お父さんの所へ向かおう 向かいましょう
「じゃあ・・取り合えずヨーゼル、君が逃げてきた方角はどっちなんだい?」
「あっちだよ?」
スキルトの質問に対してヨーゼルは東の方角に聳え立つ高いビルを指差した、その場所まではかなり距離が離れていたが三人は危険を承知で行くと決めていたので仕方無く歩き始めた。
「歩いている途中で魔物やロボットが出ないと良いわね?」
「出なくて良いよ、戦うのが面倒だから」
警戒しながら崩れかけた雑居ビルの側を歩く三人、その場所で例のロボットや魔物や出ないで欲しいと願うスキルトとアイリア達だったが、
「二人共っ!!その魔物が出たよっ!」
ヨーゼルは向かい側のビルの側に都会猿が居るのを発見した、都会猿は群れで行動して通常は人を襲う事は余り無いが、気が立っている時や危険を察知した時は凄まじい凶暴性を発揮して襲い掛かって来る事も有るために、三人はビル内部に入り窓の下に頭を隠して都会猿の群れが全て去るまで音を立てずにやり過ごす。
・・・さっさと通り過ぎてくれ・・・
・・・お猿さん達、こっちに気づかないでね・・・
・・・早くパパに会いたいよ・・・
スキルト、アイリア、ヨーゼル、の三人は向かいの崩れかけたビルの壁面から、地上に下りた都会猿の群れが北の方へと全ての都会猿が行くまで静かにやり過ごした。
「行ってしまったね?」
「行ったわよ・・・」
「良かった見つからなくて・・」
スキルト、アイリア、ヨーゼルは全ての都会猿が北の方へと行くのを見届けると、再び東のビルを目指して廃墟と成ったビル街を通り過ぎて行く、
「きーきーきぃーー!?」
群れからはぐれた一匹の都会猿が三人を追い掛けて来た、突如聞こえてきた都会猿の鳴き声に三人は驚いて振り向く、
「見つかった??」
「どうしよっ!?」
「やられるっ!!」
スキルト、アイリア、ヨーゼルは此方に走りながら向かって来る都会猿に武器を構えて身構えるが、
「きぃ~きぃきぃ~~?・・」
此方に向かって来た一匹の都会猿はどうやら肩に怪我をしている様だった、その怪我をした肩の切り傷を見たアイリアは治療をしようとするが、
「可哀想に・・・怪我をしているのね?」
「きぃ~~きぃ~?」
医療用アイテム類を持たない彼等三人ではどうする事も出来ず困り果てる、アイリアは特に可哀想な都会猿を放っては置けずにどうしようかと迷う。
「アイリア?連れて行こうか、そのお猿さんも」
「アイリア姉ちゃん、連れて行こうよっ」
スキルトとヨーゼルは二人して都会猿を連れて行って上げようとアイリアに提案し、アイリアもそうしましょうと決めた。
彼等三人に一匹の都会猿が加わった、彼等三人と一匹は高いビルを目指し、マンモス団地を突き進む、そして再びビル街らしき区域の入り口の十字路まで来ると、
「きぃ~~?きぃーーー!?」
ヨーゼルの後ろを歩く都会猿は鳴き声を上げて何かを指差した、そこにはチンピラの死体が壊れたトラックの裏に4体も積み重なっていた、その反対側には行商人と護衛の傭兵の死体と護衛の小型警備ロボットの残骸が転がっていた。
「酷いな・・・」
「撃ち合っていたのかしら?」
スキルトとアイリアはチンピラや商人達の死体を調べる、チンピラ達の死体には拳銃が握られており弾薬や食料も沢山見つかった、どうやら彼等はトラックの荷台を隠れ家にして、この場所で旅人を待ち伏せして居た様だった。
「こっちにはアイテムが有るよ!」
「きぃーー?」
ヨーゼルと都会猿達は行商人と傭兵の死体からレーザーピストルとH&K・MP5Kサブマシンガンを見つけ、医療用アイテムの包帯と消毒液の瓶を見つけた。
彼等は死体から武器とアイテムを漁り必要な分だけ有り難く頂戴する、死体を漁るのは三人共気が引けるが生きていく為に仕方無くアイテムを頂いたのであった。
「さあっ?お猿さん治療をして上げるわ」
「きぃーー!?」
アイリアに肩の傷口に消毒液を掛けられて痛がる都会猿、そして肩に包帯が巻かれ傷口を塞いで応急措置を施す事は出来たのでとりあえずは都会猿の傷は心配する必要は無くなった。
「この銃?・・弾切れだ・・・」
ヨーゼルはH&K・MP5Kサブマシンガンと持ち主の傭兵を調べるが、銃にも持ち主の傭兵の死体にも弾装は有れど肝心の弾が見つからず、
「これじゃあ駄目だ・・・」
役に立たないと思いH&K・MP5Kサブマシンガンを元の持ち主の傭兵の死体に返すと、
今度はレーザーピストルを調べて見る、するとレーザーピストルには、エネルギーがまだ僅かだが残っており替えのエネルギーカプセルも幾らか行商人の死体から見つかった。




