待ち構える敵は? 居ない???・・・
開かれた扉から次の部屋に飛び込んだ三人と一匹を待ち構えていた敵は一人も居なかった?、
「どういう訳よ?」
「さあ?・・・」
そこは部屋では無く広い車庫の様な場所で溶接された鉄板と木製の足場と建築現場の足場が組まれており、そこには一人もチンピラは居なく不気味な程の静寂に包まれていた。
「隠れて居るのかも?」
「どうかしらね?・・全員倒しちゃったんじゃない」
「それより彼処から外に出れるよ」
何処かに隠れて居るかも知れないチンピラ達を警戒するスキルトと、さっき倒した敵が最後では?と言うアイリアに、ヨーゼルはシャッターを見つける、そのシャッターは少しだけ開き掛けており、外からは暗い影が入り込んで来ていた。
「窓とかをよく見ると、外はすっかり暗く成っているね?」
「外は危険だけど、早くここから逃げなければ行けないわ」
窓の外に目を向けると月が顔を出している事に気づくスキルト、外は既に夜で危険だが一刻も早く、この場所に敵のチンピラが現れる前に退散しようと言ってシャッターに近づいて行くアイリア、
「スキルト!そっちを持ってっ!」
「分かったよ?アイリアっ!!」
二人はシャッターを持ち上げて開こうとするが、そんな二人にヨーゼルが声を掛けて邪魔をしてきた。
「あのさ?・・二人共・・・」
「何よ?ヨーゼルっ!今は手が離せないのよっ!!」
「ヨーゼル!・・出来れば手伝って欲しいんだけどさ?・・」
一生懸命にシャッターを持ち上げる二人に背後から声を掛けてきたヨーゼルに踏ん張りながら返事を返すアイリアとスキルト、
「その必要は無ぇぜ・・・」
「銃を床に置きなっ・・・」
紫スーツ姿の男と白スーツ姿のライオンの獣人がAK47を構えて、三人と一匹の背後から声を掛けてきた。
「お前らは囲まれて居るぜ?」
チンピラ達は足場の上や、奥の扉からワラワラと大勢現れ、その数はざっと12人は居た、そしてチンピラ達に銃を向けられたスキルト達は仕方無く銃を床に落とす。
「これだけの数に、お前らは抵抗するのか?」
「命だけは助けてやるぜ?、猿は肉料理にして食うとして、女はたっぷり楽しんだ後奴隷商人に売ってやるぜ」
「ひひっ!楽しみだぜ、男達は麻薬漬けにして奴隷労働をさせてやる」
スキルト達を包囲する人間と獣人の魔物からなるチンピラ達は、下品な言葉を吐きながら三人と一匹にジリジリと迫る。
「くそ・・・チンピラ達の数が多すぎる」
「今は大人しくしましょう・・奴等が隙を見せたら脱出を・・」
「上手く行けば良いけど?・・・」
「きぃ~?・・」
敵のチンピラの人数の多さに、スキルトとアイリアは一旦は降参する振りをする事に決め、ヨーゼルとキィーキィは上手く行くように神様に祈る。
「おい?・・カースクとマハートの二人は一体どうしたんだ?・・・」
「ああん?・・そういや奴等は何処に行ったんだ?・・・」
「奴等なら外に居る筈だぜっ!」
「確か~~?シャッターの裏に居たよな、おいっカースク!、マハート!」
スキルト達に銃を向けながらシャッターの外側に居る仲間達の名前を叫ぶ黒スーツ姿のチンピラ、しかし外側からは返事が返って来ず不振に思ったチンピラ達はシャッターの外に向かって再び大声で仲間達の名前を呼ぶが、
「カースクぅ~~!!マハートぉーー?」
「お前らーーー返事をしろぉーーー!?」
『ガタッ!?』
チンピラ達の叫び声に外の二人が反応したのか?、シャッターの前に4つの足が見えた、
片方は白ズボンの茶色い靴を履いた足で、もう一人は水色のズボンと白い靴を履いた足が、恐らくはチンピラの仲間のカースクとマハートであろう二人の足がシャッターの開いた隙間から見えた。
「何だっ!そこに居たのかよ?」
「脅かすんじゃねぇっての!?」
仲間達の姿が見えたチンピラ達は安堵の溜め息を吐きながら愚痴をそれぞれ溢すが、スキルトとアイリア達は、
「何か様子が変だな?」
「何か違和感が有るわね?」
「僕もそんな気がする、あの二人は変だよ?上手く言えないけど変だ・・」
「きぃきぃ~~!!」
スキルト、アイリアが様子が変だと感じると、ヨーゼルとキィーキィも同じく何か様子がおかしい?とシャッターの外側に居るチンピラ達を警戒する。
「おい?・・居るなら返事を返せよっ!」
「お前らっ!!ふざけているのかっ?」
チンピラ達が返事を返さない外の二人を怒鳴り散らすと、外側に居る二人から返事が返って来た、
『ゴロン・・』 『ガタッ!』
「あっ!!カースク?」
「マハートの足ィぃぃ~~~!!?」
開き掛けたシャッターの隙間からは何かが飛んできて、それを良く見るとカースクとマハートの【死体】の一部であった。
「があおおぉぉぉーーーーーーーー!?」
そしてチンピラ達とスキルト達が驚きの余り唖然と立ち尽くして居ると、その直ぐ後にシャッターを突き破って巨大熊が現れた。




