表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メカニカルワルキューレ ─未来を取り戻す物語─  作者: ハムスターマン
第三章 ティターニア編
136/137

第136話 けれど、差し伸べた手


リリィが倒した無人機以外には発見されることなく救助対象の居る部屋の近くまで来る事が出来た。


これはひとえにロゼッタが警戒を強めてくれたおかげだろう。


「ありがとうねロゼッタちゃん。」


リリィは働き者のロゼッタを撫でた。


『いえいえー。未来のお姉ちゃんの為ならお安いごぎょっ!!』


そこまで言ってローレンツに拳骨されていた。


「……ローレンツ、あんまり妹を殴るのはどうかと思うよ」


「……コイツはネガ・メガミドライヴになってからかえって防御力上がったから良いんだ。」


「いや、そういう事じゃ……はぁ。」

リリィもそこまで言って言葉を飲み込んだ。


これはあくまでローレンツとロゼッタという兄妹の問題だ。


人様の家族環境にとやかく言う筋合いは無いだろう。


『良いぞ良いぞ言ってやれー!この暴力ゴリラ唐変木に言ってくだせい!』


ロゼッタはどこから取り出したのか、左右のアームユニットに団扇を持ちリリィを煽った。


「……ロゼッタちゃんもほどほどにね?」


『……はい。』


そんなやり取りをしているとローレンツがリリィを静止させた。


「……ここだ。


リリィ、合図と同時に扉を破壊する。


先に内部の人間を扉から遠ざけるぞ。」


リリィとローレンツは扉の左右に分かれると一度ノックしリリィが声をかけた。


「こちらはメカニカルワルキューレ!


あなた方を助けに来ました!

扉を破壊します!


できるだけ扉から下がってください!」




内部から改めて助けに来た事を確認する声やどよめき、そして複数の喜びの声が聞こえた。



……ただ、特に穏健派の議員は武装勢力のメカニカルワルキューレが助けに来た事に懐疑的なようだった。



───危険な武装勢力の言葉なんぞ信じられない……確かに、そう聞こえた。



『……あのー、助けられる分際でごちゃごちゃ言ってるとあなた達一生その小さなブタ小屋の中でむぐうっ!?』


ロゼッタのスピーカーをリリィは咄嗟に塞ぐ。



「……ありがとロゼッタちゃん。でもちょっと控えて


……みんな捕まって閉じ込められて、自由を奪われてピリピリしてるだけだから……ね?」


リリィはロゼッタを優しく撫でるとデルズキー超高周波ブレイドを武器スロットから呼び出す。


そして超高周波ブレイドが閃いた次の瞬間、鋼鉄の扉は音もなく四散した。



その光景に議員の何人かは思わず後ずさった。



───しかし、煙の中から現れたリリィの姿を見て思わず声を漏らした。


「……女……の子……?」


リリィの声色から年の若い女性である事はある程度予想していた。



しかし、メカニカルワルキューレの細かい情報は一般議員には知られていなかった。



───むしろ彼女達の正体を知っているのは特権階級の人間達ではなく、実際にメカニカルワルキューレ達に戦火で助けられた一般人達だろう。



故にパワードスーツから覗く顔があまりに幼い事に議員達は呆然としていた。


「君が……君達が本当にあのメカニカルワルキューレ……なのか……?」


「……はい。私達はソーマ国連事務総長の依頼を受けあなた達の救助に来ました。



……今も、他のワルキューレが外であなた方を助けるために全力で戦っています。




───さぁ、手を伸ばして!私達が必ず、あなた達の未来を守ります!」




リリィはゆっくりと尻もちを着いている女性に手を差し伸べた。




───メカニカルワルキューレ……国連穏健派のなかでそれは危険な技術を独占する指定武装勢力……


その───はずだった。





───しかし、リリィの翡翠の瞳は






この場の誰よりも真っ直ぐで





美しいものだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ