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第3話 迷子の子猫探し


竜神さまをはじめとして、街中の人間たちが呆れかえった。どうやら街の人間の中に、一種の娯楽として冒険者の一団が竜神さまに挑んでどこまでできるかと期待する者もいたのだろう。


「まあ、現実はこんなものだよな」


俺は宿屋の上から降りてこの光景を忘れることにした。あとの状況は冒険者ギルドの職員たちがなんとかするだろう。宿屋の中に戻り俺が借りた宿泊室に移動した。


「これからどうしようか」


今この街から出るかどうかは悩みものだ。なにせこの街の空から竜神さまが見下ろしてるのだ。変に目を付けられても困る。まあ、俺の自意識過剰で俺を見てもなにも感じず、スルーしてくれるかもしれないけど。しかし、あれほどの格を持った存在に実力を隠すのは難しい。今日のところは冒険者ギルドで簡単な仕事を受けて小遣い稼ぎしようと思う。


俺は冒険者ギルドに移動した。


「冒険者ギルドにようこそ、冒険ですか? それとも依頼ですか?」


「冒険のほうで、あと簡単な依頼はありますか? 今回はお小遣い稼ぎができればいいので」


「それですとこのリストからお選びになられてはどうでしょうか」


どれどれ──。薬草の採取に、雑草むしり。迷子の猫の捜索。散髪屋のバイト。宿屋の掃除員。スライムの討伐など。


簡単な依頼だから、報酬は大したことないが。一人で生活している分安く済む。俺はこの中のリストから三つ選んだ。迷子の猫探しと、薬草採取。最後に鍛冶屋の足スタンドだ。


「これを受けます」


俺はリストからその三つを選びリストから受注書を切り取った。そして受付のお姉さんに渡す。


「承りました。この三つですね。頑張ってください」


俺はまず、迷子の猫を探すことにする。依頼書には白色におでこにぶち模様がある子猫だと言う。飼い主が家で留守にしている間に居なくなってしまったのだと言う。猫は自分の家、もとい飼い主の下に帰る習性があるはずなのだが、三日たっても帰ってこないらしい。


俺はこの世のあらゆるものに宿る精霊たちに確認することにする。目をつぶって意識を空、世界に向けて再び目を開けて空を見る。すると空あの精霊、雨の精霊たちの声が聞えた気がした。


「こっちか」


俺は精霊たちが伝え導いているほうに街を進む。軽い散歩気分で街を歩きながら、いくつか目の路地を右に曲がる。するとそこにはゴミ捨て場があった。大きなゴミ箱が三つ。その中の真ん中にある生ごみの中に動くものを見た。


「居たな」


そのゴミ箱の中には一匹の白猫がいた。ギルドで貰った写真と比較してそっくりだと言うことがわかる。


「この猫だな」


子猫でおでこにぶち模様があった。俺は子猫をごみ箱から取り出し手に持ちぶら下げた。


「匂うなお前」


ニャ~。不機嫌そうな鳴き声を上げる子猫だ。俺は猫を持ってギルドに戻る。さて、次の依頼だ。

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