町外れのコルニィ・アパート&ホテルに泊まっている」
「今日はハリウスに彼処で泊まって貰って明日にでも、ヨーゼルの行方を探す為に自警団や傭兵からなる捜索隊を組織して、探す手筈だったんだ」
バーダーとガブゥーは三人と一匹に事情を説明する、それを聞いたスキルト達三人と一匹は父親の待つコルニィ・アパート&ホテルに早く連れて行って欲しいと言う。
「それなら早く連れて行って欲しいよ」
「父親も大分心配しているでしょう?」
「早く父さんに会いたいよ」
「きぃ~~~」
三人と一匹の文句を聞かされたバーダーとガブゥーは、分かった分かったと言って彼等をコルニィ・アパート&ホテルまで連れて行った。
「ほらっ!また遠慮なく受け取れよ」
「ロボットを退治したのは傭兵達だが、お前らもヨーゼルを発見して無事に連れて来たから、その報酬だ」
スキルト達をコルニィ・アパート&ホテルの前まで連れて来たバーダーとガブゥーはスキルト達三人と一匹に無事ヨーゼルを連れて来た報酬として300連邦ドルを手渡す、ホテルの外観は大きな洋館と言った趣で部屋数はかなり多そうだった。
「こんなに貰って良いの?」
「報酬って?・・・」
スキルトとアイリアは突然300連邦ドルもの大金を手渡され戸惑うが、バーダーとガブゥーは受け取れと強引に大金を押し付ける。
「それは看板にも出ている、救助依頼の報酬だ受け取れよっ!」
「後はホテルの中に居る、ハリウスに息子ヨーゼルを連れて行けば任務完了だ!」
そう話すバーダーとガブゥーは三人と一匹の背中を押してホテルの中に入れる、そのホテルの中にはオーナーらしき赤い角の生えたメイド服を着たサキュバスと行商人らしきレインコートを羽織った茶髪の中年男性が居た。




