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メカニカルワルキューレ ─未来を取り戻す物語─  作者: ハムスターマン
第一章 プロメテウス編
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第10話 異変


3人での買い物が終わって、私の無機質だった部屋は生活感のある物になった。何もなかった洗面所は様々な化粧品が並び、雑多になったのに今の方が落ち着く。"人が生きている"そう実感させてくれるから。


初めて使う化粧水は

甘い匂いだけど

誤って口に入ってしまったそれは

とても苦かった。



新たな任務がハカセから告げられた。


私がブリーフィングルームに入ると既に人数が揃って居た。


「全員そろったわね。ではブリーフィングを始めるわ。今回の任務はプロメテウスの開発した新型の破壊よ。」

ハカセは衛生をハッキングして撮影した写真をホログラムに表示した。

それは大きな車に手が生えたような形の兵器だった。


プロメテウス…また人を殺す為の道具を…!


私が静かな怒りに震えて居たら、隣に並んでいたアリアとディアナさんが同時に背中に手を置いてくれた。二人はちゃんと真っ直ぐホログラムをみてるのに、私の小さな変化に気付いてくれた。


「……作戦開始は0200(ゼロフタマルマル)。想定通り、無傷で戻ってきなさい。私の計算を狂わせないで」

ハカセはそう言うとブリーフィングを終えた。

ブリーフィング後

「リリィ、そんなに力むなって。アタシたちメカニカルワルキューレは無敵だろ? サクッと壊して、帰りにまたあの喫茶店寄ろうぜ」

ニカッと笑いながらアリアは言う

「全くアリアは……もちろん私も行くわよ」

ディアナさんも口ではアリアを注意してるけど楽しげだ。

私も皆と喫茶店に行くのは好きだけど、まだ任務を片付けたらなんて発想にはなれない。

むしろ二人は慣れすぎているというか……人の生き死にが関わるのになんでこんなにヘラヘラしてられるんだろう……



そう言いえば……ゼロフタマルマル……ってなん時だろ

怒られるのを覚悟でハカセに確認したら

ハカセは無表情のまま一秒ほどフリーズして、「あぁ……そうよね……私の教育不足ね。キュベレ、リリィに基礎用語集を転送しておいて」と、呆れつつも面倒を見てくれた。



そして作戦開始1時間前


私はキュベレさんから送られた「基礎用語集」を必死に予習していた。

「ええと、ヴィクターは『V』……ブラボーは『B』……」

それを横で見ていたアリアが

「リリィ、そんなの覚えなくていいよ。アタシそもそも読んだこと無いし」と背中を叩く。

「いや、それは流石に読んで…任務に支障出るから」ディアナさんはため息を零した。

「うえー……つうかさー、深夜2時はやめてほしいよな。肌荒れちゃうよ。」

アリアは頬を撫でながら肌荒れの心配をしている。

「確かに…眠いね。」私もアリアから昼間に「肌の大敵だからちゃんと寝ろよ!」と言われて寝てみたけど上手く眠れなかったから眠い。

「今回は敵の倉庫施設を破壊するのが任務だし。なるべく人目は避けたいのよ。」

ディアナさんは作戦概要が纏められたデータを確認しながら話す。


そして迎えた深夜2時。

私達はラボから出撃した。

空から見る街は少し暗く、皆が寝静まっているのが改めて分かる。

「(……この静かな眠りを守るのが、私たちの『任務』。終わったら、あの喫茶店が開く頃……かな)」


私は今回新たに支給されたハンドガン型のビーム兵器を握りしめ目標地点へ向かった。



目標地点まで3人+無線でオペレーターのコトネさんと駄弁って居たらラボのコトネさんだけががハカセに怒られて、無線が切れちゃって申し訳無い気分になった。


「……目標視認。始めましょうか」

ディアナの合図で、リリィが新しいハンドガンを構える。

ハンドガンだけど遠距離射撃も可能な性能らしく、何でもディアナさんの射撃特化のMV(メカニカルワルキューレ)アレクトの開発技術を応用したものだとか。

引き金を引いた瞬間、私の眠気を吹き飛ばすような高エネルギーの閃光が炸裂し、たった一撃で目標の破壊はとても呆気なく成功。

次いでビームに驚いて出てきた小型兵器達を、私達3人で次々に蹴散らしていく。


「な? 言っただろ、アタシ達は無敵だって! さあ、サッサと残りの倉庫も片付けて、あのアイスの乗ったコーヒー飲みに行こうぜ!」

アリアの声が通信機越しに弾む。

リリィもそれに笑って応える。

(……本当だ。この力なら、私達も、誰も傷つかずに平和を守れる) 


──そう、思って居た時だった。


「っ!?作戦地点に高速で接近する高エネルギー反応を検出!皆構えて…来ます!!」コトネさんの焦りが混じった通信が走る。

通信の向こうで、ハカセの「……馬鹿な、この周波数は……」という絶句が聞こえる。


突如爆風と共に私達の目の前に現れたそれは、巨大な人型…大きさこそ3〜4メートルの巨体だったが、驚きはそんな所では無かった。

その黒き機体は、魔力結晶の光を放っていた。

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