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僕の異世界生活はどうにも波瀾万丈なようです。  作者: 有木苫占
第三章 男児はつらいよ ~僕とおじさん

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14 出立前のごたごた

短いですが今日の限界です。

 セドリックは諦めてくれたがコンラッドとサイラスが何やら企んでいるようで、午前中の勉強が終わった後セドリックを交互にどこかに連れて行った。


 午後からはブリジット伯母とイザベラが交互に僕達をお茶会に引っ張り出すので、セドリックはお茶会を抜け出す口実をもらい喜んでいた。


 トニーは温泉地の代官をまだ正式に承諾したたわけではないのに、ブライアン伯父上は砦の移築を進めていたり、僕の護衛で出席しているおブリジット伯母の茶会で将来トニーの部下になる人物の夫人を紹介されたりと、着実に足元を固められていた。


「引き受けてもいいと思うわよ。嫌になったらやめればいいんだもの」


 頭を抱えるトニーにシーナは軽い口調で助言した。


「アルが呪文練習するためには周りが荒野の温泉地の方が都合がいいわ。行政の方は優秀な文官を派遣してもらえるんだから、お任せしちゃえばいいでしょう?」


 人目の多い王太子離宮でアップウの呪文の練習をするのが難しいので、田舎に行くのは僕にとってもありがたい。


 シーナに勧められてもトニーはまだ納得できないのか表情が硬かった。


「王太子一家が代わる代わる温泉地に来ることになるから王族の魔力供給は僕一人で負担することにはならないはずだよ」


 僕の言葉にシーナは頷いた。


「貴婦人のお茶会に参加してアルはファン、支援者を増やしたから、王族がアルのために動くことに賛同する貴族が増えているから大丈夫よ」


 表情筋の身体強化を鍛えたお陰で動きやすくなるのなら、お茶会ぐらいいくらだって頑張るよ。


「アルフレッド殿下が公爵領と温泉地を行き来できるのならこの話をお引き受けします」


 トニーは僕が温泉地に引き籠ってしまい、将来引き継ぐはずの公爵領で過ごす時間が減ってしまう事を危惧していたようだ。母が公爵になって治めるはずだった土地にトニーは思い入れがあるのかな?


「わかったよ。公爵領で勉強もするよ」


 僕の返答にトニーは満足げに頷いた。

 ノンはそれでいいのかな?ノンを見遣るとノンは頷いた。 

 ……アルの行くところならどこにでも行くよ。

 

 そう言ってくれると思っていたよ。




 トニーが決断した頃、いつまでも王都いる僕にしびれを切らした公爵領から祖母の弟で領主代行を務めている大叔父が僕を迎えに来てしまった。


 この大伯父も母の親衛隊の一人で、僕に会うのを待ちきれなくて自分から来たのだった。


 公爵領へまでの旅程の決定をなんやかんやと先延ばししていたブライアン伯父上は大叔父にせっつかれようやく具体的日程が決まった。


 その日から毎日、ブリジット伯母とイザベラは毎食、時間に都合をつけて一緒に食卓に着き、しばしの別れを惜しんだ。


 一方、あんなにごねていたセドリックは、温泉地で僕達と合流するためなのか、始終落ち着いた態度で午前中の勉強を熟し、午後からも昼寝もせずにコンラッドかサイラスと一緒に過ごしていた。


 シーナは三人が何を企んでいるか知っているのに、微笑むだけで僕達に何も教えてくれなかった。


 出発当日はガーデンパーティーで仲良くなった王太子離宮の従業員達全員に見送られた。


「さすが、メリーアン姫様の長男アルフレッド王子殿下!王太子一家を虜にしただけでなく末端の使用人たちにまで慕われていますね」


 馬車の中からたゆまった離宮の従業員達に手を振った僕に、大叔父は感慨深げに言った。


 いやいや。


 僕とトニーとノンが突っ込みたいのはそこではなく、しれっと僕と一緒に馬車に乗り込んでいる従者の少年がどう見てもセドリックなのに、なぜ、大叔父がそこに突っ込まないのか理解できなかった。

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