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転生覇王と銀乙女 ~チートスペックで異世界転生~  作者: 夕見京成
第1章 ~異世界転生動乱編~
20/24

第17話 『迷宮第二層:謬錯』


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 定期的な執筆を心掛けております。

 何卒、よろしくお願いいたします。




 迷宮の中では日の光が見えないので時間の進みがイマイチ分からないが、少なくともいつも眠っているより長い睡眠時間をとった事は分かる。


 リアナより先に目を覚ました俺は報酬として貰ったデュランダルを収納(ストレージ)から取り出して適当に振ってみる。

 …………リアナの方が使いやすいな。リアナより重いがそれだけのように感じる。まあ、まだ本格的に敵を斬った訳じゃないから憶測だが。


 リアナが起きる前に二層の様子を確認しようかと思ったが、万一俺が戻る前に目を覚ましたらその日一日リアナは不機嫌になるからな。少し退屈だが朝飯でも作って待っておこう。


 昨日のボス部屋を含め一層はリアナに頼りっぱなしだったな。

 特に、ボス戦では取り巻きの雑魚を近づけずに殺したのは流石の一言だった。ジェネラルオークだけでなく、普通のオーガまで一撃で倒しきるとは恐れ入る。それも詠唱をせずにただ魔力を放出しただけの出鱈目魔法で。


 …………正直に言うと、自信無くした感じだった。俺が剣状態のリアナを使うよりも、リアナ一人で戦った方が強い気がする。

 俺もこの二年で強くなったつもりだったがリアナや師匠、エクスカリバーと比べると足元にも及ばない。今回の迷宮でもっと強くならねば。


「…………ん、んん。いい匂い……」

「おはようリアナ。まだまだ眠そうだな」

「……だいじょうぶ。それよりお腹空いたー」


 リアナはまだショボショボしている目を擦って起き上がる。昨日は魔力も結構使ったし、腹が減るのも当然か。


 肉ばかりで全然ヘルシーじゃない朝飯を済ませて二層の攻略に挑む。二層も一層と同じで暗い通路だった。


 試し斬りの為にデュランダルを持って通路を歩く。暗いから良く分かるが、黄金の長剣は少しだけ光を発していた。

 その光につられてやって来たのか、前からブラックベアが現れる。Cランクでちょうど良さそうだ。


「リアナ、待っててくれ。『【身体強化(ブースト)】』」


 ブラックベアが降り下ろす腕目掛けて斬り上げる。

 デュランダルはまるでバターみたいにスルッと腕を斬った。返しで首を切り落とす。

 この剣、思った以上に凄い切れ味だ。俺が作る剣とは雲泥の差がある。大事にして行こう。


 ブラックベアの素材と肉を剥ぎ取り、丁度良いからデュランダルも一緒に収納(ストレージ)に入れる。この剣も奥の手の一つとしてとっておこう。

 さっき少し動いて分かったが、昨日の分の疲労はほとんど取れている。出てくる魔獣もそこまで高いランクでは無いし、この調子で行けば何の問題もないだろう。




     □■□■□■□




 夕飯を食べ終わって少し歩いたらボス部屋前の大きい扉が見えた。


 結局、第二層では第一層の亜種に加えてブラックベアとオークだけしか魔獣は出なかった。それでも一層の魔獣よりは格段に強く、一層より面積が半分と言ってもその分戦闘で苦労した。

 一層の時よりも疲労は少ない。やはり戦闘よりも歩く方が堪えるようだ。二層では、だがな。


「リアナ、一層は比較的楽にいったが二層もそうとは限らない。いつも通り慎重に行こう」

「わかった。いつもどおりね」


 リアナの頭を一回撫でてから扉を開ける。一瞬デュランダルを使おうか悩んだが、切り札をやたらめったら使っていては切り札の意味が無いだろう。ヤバくなったらまた考えるとするか。


 ボス部屋の大きさは一層と変わらない。だが、中にいる魔獣は全く別だった。


 鷲の翼と上半身、獅子の下半身を持つグリフォンと、獅子の頭、山羊の胴体、蛇の尻尾を持つキマイラ。どちらもBランクの魔獣で五匹ずつ。昨日のオーガ亜種が可愛く見える。


「……リアナ、悪いがグリフォンを頼めるか? 俺がキマイラを殺る」

「任せて。()()()()()()()()、でしょ?」


 リアナは自信満々に頷くと、剣を生成すると精霊独自の空を飛ぶ魔法――――――舞空術で舞い上がる。

 俺も空中戦が苦手な訳じゃない。魔力で足場を作れば十分戦えるのだが、リアナと比べると圧倒的に効率が悪い。


『【魔力物質化(マテリアライズ)・覇】【金剛力】【明鏡止水】』


 三つの魔法を同時に展開して準備をする。上級魔法三つを同時に使用し、且つ二つを維持するのだから魔力がごっそり減っていく。いつもと同じで短期決戦が良さそうだ。


 俺が剣を作ったと同時にキマイラが一斉に下級魔法の火球(ファイアボール)を放った。Bランクだけあってキマイラは魔法を使う。


 俺は縮地で避けながら距離を詰める。

 キマイラの厄介な点は魔法を使う事よりも敏捷性と尖った爪、尻尾の蛇だ。特に尻尾の蛇は爪とは違うタイミングで攻撃してくるから、単純に手が三つになったのと変わらない。

 

 キマイラに真っ正面から接近戦を挑むのは分が悪い。背後をとっても蛇がいる。それなら上か?


 俺は傷を負わないようにキマイラの攻撃を避ける。注意を逸らしている間に、空中で魔力物質化(マテリアライズ)・覇を使って大剣を作り出す。

 縮地を使ってキマイラをいなし、大剣を突き刺して一匹殺す。


 一匹死んで動揺が走ったみたいだ。キマイラの足が止まった。これなら――――――


『【斬鉄閃】ッ!!』


 放った斬撃で更に二匹の胴体を斬り放す。

 後二匹。ここまで来れば後は早い。ここでケリを着ける!


『【解放(バースト)】ォ!』


 俺は大量の魔力を消費して身体能力を上げる諸刃の剣の魔法を使う。

 魔力を消費せず擬似縮地を使い、キマイラを分断しつつ一匹を集中して斬りまくる。


 キマイラの尻尾の蛇を斬り落とした時にキマイラが倒れた。残り一匹か。このまま――――――


 そこで、急に疲労感が俺を襲った。

 魔力切れか。まだ一匹残ってるってのに…………!


 魔力切れの俺を見て、キマイラの口が開く。火玉(ファイアボール)か。避けきれねえ…………!!


 火玉(ファイアボール)が俺に当たる瞬間、いつの間にか俺の目の前にいたリアナが剣で斬った。


「任せて」


 リアナは一息でキマイラに接近すると軽々首を斬り落とし、魔力の光線でキマイラを焼いた。


 疲労感に次いで吐き気も出てくる。ここまで本格的な魔力切れは初めてだ。

 リアナは剣を消して俺に向かって走り、何の前触れも無く俺に抱きついた。そのまま俺に顔を近づけた。


 俺の唇が柔らかい何かに触れている感触。もしかして、俺ってリアナとキスしてるのか?


 リアナと触れている唇から彼女の魔力が流れてくる。濃度が濃いがそれ以上に澄んでいる綺麗な魔力。吐き気なんてどっかに吹っ飛んでいた。


 数秒間キスして俺の魔力が満タンになった時、どちらからともなく身体を離した。


「……大丈夫?」

「あ、ああ、助かった。ありがとう」


 コイツ、動揺してないな。俺ばっか意識してるみたいで恥ずかしい。


『第二層クリアおめでとうございます。報酬に術神の指輪が贈られます』


 第一層と同じ様に上から指輪が落ちてくる。白と碧を基調とした神秘的さを感じさせる指輪だった。


 安心して力を抜くと、疲労感が更に増した。魔力切れは治ったが、結局身体の方にガタが来ていたらしい。一層とは比べ物にない疲労感だ。


 リアナは俺の身体の状態を察したらしく、上目遣いで手を繋いできた。

 本当に、リアナには助けられてばっかりだ。今回も下手したら死んでいたかもしれない。

 俺は口にするのが恥ずかしくてリアナに精一杯微笑むと、リアナも何も言わずに笑顔を見せた。

 リアナ、お前はやっぱり最高のパートナーだよ。


 三層への階段に行くと、俺達は昨日と同じく一緒の寝袋で眠りについた。



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