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僕の異世界生活はどうにも波瀾万丈なようです。  作者: 有木苫占
第二章 おっぱいがいっぱい?

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31 女神降臨!?

 間欠泉の大きな噴水が落ち着くと、五か所に分かれている源泉から五色の湯が滾々と湧き出ていた。


 やったー!自分でお風呂のデパートが作れるぞ!


 アップウの呪文の土魔法で浴槽を作ると吹き出し口にライオンの顔の像を作ったりノンが水瓶を持ち上げている像を作ったりした。

 溢れるお湯はすぐ地面に吸収されるので排水の心配をせず、好き勝手に浴場のデザインができた。

 

「効能が高いけれど、持ち帰るとすぐ腐る性質の聖水ね」


 シーナは五色の湯を瓶に移すと魔法陣の上に載せたり、試薬のような物を混ぜてたりして分析した。

 一通り調べて満足するしたシーナはニーナを連れて魔術具の部屋に着替えに行った。


 水着を拒否するカカシのために足湯を作ると僕とトニーもテントで着替えた。


 緑の一族の女性達が作ってくれた水着はステテコみたいな短パンだったので僕とトニーも恥ずかしくなかった。


 生命の水の効果なのかトニーの上半身の入れ墨の色彩が鮮やかになっていた。

 

 僕とトニーとノンが一足先に温泉を楽しんでいると新作の水着に着替えたシーナとニーナがやってきた。


 女性の水着は古代ギリシャの民族衣装のようにゆったりとしたドレープが首元にあった。胸から下がストンと落ちるドレスタイプの水着で体のラインが見えにくくなっていた。

 これならカカシが着ても問題なさそうだ。


 新しい水着は濡れても体に張り付かないので、トニーのマグナムもシーナの肉まんもお湯から上がってもシルエットに出なかった。


 大きなお風呂に感動するニーナをシーナもカカシも笑顔で見ている。もっとみんなを楽しませようと波乗り板を取り出した。


 まだ波乗り用の浴槽は作っていないぞ、と言いたげな視線をトニーがそうそうに板に乗った僕とノンに向けた。


 フフフフフ。

 ここは灰に覆われた何もない荒野。湧き出るお湯を操るだけでどこででも波乗りができるじゃないか!


 アップウの呪文でお湯を操り広大な荒野をノンとサーフィンを始めた。

 出だしは穏やかな傾斜を利用して滑らかに小波に乗っていたのだが、お湯が少なすぎてサーフィンというよりタイヤのないスケートボードのようだ。


 サーフィンらしくしようと土魔法でビックウェーブを作り本格的な波乗りを再現した。


 何度か大波を乗りこなすとへっぴり腰だったノンも上手に乗りこなすようになった。

 露天風呂からみんなが拍手喝采してくれた。

 凄いです!と目を輝かせて言うニーナに、一緒に遊ぼう!と声をかけた。


 精霊達に補助をしてもらいながらニーナと小波で練習をしていると、トニーとシーナが土魔法で自分達が載れる大きさのボードを制作した。


 転覆防止の魔法が施されている魔術具の板をニーナ専用にして、僕も僕とノンも土魔法のボードを作った。


 大きさや形を整えると動きやすさが格段に上がり、調子に乗ってチューブランディングをすると、見ているだけだったカカシは、着替えてくる、と言い残して魔術具の部屋に入った。


 背筋がまっすぐになった今のカカシなら、年寄りの冷や水ではなく、偉大な精霊使いらしく魔法でサーフボードを乗りこなせるだろう。


 カカシが着替えて出てきたころにはトニーとシーナは大波を乗りこなし、ニーナも一人で小波を乗りこなせるようになったいた。


 サクッと土魔法でボードを作製したカカシは齢二百歳越えとは思えない身体強化で見事に波乗りを一発で決めた。


 何よりも驚いたのは、カカシは古代ギリシア風の水着がとても似合っていたのだ。胸元のたっぷりとしたドレープの存在があっても主張するメロンサイズのふくよかなおっぱいとボードの上で体制を整える丸い腰がびっくりするぐらい妖艶だった。


 カカシは齢()()()()()()なんだよ!


 腰まで伸びる白髪はツヤツヤピカピカに輝き風を受けてたなびいている。

 楽しそうに笑う目元や口元には小皺やほうれい線があるけれど、四、五十代にしか見えない。


 波乗りするカカシのそばで中級精霊が両手を広げ楽しそうに飛んでいる。一人と一体の周りで精霊達が煌めいているから、まるで女神降臨のように美しかった。


 カカシの手前で小波を乗りこなすノンとニーナが女神に仕える天使に見える。


「カカシ様が凄く楽しんでいるけれど、ラウンドール王国王太子が護衛だけを伴ってこっちに向かってきているわね」


 シーナが遠くを見ながらそう言うと、僕とトニーも視力強化でその方角を見た。

 

 馬まで身体強化をしているのか砂煙を上げながら爆走してくる一行が見えた。


「なるべく早めに教会に寄付をした方がいいんだったら、馬が走りやすいように地面を少し固めようかい?」


「そうね、こんな灰の上を走らされている馬が可哀想だものね。アップウ!」


 精霊達は砂煙の立つと地点まで真っすぐに集まり灰を固めると遠くに見えていた砂煙が消えた。


 カカシ達に声をかけようと振り返ると、カカシはニーナを抱っこしながらノンと一緒にチューブランディングを楽しんでいた。


 おおおお!お見事!と僕とトニーとシーナは声をかけるのを忘れて拍手をした。


「カカシ様!カッコいい!」

「ああ、こんなに楽しんだのはいつぶりじゃろう!」


 世界中の土地の魔力を整える使命を持つ緑の一族の族長として常に重責に追われているカカシが心から楽しんでいる姿を見ると嬉しくなった。


 カカシはラウンドール王国王太子一行が来ている方角を見ると真顔に戻った。


「想定よりずいぶん早く来たようです。部隊を置いて単身で乗り込むことを選択したからですね」

「ああ、着替える時間がなさそうじゃ」

 

 中級精霊の言葉にカカシは残念そうに言った。


 馬たちの足音が聴力強化をしなくても聞こえる距離になっていたのだ。


「威厳が出ないけれど、仕方ないか」


 みんなで楽しみ過ぎて時間を忘れてしまったんだよね。




 ラウンドール王国王太子の伯父は三人の護衛と共に僕達のはるか手前で馬を止めると、すぐさま馬から降りて膝をついた。


「元聖女シーナ様の儀式により被災地一帯から邪気が完全に消失しました。いち早く御礼を申し上げるべく、私、ラウンドール王国騎士団指揮官王太子ブライアンが馳せ参じました」


 王太子ブライアンはカカシを真っすぐ見ながら名乗りを上げた。


 シーナがコホンと咳払いをしてカカシを見た。シーナは王太子ブライアンが人違いしている事の指摘をカカシに丸投げにした。


「そう畏まらないでおくれ。儂は緑の一族族長カカシじゃ。……孫娘の元聖女シーナが護衛契約したアルフレッド王子の祖国近郊で多くの彷徨える魂を生み出した被災地を取り急ぎ整える必要があっただけじゃ。政治的なことには関与せん」


 カカシは王太子一行を立たせると、緑の一族としてこの地がどこの国に所属しているかを気にしない、とのっけから明言した。


 王太子ブライアンはシーナだと思っていた人物が緑の族長だと聞くと驚いた表情をし、失礼いたしました、と頭を下げた。


 孫娘、と紹介されたけれどシーナはカカシの玄孫(やしゃご)でもなければ九世代目の雲孫(うんそん)でもないだろう。


「上級魔術師にして上級魔導士同等の元聖女にして、シャオ王国から亡命中のアルフレッド王子殿下と護衛契約を結んだ冒険者シーナです。メリーアン王女殿下亡き後のラウンドール王国内にアルフレッド王子殿下を安全に送り届けるために鎮魂の儀式をいたしました」


 シーナは王太子ブライアンに神々のご利益の一件を飛ばして本題から話した。


「それは、私がアルフレッドの後ろ盾として王宮で動けるよう戦後処理を終わらせた、という事ですか」


 シーナと僕は頷いた。


「毒殺未遂事件から命からがら逃げてきました。まだ国外には正式に発表していませんがシャオ王国では父が即位したので状況は変わっています。ですが、僕は母上の遺産を散財しながら旅をしてきたので、ラウンドール王国に王族として義務を果たす必要があります。現状ではシャオ王国に戻るかどうか決めかねています」


「ああ、メリーアンの領地を母が代理で治めているんだったな。アルフレッドをメリーアンの子としてこのブライアンが保護しよう」


「そうと決まればさっそくじゃ。被災地の浄化が一気に進んだ分の遠征費用が浮いたじゃろう。それをそっくり、()()()、教会の総本山の大聖堂島へ寄付してくれ!まだシャオ王国国王の寄付金は東方連合国代表国の教会で止まっているんじゃ。後れを取るとアルフレッドの洗礼式で所属する教会がシャオ王国になってしまう!」


 カカシがまくしたてると王太子ブライアンはカカシの方に身を乗り出した。三人の王太子ブライアンの護衛が反応して前に出ようとしたが、王太子ブライアンは両手を下げて護衛たちを制した。


「急ぐ事情は理解しました。後見人の私の個人財産から支払いましょう。最寄りの教会にご一緒……」


 即決した王太子ブライアンの話が終わる前に、僕達と王太子一行の間に突如として二人の男性が現れた。

 上級精霊様と高級そうな司祭服を着た男性を目にすると誰なのか予想のついた僕達は跪いて頭を下げたが護衛たちは腰の刀に手をかけた。


「教皇猊下、ご足労ありがとうございます」


 シーナの端的な紹介に王太子ブライアン一行も、跪いた。


「皆の者、楽な姿勢で聞いてくれ。話はカカシ殿から伺っている。だが、教会としては、アルフレッドを洗礼式後に将来の枢機卿候補として神学校で引き取りたい、という話が出ている」


 姿勢を正した王太子ブライアンが眉を顰めた。


「お言葉ですが、教皇猊下、アルフレッドはラウンドール王国で公爵の地位が約束されている少年です。神学を学ぶことは誠に尊いのですが、ラウンドール王国に留めおくことをラウンドール王国王太子として希望いたします」


「シャオ王国国王から来年のアルフレッドの洗礼式の依頼金と心付けがもう東方連合国の教会に入金されておる。それを返金するためにもアルフレッドを教会預かりにしておく方がよいと思わないか?」

「母を亡くしたばかりの幼いアルフレッドは身内が責任もって養育すべきと考えております」


 教皇猊下の提案に王太子ブライアン即座に反論した。


 教皇猊下の護衛のような立ち位置で涼しい顔をして立っている上級精霊様は優しい目で僕を見た。


 シナリオ通りに事が運んでいるんだろう、と僕とトニーとノンは落ち着いて二人のやり取りを聞いていたが、ニーナの目が泳いでいた。


「ふむ。一理ある。では、アルフレッドの洗礼式は教会都市で行うことし、成人登録の際、本人が所属教会を決める、という事にしてはどうだろう?」


「ありがとうございます。そのようによろしくお願いいたします」


 僕は教皇猊下に頭を下げた。


「王太子ブライアン。寄付金は五つの教会都市の内、西北部の教会都市の教会に寄付をするとよかろう。シャオ王国国王は東北部の教会都市の教会で洗礼式をしようと根回しをするはずじゃ」


 カカシが即座に助言をすると、そうですか、と王太子ブライアンはカカシの方に近づいた。


「では、どのように……」


 王太子ブライアンはカカシの助言をもっと得ようと詰め寄り、説明を聞くと、ありがとうございます、と頭を下げるのではなくカカシの手を取った。


 王太子ブライアンの行為にカカシは困惑したように腰を引き、王太子ブライアンの護衛たちの頬が引きつった。

 

 トニーは顎を引き残念な子を見るような目で王太子ブライアンを見た。


『王太子ブライアンは年上の女性が好みなんだよ』


 脳内に上級指令様の精霊言語が聞こえると、僕はグフっと吹き出しそうになるのを身体強化で必死に抑え込んだ。

 

 僕の父方の伯父は弟に托卵する不倫野郎で、母方の叔父がヘンタイサディストで、もう一人の伯父が熟女好きなのか!


 僕の後ろ盾は熟女好きがいいよ。

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