星野先生とデラックス(3)
沙羅と俺は職員室と言う名の狩場から煙草を持って今は図書室の前におり図書室に今入ろうとしているところであった。
「ただいまー帰ったわよーちゃんと留守番できた?」
初めにやはり沙羅が先頭で入っていく。沙羅は冗談を言いながら持っていたビニール袋を頭の上で斎藤たちに見せ付けるように持ち上げた。
「あ、沙羅ちゃん桂君帰りなさい。収穫は……沢山あったみたいですね……えっとそれは何でしょうか?」
美優はこちらに気付くと振り返って迎えてくれた。俺達が何を持っているか分らないようで大量のビニール袋を見て不思議そうにしている。
「これ? やっぱ気になるかしら? これはね……って先生とカッちゃん何してるんですか? せっかく人が苦労してきたって言うのに……先生何か食べてません?」
沙羅は不思議そうにする美優に対して上機嫌で答えようとするが何かに気付いたようで話すのを止めた。俺は入った時から気付いていたが呆然と見ている事しか出来なかった。それは美優の奥で斎藤と星野先生が向かい合ってただ座っているように見えるがよく見ると先生の口元が何やらモゴモゴと動いているのが分る。何かの見間違えだと良いのだが、アレがまだあったのか?
「え? あー沙羅にケイお帰り、待ってたぞー」
「ボバベバボブバベッババ」
斎藤は今まで俺達に気付いていなかったようだが気付いても反応が薄く何かがあった事は明白であった。て言うか先生何言ってるか分んねぇぞ……。それにきったねぇ。
「お前ら良く帰ったな。だそうです。本当に良く帰ってくれましたね」
俺と沙羅が謎の言葉を発した先生にキョトンとした状態で居ると美優が翻訳してくれた。何で美優は今のが、理解できたんだ? 俺は何一つ聞き取れなかったんだけど……。
「あ、そうなの? 通訳ありがとう……」
沙羅は翻訳してくれた美優に対して釈然としまいまま感謝の言葉を述べた。本当にアレであってるのかは先生が訳した時に数回頷いていたので間違っては居ないのだろうけど……なんなんだろうあの繋がりは……。
「それはそうと先生! 人が苦労してきたって言うのに一体なにを食べてるんですか?」
沙羅は少し不機嫌そうにして今もモグモグと口を動かす先生を鋭い目で見つめた。
「先生がさ、腹が減ったー! とか言うものだから俺が持ってたメシをあげたのだ」
斎藤は口を動かすのを止めない先生の変わりに少し自慢げに沙羅に説明した。だからってよりにもよって変な物食わせるなよな……。
「先生そんな物はいくらお腹が空いていたからって食べたら身体に毒ですよ? 煙草なんかよりもよっぽど止めたほうがいいです。その……多分斎藤スペシャル……」
俺は先ほど図書室に入って来たときに先生が最後の一口をほお張るところを目撃していたのだ。流石に色々と驚いて言葉が出なかった。なんと言うかまた不思議な物体を見てしまったことに後悔するよ……
「え? 斎藤スペシャルってなに……?」
沙羅は頭を傾げながら一層不思議そうな顔をした。
「お前今日の昼の事を忘れたのか? 沙羅も奇怪な食べ物とか言ってたやつだろうが……」
「あーアレね。先生あんなもの人間が食べる物じゃありませんよ? 多分猛獣を仕留める用の罠か毒です」
俺が説明すると沙羅はやっと理解したようで真面目な顔で先生に注意した。勿論俺は沙羅の反応が正しいと思う。アレは未だになんだったのか分らないんだ。ご飯ものなのかパンなのか見ただけじゃ理解できない容姿だったしな。とりあえず地球の食べ物じゃない。
「ちょっとさっきから斎藤スペシャルって言ってるけどそれは斉藤デラックスだからな! と言うか沙羅もケイもそんな風に思ってたのかよ! ずっと食べたいだろうなぁーって思ってたのに!」
先ほどからムスッとしていた斎藤が口を開いて何か言っているがアレの名前についてはどうでも良いので適当に聞き流す。そしてお前は俺と沙羅の反応を見て食べたそうにしてるように見えてたのかよ……。斎藤の頭のおめでたさに呆れを通り越して感動さえ覚えるな。
「それで先生体は大丈夫ですか? 吐き気は? 目眩は? 四十度くらいの熱は!?」
「おい! 俺だって食ってるんだけど!? 人が丹精込めて開発したものを腐ったごみ見たいに言うんじゃないよ!」
沙羅はこの辺りから斎藤イジリに走ってしまった少し続く。心配してるのも本当なんだろうけど。斎藤は沙羅に反論するが全く相手にしてもらえなかった。斎藤はチクショウ……と呟いて涙を流した。
「ん……ゴクリ……はぁーそんなに心配しなくても大丈夫だぞ、これ見た目は酷いし食感も凄まじいものがあるが味はなかなか行ける。味だけは」
先ほどから俺達の方を見ながらモグモグと口を動かしていたが口の中のそれをゴクリと音を立てて飲み込むと斎藤デラックスへ予想外の評価をつけた。そんなバカな……アレが美味いだと……?
「そ……そんな別に無理し無くったって良いんですよ……?」
先生の言葉を聴いた沙羅は一気に顔が引きつり額に少量の汗が見え始めた。ちなみに俺はこの時ただ先生の味覚のおかしさに呆然と立ち尽くしてしまっていた。
「私が斎藤の為になんか気を使うなんて思うのか?」
先生の言葉に沙羅は苦虫を噛み潰したような顔をして下を向いた。この会話を聞いていた製作者である斉藤は先生のコメントが嬉しいのかガッツポーズをしたが直ぐにお前らってやつはそんなに俺が信用無いのか……と言って悲しそうな顔をした。いや、信用の問題じゃなくて見た目の問題だと思う……確かに斎藤に信用は無いけど。
「まぁまぁその話しはそのくらいにしておいて沙羅ちゃんそろそろ話を戻しませんか?」
斎藤のせいで殺伐としてしまった空気を美優の透き通った声が一気に変える。確かに少し脱線しすぎたかもしれんな。
「それもそうだね。沙羅、収穫の程は?」
美優の発言を聞いた斉藤は気分を持ち直したのか沙羅に素の表情で訊ねた。
「え……? あぁそうね……えっと! なんと私達は……ジャーン! なんと大量の煙草です! どうだ!? 恐れいったか!?」
沙羅は少しだけもたついたが驚きの切り替えの速さでテンションを右手に持っていたビニール袋を天に突き立てるように掲げた。皆切り替え早いっすよね。そう言えば。
「な、な、なにぃぃぃ! 山本それは本当か!? は、早く見せるんだ!」
「せ、先生ちょっと何してるんで……ぐえ! 力つよ! 見せます! 見せます! だからちょっと落ち着いて下さい! きゃぁー! 桂、桂見てないで助けてー!」
「先生沙羅が死にます!」
「沙羅ちゃん!? 先生早くどいてあげて下さい!」
「しまった! アドレナリンを発生させる食品が効きすぎたか!? 仕方ない沙羅耐えるんだ! 今のお前じゃ無理だ!」
「何でそんな無意味に危険なことをするのよ!? このバカっちゃん!」
「ぐはぁ!」
沙羅の発言を聞いた先生が突如テーブルを挟んでいるにも関わらずそれを乗り越えて沙羅に掴みかかったのだ。正確には沙羅が持っている煙草が入ったビニール袋へと……。沙羅は驚いたのか腕を掴まれてそのままバランスを崩して先生は沙羅を巻き込み床へと倒れこんだ。なんて大胆な事をするんだ、先生は……直ぐに手に入るって言うのに……。俺達は暴走気味の先生を止めに入るのだが先生の勢いは止まらない。
ちなみに斉藤は沙羅が倒れた所の近くの本棚から投げた分厚くでかい辞書が顔面にヒットしたことにより撃沈していた。倒れながらの状況でよく当てたな……。
「ぐ、重い……なんなのよーなんでこんな事に……」
「山本それか!? それに煙草が入ってるんだな!? よこすんだ!」
先生は今まさに沙羅の持つビニール袋に手を掛けようとした。その時沙羅の目が一瞬キラリと光った……。沙羅がヤバイ!
「もう嫌! うおりゃー! そこだー!」
沙羅は先生の隙を付いて先生と沙羅の僅かな隙間、上から見ただけでは良く把握できないが先生の腹部、多分みぞを、空いていた左手で突き上げた。
「ぐは!」
ドスっと言う鈍い音と共に先生の体が数センチ浮いた。そして先生の苦痛に歪んだ顔を俺達に見せつけた後ドロのように沙羅の上で活動を停止した。沙羅、やりすぎ……。
「キャータバコータバコータバコーあぁーこんなに沢山あるなんて……幸せ……」
先生がテーブルの上に俺と沙羅が持ってきた煙草を全て広げてそれに抱きつくような形が今の先生の状態であった。本当に幸せそうな顔してるよ……。
「この腐れニコ中……なんて顔してるのかしら?」
「まぁまぁ沙羅ちゃんそうイラつかないで下さいよ、先生だって感謝してますよ。だからね?」
沙羅は先生の様子を見てかなり不機嫌そうにして悪態を突いている。美優はそんな沙羅を気遣うように話していた。
「だからってなんで私があんな目にあわなくちゃいけないのよ……」
先生は沙羅の一撃を受けた後テーブルに戻されてタバコを見せると嬉しそうに今の状態へ移行した。沙羅はテーブルに頬杖を突いて溜息をついた。とんだ災難だったな、沙羅。
「先生さっきから煙草ばっかりに集中してないで私と桂に感謝の言葉の一つくらい言っても良いのではないでしょうか!?」
沙羅は煙草しか見ていない先生に対して睨みつけるように言葉をぶつける。いい加減報われたいのだろうなー……。俺も!
「さて部屋にでも行って早速吸って来ようかなーイエィ!」
沙羅なんて眼中に無いかの様に先生は抱きつくのを止めて煙草を抱きかかえたまま管理人室へとスキップしながら消えて行った。本当に先生か? 中身違うんじゃない? エイリアンに改造されたとか。あの変わりようは無いよなー……。
「ぐっふ! そ、それより気になってたんだけどあの煙草どこで取ってきたんだい? まさか買ってきたんじゃないだろうね? 俺達未成年な事を忘れたのか?」
沙羅の投げた本により撃沈したはずの斎藤がテーブルに這い上がってきた。リアクションまだ続けていたのか……。
「しぶとい!」
這い上がってきたはいいが沙羅のなんとも素早いチョップによりまたしても斎藤はギャフンと言いながら床に帰還していった。しょうが無いよ、斎藤変なもの作るお前が悪い。
「沙羅ちゃんと教えてよーケイでも良いや」
「私も気になります、一体どこからあんなに沢山の?」
斎藤はめげずに床で倒れたまま聞いてくる。テーブルの上で待ち構えていた沙羅は舌打ちをして席に座った。何回叩くつもりだったんだろう。少し見てみたい。
「分ったわよ、美優が気になるんだったら……ついでにバカっちゃんでも分るように説明して上げるわよ。えーっと……」
沙羅は美優の言葉が効いたのか考えながら話し始めた。
「へーそんな事があったのかーこの学校大丈夫なのか?」
「やっぱり星野先生は人気なんですねーあんなに綺麗なんですから当然ですよね」
「美優綺麗なのは姿だけよ、中身はただのニコチン中毒者よ。全くあんな人のどこが良いのか……あいつら教師には理解に苦しむわ」
「それよりやっと平和な日常に戻ったなーこれで苦労して狩ってきた甲斐があったって言うものよ」
「そうねーそれじゃやっとだけど図書室クラブの活動開始よ! みんな今日も頑張りましょう!」
「はい沙羅ちゃん!」
「了解した……」
「おいおい気合入り過ぎじゃないか? たかが図書室クラブの活動くらいで……」
「バカっちゃんは黙りなさい! せっかくいい空気何だから!」
「へいへい……」
沙羅の開始の合図が出た所で大分先生のせいで削られてしまったがやっと本来の図書室クラブの活動が開始された。
今回色々な事があったが図書室クラブ会員と図書室クラブ顧問(?)が全員勢ぞろいし、またいつもの様に皆大好き楽しいクラブ活動が始まった。
クラブ活動と言っても活動内容はただ集まって読書をするだけと言ういたってシンプルなもので傍目から見ればただの読書中の学生にしか思わずまさかコレがクラブ活動などとは思いもしないだろう。行ってもせいぜい図書委員くらいだろうよ。ちなみに図書委員は昼休み中などの受付で放課後は活動していないし一般生徒は星野先生に苦手意識がある物らしく意味も無く訪れる物好きは俺達位だろう。
ふとそんな事を考えていると隣で突然美優が斎藤の読んでいる本に対して騒ぎ始めた。
「うぁー一輝君その本読んでるんですか? 私趣味じゃなさそうだったのでパスしたんですけど……面白いのですか?」
美優は斎藤が読んでいる本を指さしていた。この本でこのパターンは激しくデジャブなのだが相手が美優なのでほって置く。勝手に話してくれたまえ。
「あぁこれ? そうだなー俺も趣味じゃないんだけど今は面白くなってきた所だから面白いよ」
なんて斎藤は美優の質問に対してどうかと思われる答えを返した。もう少し言い方があるのではないだろうか? ……やっぱ俺も適当に言うかもしれん……。
「なになに美優その本興味あるの?」
当たり前だがそんな会話に沙羅が乱入していく。なんせ斎藤が今読んでいる本は肝試しのきっかけとなった本で沙羅のお気に入りの本なのだから……。
「その本私はすごく面白いと思ったわ。ストーリーなんてたいしたもんよ? 美優も一度読んでみると良いわよ。カッちゃんは今読んでなかったから私が読ませてるところ。カっちゃんたら自分で買っておいて私だけに読ませて自分は読まないんですもん」
沙羅は一人で愚痴を言いながら斉藤からほとんど奪うような形で本を取り美優に渡していた。斎藤は枝折りも挟めないまま取られてしまったので小さく「あっ……」と呟いて本を掴んだままの形で停止した。斎藤も可愛そうに、読めと言われたり奪われたりと……。
「あ、ありがとうございます。でもすいませんが私同時に何冊かの本を読むのは苦手なので今読んでる本が終わったら読ませてもらっても良いでしょうか?」
美優は自由すぎる沙羅に一瞬引きながら丁寧に断った。確かに美優は読書ペースは見ている限りゆっくり、なので同時に読むのは苦手と言うのは納得がいく。
「沙羅もそんな強引に読ませなくても良いだろ? 大体斎藤が哀れだろうが、やっと面白くなって来たって言ってるのにさ」
少し引き気味の斎藤と美優の間に残念そうにたたずむ沙羅に俺が止めに入る。
「うーんそれもそうねー私とした事が少し暴走してしまったようね。美優ごめんなさい」
「いえ、気にしないで下さい。私も今読んでいるのが終わったら読んでみたいと思います」
「そうしてくれると嬉しいわ」
沙羅が暴走気味なのは今に始まった事ではないがそこには敢えて騒ぎを起こさないように触れずに流しておく事にしよう。持っていた本を持ち主に目も向けずに雑に差し出すようにして返した。その後は美優と適当に会話を始めた。
「ありがとうございます」
斎藤は見向きもしない沙羅に嫌味たらしく丁寧な口調と顔では馬鹿にしたような表情をしていた。
「どういたしまして斎藤君。別に気にしなくて良いのよ?」
斎藤の態度に沙羅は分ってやっているのだろう、沙羅は満面の笑みで嫌味を返した。斎藤、沙羅にお前が勝てる訳ないだろ? 俺だって勝てない。
「ははは……」
斎藤は苦笑いに笑ってそのまま俯いて撃沈した。バカな奴だよ、お前も沙羅も……。
「おーまだ居たかーさっきはご苦労さんだったな。感謝するよ」
沙羅と斎藤がバカしていると俺の後ろから先生が突如出現した。
「うぉう! せ、先生なんで背後に……。」
この人はいつも背後に立っているんだよなー。
「先生……? 直ったのデスカ……?」
沙羅は先生の状態を見て考えぶかそうに首をかしげた。カトコトになるほどか。
「そんなに不思議そうにしなくても良かろう? ニコチン充填してきたからもう問題ない」
先生は首をかしげた沙羅を見て小さく笑った。様子を見る限り完全に本調子と言う訳ではないようだ。
「お? 先生復活ですか? もう平気ですか?」
「あぁさっきは悪かったな、まさかあそこまで取り乱すとは……」
「私も先生が元通りになって嬉しいです」
「心配掛けて悪かった。さっきは世話になったな」
「もうあんな事はごめんですからね? 煙草は忘れないようにしてください」
「以後気をつけるよ。杉下も調達ご苦労」
停止した沙羅を放置して俺達は先生と思い思い言葉を交わしていく。本調子じゃないとは言え先生はこっちの方がいいな。
「ところでお前らに頼みたい事があるんだ。今回の事を評価しての頼みなんだが」
先生が突然いつもよりも真面目な顔をして話し始めた。一体どうしたというのだろか?
「話しだけなら聞いてあげても良いです!」
ぐっ……またしても後ろから……ビックリするから止めて欲しいものだ。沙羅と言えばフリーズが解けたのか会話に混じりたかったのか勢い良く乱入した。
「うむ、会長がこう言ってるし、とりあえず話しを……」
先生は沙羅の反応、俺達の反応を見渡してから話し始めた。
「短刀直入に言うとこれからも私のために煙草を調達してきてくれないか? 頼む!」
先生はいきなり意味不明な言葉を発して頭を下げた。
「はぁ?」
「そうきたかー」
「せ、先生それはあんまりですよ……」
「さっきの俺との会話を忘れたんですか?」
呆れた……この人はまださっきの人格が残っているようだ……。会員全員がドン引きですよ? もう少しニコチン吸収したほうが良いんじゃないのか?
「はぁー皆帰りましょう……」
「沙羅ちゃん賛成です! 少し先生は反省した方が良いですよ」
「ははは、そう言う事で先生また今度」
「俺も帰らせてもらいます……」
沙羅の掛け声で会員全員が起立して帰り支度を始めた
「ちょっと! おまえら待つんだ! 人助けだと思って! 煙草高いんだよ! 頼むよなぁ!」
先生は俺達の後ろから必死に引きとめようとしてくるが誰一人振り返らない。誰が振り返ろうか?
そうして図書室にニコ中一人を残して俺達の今日のクラブ活動が終了を告げた。
「はぁー疲れたわ、色々ありすぎて小腹空いちゃった、ねぇどっかよって行かない?」
校門を出ると沙羅がそんな事を言い出した。そう言われるとそうだな……。
「俺は別に問題ない。でどこに行く?」
「買い食いってやつですね? わー楽しみです!」
俺と美優が沙羅の誘いを承諾する。この辺だと……幾つか飲食店もあるな。
「え? 皆腹減ったの? だったら早く言ってくれればよかったのに……えっと……あった! はい」
俺と美優が行く事を伝えたときに何やら斎藤が自分のバックの中をあさり始めてそして笑顔でそれを取り出してキッチリ人数分取り出した。このバカ何個作ったんだ!?
「出たわね、斎藤スペシャル……」
「一輝君よりにもよってそれなんですか?」
「斎藤デラックス! それに先生も言ってたろ? 美味しいって。いいから食べてみろよーほら」
斎藤は手に持った斎藤でラックスを沙羅に近づけた。あえて沙羅に……。斎藤お前今回色々選択間違ってるよ……。
「近づけるな!」
案の定沙羅に激を飛ばされた。
「いいからーそんな食っちまえば平気だってー」
斎藤はめげずに渡そうとしてきた。
「沙羅、美優行こう。どこに行こうか」
「そうね……そうそう近くに新しくカフェが出来たらしいわよー」
「あーそれ知ってます。結構綺麗で良さそうですよ?」
俺は沙羅と美優だけ誘って歩きだした。斎藤なんぞに付き合っておられん。
「ちょっと待ってよー少し! 少しだけ食べてみてよ!」
太陽が沈みかけて夕日になってきた町に俺達の後ろから斎藤が駆けてくる足音が人気が減った道に少し響いた。




