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転生覇王と銀乙女 ~チートスペックで異世界転生~  作者: 夕見京成
第1章 ~異世界転生動乱編~
12/24

第10話 『決意と覚悟』


 よろしければ、感想やレビュー、評価等していただけると嬉しいです。

 少しでも気に入っていただけたならば、是非ブックマークをして頂けると幸いです。

 モチベーションアップに繋がり、跳び跳ねる程嬉しくなります。

 定期的な執筆を心掛けております。

 何卒、よろしくお願いいたします。




 翌朝、まだ眠い中何とか気合いを入れて食堂に行くと、先にアーサー王が座っていた。

 何をしているのかと思ったら、これまた熱心に王国新聞を読んでいる。


「おはようございます、アーサー王」

「おう、何だよ坊主、目の下に隈が出来てるじゃねえか。大丈夫か?」

「…………分かってて言ってますよね?」

「モチロン。ハッハッハッ」


 この人、本当に始祖アーサーなのか? 威厳が全く感じられない。こんなのでよく王様が務まったな。時の宰相達はさぞ苦労したのだろう。

 この人にはまともに接しない方が良いかもしれない。


「エミリィ、今日の朝食は少な目でお願い」

「はい、かしこまりました」

「おいおい、朝飯はしっかり食わないといけない――――あ、ゴメンなさい」


 いい加減キレてアーサー王を睨むと、意外な事に素直に謝ってきた。なるほど、強めに当たるのが効果的か。覚えておこう。


 少し遅れて父上と母上も食堂にやって来た。そのタイミングで食事が運ばれてくる。

 俺の朝食は注文通り少な目だったが、反対にアーサー王の朝食は二人分位あった。それを大層美味しそうに食べている。見ていて食欲が出てくる程の食べっぷりだ。


 食事中は誰も話さず、ただ黙々と食べている。アーサー王が出す食器のぶつかる音が耳に響いた。

 結局、一番最初に口を開いたのはアーサー王だった。


「そんでレイ、一晩悩んでどうだった?」

「……どう、とは?」

「俺の修行を受けるのかって話だ。どうすんだ?」

「………………」


 俺が黙ると、父上と母上が心配してるような目を向けてくる。俺がまだ悩んでいると思ったのだろうか。

 大丈夫、答えは出たよ。


「本音を言うと、全然決意できていないんです。急に魔王と戦えって言われても実感湧かなくて」

「そりゃそうだろうな。実際、俺もそうだったし」

「――――でも、夢だったんです。魔法を使いたいって。父上みたいに強くなりたいって。だから…………どうか俺に修行をつけてください!」


 俺はテーブルから立ち上がると、勢い良く頭を下げた。


 元々、俺はアーサー王や父上に憧れていた。

 前世では常に優秀な兄達や妹に比較され、実の親にさえも見捨てられた。

 いつもなりたいと思っていた。物語の中での英雄に、勇者に。父上やアーサー王みたいな人に。

 そのチャンスがこの世界での俺にはある。それが出れば、答えは明白だった。それ以外に理由はいらなかった。



「そうか。それなら、()()()()()()()()()()()()()()()()()

「…………え?」


 アーサー王はいつの間にか俺の目の前に立っていた。そして、初めて厳しい口調と表情で話し始める。


「強くなりたいなら俺がお前を()()にしてやんよ。だから、お前はただひたすらに強くなれ。そしたら、自然と分かるようになるさ」

「…………はい」




     □■□■□■□




 朝食を食べ終えると、話はどんどん進んでいった。修行期間や場所、いつから修行が始まるのか。

 どれも、俺達を驚かせるには充分だった。


「レイくん、寂しくなったらいつでも帰ってきて良いからね」

「怪我や病気に気を付けるんだぞ。無理しすぎないようにな?」

「お前ら過保護すぎるだろ。たったの二年だぞ? 知らん場所に行くわけでもないし」

「「しかし陛下!」」


 俺の修行期間は学園の初等部入学式の前日までで、場所はルーミリア公爵領の山奥で二人きりという事に決まった。それも、今日から。各方面への報告も無しで。

 アーサー王曰く、二年でも全然足りないらしい。スパルタ式でいくと言われた。

 陛下やエリサ達には父上から話しをしてもらう事になった。グレンの事もあるので一日話したかったんだが…………。


 馬車の準備も整い、出発になった。母上に一度キスされ、父上に抱き締められる。二人とも大袈裟だなあ。

 使用人も全員出てきての大規模な壮行会になった。エミリィの姿もある。


「レイ様、お帰りをお待ちしております」

「ありがとうエミリィ。それでは父上、母上、行ってきます!」


 俺は馬車から身を乗り出すと、皆が見えなくなるまで手を振った。


 やがて見えなくなると、急に寂しさを覚える。しかし、後悔は全く感じなかった。


 今考えてみると、アーサー王と二人きりになるなんて初めてだ。まあ、会って二日しか経ってないのだから当然と言えば当然なのだが。


「おい坊主、ずっと気になってたんだがその杖は…………」

「これですか? これは八歳の誕生日にお祖父様から貰った亡くなったお祖母様魔法杖ですが」


 俺の荷物はと言うと、アーサー王からはできるだけ少なくしてこいと言われたので、着替えを一セットとこの杖しか持ってこなかった。他は何も持ってきていない。


「その杖、俺の嫁のやつだな。間違いない」

「ええっ!? それってもう何百年も前の…………」

「どうやら受け継がれているらしいな。アイツもそれを望んでいたからなあ…………」

『ケケッ、確かニあれほど良い女ハ見なカったナ』


 今冷静に考えると、アーサー王って何で生きているられるんだ? もうとっくに故人のはずなんだが…………。


 そうだ、彼には一つ大事な話があったんだ。長生きの秘訣よりも、個人的な話が。


「アーサー王、少し良いですか?」

「ん、何だ?」

『急に失礼ですがこの言葉、分かりますか?』

『…………ったく、お前は本当に勘の良いガキだぜ。いや、子供じゃないか?』

『子供って事にしておいてください』


 俺が日本語で話しかけると案の定アーサー王は日本語で返してきた。

 本当に日本語で良かった…………。

 英語ならまだしも、ドイツとかスペインとかだったら詰んでたな。


「こっちの言葉に慣れちまったから話す時はこっちの言葉にしてくれ。そんで、どうして気がついた?」

「名前がアーサー王で使ってる剣がエクスカリバーなら、あっちの人間なら誰でも気がつきますよ。まあ、どこの国かまでは分かりませんでしたが」

「上出来だ。まあ、俺もお前さんが転生者だって依頼者から聞かされてたしな」

「…………だから、その依頼者って一体誰ですか?」


 俺がそう聞くと、アーサー王はただ笑うだけでそれ以上何も話しはしなかった。まあ、予想通り彼も転生者または転移者と分かっただけでも良しとしよう。

 覇属性の使い手がどちらも異世界からやって来たということは偶然ではないだろう。それがアーサー王の依頼者と繋がってくるのか? どちらにしろ、情報が少なすぎる。しっかし、アーサー王は何も喋らなそうだしなあ。

 やはり、酒に酔わせて聞いてみるしかないな。時間を開けて油断させてからにしよう。


 俺は戦いとは別な事を決意し、何気無い会話をしながらルーミリア公爵領へと向かっていった。




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