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僕の異世界生活はどうにも波瀾万丈なようです。  作者: 有木苫占
第二章 おっぱいがいっぱい?

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8 おっぱいがいっぱい!?

やっと、おっぱいがいっぱいな集落です!(需要がなさそうなおっぱいもいっぱいあります)

 偽物の空に吸い込まれていく噴水の水を見上げていると、ガヤガヤと騒がしい音が七つの塔の方向からした。

 塔の上部から縄梯子のような物が降りてきた。腰布一枚の男たちが降りてくる縄梯子から片手を離し身を乗り出して噴水を指さして喚いている。


「うわぁ。面倒臭い。爺さんと妖精は水泥棒をしていた魔術具の回収に行っている。私は通訳になりたくないんだよね」


 これ以上厄介なことに巻き込まれたくない、とシーナはボヤいたが、とりあえず、住民たちが今どう言っているかは知りたいな。


「連中は何だって、騒いでいるんだ」


 トニー険しい表情でシーナに尋ねた。


「最上階の五層まで届いた水の水源を確認に来たんだが、一部の人間は私達を水泥棒だと警戒している」

「おっと!自分達が水泥棒だったから僕達が水を出した、と考えるより盗みに来た、と考えてしまうのかな?」

「言葉が通じないのだから、話し合うより威嚇する方がいいか?」

「頼んだ!良い人ぶるより、その後の対応がラクになる」


 シーナとトニーは素早く打ち合わせをした。


 兎と一緒に人気者になるつもりだったが、神の使いで崇められるより、悪人ぶって、お前たちの風呂はワシらのもんじゃ!ガハハハハ!と風呂だけ堪能して転移するのも、ありかもしれない。


 梯子が一階層の地面に到着すると腰布姿の男たちが僕達の方に走り寄ってきた。


 笹かまぼこのような形の()っぱいがブルンブルン揺れている。

 わぉ!

 鏡餅サイズの()っぱいがちぎれんばかりにボヨンボヨン揺れている!


 走り寄ってきた男たちは、屈強な体格のトニーとトニーと劣らない身長のシーナより背が低い者たちばかりだったが、いざ、僕達の前に出てきたのは重量級の体格の男たちだった。


 必然的に見事な雄っぱいの持ち主達が先頭になった。


 男たちはてんでばらばらに噴水と僕達を指さして何か喚いていたが、さっぱりわからない言葉だった。


 シーナは挑発するように左手で噴水の水をすくうと飲むふりをした。

 口元に指が触れるや否や、一斉にシーナに向かって衝撃波のような風が起こったが、トニーがすでに抜刀しており炎が風を跳ね返し、攻撃者と思しき男達は炎に包まれた。


「問答無用で攻撃してくる奴らは燃やしてしまうに限るねぇ」


 上手に手加減しているはず、とトニーを信頼している僕は呑気な声で言った。


「妖精と爺さんが戻ってくるまで燃やしておこうか?」

「「そうしよう!」」


 僕とシーナは声を揃えて頷くと、ノンも、うんうん、と頷いた。


 炎に包まれた男達は慌てて炎を振り払おうと腰布を外してバンバンと体を叩いたが、炎は消えず、そのうち熱くないことに気付いたようで、怒りの籠もった眼差しをトニーに向けた。

 パンツをはいていてくれてよかった。

 

 攻撃を仕掛けてきたから燃やされているんだよ。

 自業自得じゃん。

 

 まだ燃えていない男が空の手で弓を引く仕草をすると、僕達に向かって弓矢がビュンビュン飛んできたが、僕達の二メートル手前で燃え尽き、変わりに炎の矢が射手の男に刺さった。


 最強の護衛はやっぱり最強だ。


「これは、詠唱魔法なのか?」


「ああ、詠唱魔法だ。喚き声の中に呪文が混ざっている。トニーの火炎魔法は魔法を攻撃魔法を反射するもので攻撃の威力が弱まって反射している、と勘違いしている」


「シーナが精霊魔法で介入しているから、俺の魔力を使用せず奴らの魔力を使用したことで、本当は演習用の炎なのに反射で威力が半減したから火力が弱い、と勘違いしたのか」


「シーナが介入したの!?シーナは呪文を唱えていないじゃないか!」


「口を閉じたまま口腔内だけでハッキリと呪文を唱えたら無詠唱魔法っぽく見えるだろう。アルもこのくらいまで上達しなければ人前で呪文を唱えてはいけないよ」


 僕達が呑気に青空魔法学教室みたいにシーナの解説を聞いている間にも男達は攻撃を止めず、大槍が僕達に向かって飛んできた。


「勘違いを正してやろう!」


 大きく踏み込んで跳躍したトニーは大槍を掬い上げて偽物の空に向かって薙ぎ払うと、次々と飛んで来る大槍も偽物の空に向かって軌道を変えた。


「アップウ!」

「あ!天井を壊しちゃう!」

 

 僕とシーナが同時に声を上げると、天井に突き刺さるかと思われた大槍は空中で止まりその場で爆発した。


 火の粉がパラパラと振ってくる。

 僕達には火の粉が降りかからなかったが、男達に降りかかった火の粉は本当に熱かったようで、男達はバシバシと体中を叩いた。


「「やりすぎだよ!トニー!」」


 僕とシーナとノンがトニーを睨みつけていると、僕達と男達の間に老人と妖精が現れた。

 老人が男達に向かって何やら喚いた。

 妖精はトニーが撒き散らした火の粉があちこちで牧草を燃やしているので噴水の水をまき散らして消火にあたった。


 老人に事情を聞いた男達は動揺したような声色で言い訳をしたのだろう、老人に一喝された。

 男達は一斉に両手を上にあげると僕達に向かって土下座をした。


 トニーはようやく火達磨にした男達の炎を消した。





「申し訳ございませんでした!」

 

 消火を終えた妖精が老人と共に土下座をした。


「いくら、水泥棒の露見を防ぐことが急務だったとはいえ、私達の紹介をせずに集落を離れるから、こうなったんじゃないか!」


 シーナは土下座する妖精に向かって指をさして激しく叱責した。

 言葉が通じない男達に見せつけるためだろう。


「外部と接触がない集落なのに攻撃力が高いのはどうしてだろう?」


「魔獣対策じゃないのかな。一階層にこれだけ家畜を飼っていると、狐や鼬の侵入がありそうだ。土地の守りの結界は死霊系魔獣や大型魔獣の侵入を防ぐが、小型の魔獣の侵入まで防がない。生き物の魔力の流れを断ちすぎるとよくないんだ」


 妖精に説教をしているシーナの代わりにトニーが説明してくれた。


「酷い歓迎を受けたから、長居したくないんだよね。お風呂をお相伴にあずかったら帰るから支度してくれないかな」


 僕が妖精に注文を付けると、シーナが首を横に振った。


「今晩はここで宿泊するよ。アルが水の神様に夕食を振る舞うと約束したじゃないか!」


 そんな約束……しました。


「それは、僕の魔力奉納で水が湧き、この集落で歓迎される事を前提として言ったんだよねぇ」


 僕が頭を抱えると、老人は、なんとかしてくれ、とすがるように視線を妖精に向けた。


『長老のご説明通り、この方々が水の神様に、いや、七大神に祈ったことで、再び水が湧きだした!この集落の恩人、神々の御使い様を皆で歓迎する準備をするのだ!』


 妖精の言葉が直接脳内に聞こえた。


「「これが精霊言語なの?」」


 僕とトニーの問いかけにシーナは頷いた。


 妖精の指示を聞いた男達は一斉に立ち上がると塔の梯子に向かって走り出した。

 

「面白いね、あの梯子」

「あれは、魔力を流すと上下する階層を移動する魔術具です」


 妖精は揉み手をしながら僕の質問に答えた。


「とりあえず、お風呂をいただいて夕食を、神々に献上して……転移で帰ろうよ」


 妖精を無視してシーナに声をかけると、シーナは小首を傾げた。


「転移で帰るのはいつでもできるから、あの居住部に一泊させてもらったらもう少し面白い魔術具が見られるよ」


「これ以上面倒事に巻き込まれるのは御免だよ」

 

 トニーの言葉に僕とノンが頷いた。


「このまま、この集落を放置するとアルは後から気になるだろう?ここは独自の方法で魔法を発展させている。これ以上の面倒事があったら転移してしまえばいいから、見てみよう」


 男達に攻撃されるまでは閉ざされた集落の魔術具や魔法にワクワクしていた気持ちを思い出した。

 トニーとノンはそんな僕を見て頷いた。


「そうだね。一泊ぐらいしてみようかな」


 妖精が僕の言葉を通訳したようで、老人が涙目で嬉しそうに頷いた。


『集落の代表者が降りてきました。通訳させていただきますので、なにとぞご挨拶する事をお許しください』


 妖精が精霊言語で僕達に告げると、闇の神の塔から降りてきた縄梯子にビキニにパレオを纏った大きなおっぱいの女性がいた!


 本物のおっぱいだ!

 いや、雄っぱいは偽物じゃない。あれはあれで本物のおっぱいだ。


 僕の掌に集まった精霊達が、おっぱいを凝視するな!と言いたげに淡い光を放った。

 いや、おっぱいに釘付けになんかなっていない。異世界転生をした事を自覚してから、本物の女性はアデルとシーナしか見ていないんだよ。

 女性の女性らしい部分に目がいってしまうのは仕方ないじゃないか!


 ノンが僕の腕に飛び込むと、つぶらな瞳で僕をじっと見た。

 ……男達が降りてきた時からおっぱいに釘付けだったじゃないか、って言いたいような表情だ。


 そうだよ。

 おっぱいは、嫌いじゃないよ。……柔らかそうだし。


 弾むおっぱいを見ると元気が出るじゃないか。

 ふっくらしている体は病弱だった前世の感覚では、元気にご飯を食べられる幸せを無自覚に堪能している体で、ちょっと羨ましかったんだ。


 ノンのつぶらな瞳は……ちょっとぐらいおっぱいを凝視してもいいか、と言いたげな肯定的な眼差しになった。

 掌に集まった精霊達の光も優しく揺らいだ。


 僕がノンと精霊達と心を通わせている間に妖精は集落の代表者の女性にあらましを説明したようで、代表者の女性は目に涙を浮かべて小刻みに震えながら僕達に頭を下げた。


 下を向くと大きなおっぱいの割れ目がくっきり見える。

 さすがに恥ずかしくなった僕はそっと目を逸らした。


 素敵なおっぱいは遠くからそっと見るのがいいのだ。

 掌に集まった精霊達は、そうだね、控えめにね、と言うかのように二回点滅した。


『代表者のマーサは集落の救世主たる神々の御使い様の少年一行を歓迎したいので、是非ゆっくり滞在してほしい、と申し出ています。どうか御使い様、ご検討ください』

 

 妖精は僕の鼻先で優雅に一礼した。


『御使いらしく、慇懃に、一泊だけして検討しよう、って言った方がいい』


 シーナは精霊言語で僕に指示を出した。


 御使いらしくとは?

 僕の疑問に答えるように精霊達が僕の周りに集まり出した。


 ちょっと待った!


 この状態って、僕、今、全身が光り輝いているんじゃないのかな!?


『ここで、一言!』


 シーナの指示に、無い知恵を縛りだしてもいい言葉が浮かばなかった。


「……一泊だけなら泊ってやってもいい」


『我が一行を歓待するというのなら、検討しないこともない!と御使い様がおっしゃっています』


 妖精の翻訳が意訳すぎる。


 感激したように体を震わせた代表者マーサが胸の前で拳を握りしめ僕に向かって深々と礼をすると、ギュッと寄った大きなおっぱいはビキニからこぼれ落ちそうに見えてしまい、僕は目を逸らした。

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