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第六十一話・ギルドマスター


な、何なんだ、このマッチョマンな男は!?


自分もおっさんの癖に、人の事をおっさん呼ばわりして。


しかも頭がツルピカだから、俺よりもおっさん度が何割か増して

いるじゃねぇか!


「......で?私に何かご用でしょうか?何やら、先程から私の事を

ジロジロと見ていらっしゃいますけど?」


そのマッチョな男に、俺は苛立ちと不愉快さをワザと滲ませた

目線と口調で訊ねると、


「ガハハハ!スマンスマンッ!つい職業病で相手の人柄や力量を

測ろうとする癖が出てしまった。気を悪くしたのなら謝るぜ!」


さっきまでの威圧感とは打って代わった陽気な口調で、マッチョな

男が豪快に笑いながら俺に謝罪してくる。


「しっかしよ、竜の素材なんて久々にこの目にしたぜ。確かこいつの

出所は記憶にないんだって?」


「ええ、そうですね。すいません、何せ「おっさんっ!」なものでっ!」


「ガハハハ!お前って見た目と違い、意外に根にもつタイプなんだな!」


ええ、自分めちゃくちゃ根に持ちますよ。


だから、ヘイトを貯めてくれたあの城の兵士や神官達をボコボコに

したんですからっ!


「......所で、ミュミュ。その人は一体誰なんだい?ギルマスとか言って

いた気がするけど、それがその人の名前なのかい?」


俺は目の前のいる、陽気なマッチョ男の素性をミュミュに訊ねる。


「いいえ、ギルマスは名前じゃありませんよ、レンヤ様。ギルマスは

省略で、正確にはギルドのマスター、ギルドマスターって意味です!」


へぇ、ギルドマスターってギルマスって省略するんだ、知らなかった。


「ギ、ギルドマスター!?...って事は、このマッチョハゲがこのギルドで

一番トップって事かぁあっ!?」


「てめえブチ殺すぞぉぉお!だ、誰がハゲだぁぁあ!誰がぁぁあああっ!

これはな剃っているだけで、決してハゲているんじゃねえぇぇぇえっ!!」


い、いや、どこをどう見てもその頭上、毛穴が全く見えない程に

キラキラと輝いていますけど?


...と、心の中でそう思ったのだが、ギルマスが顔中を茹でタコの様に

真っ赤にして怒ってくるので、


「はは。そ、そうだったんですね。それは大変失礼しました!」


面倒くさくなる前に、取り敢えず、謝罪の言葉を口にしておく。


「ったく...言葉は気をつけて喋れよ!俺はハゲていないから怒らないが、

もしハゲている奴が聞いたら、憤怒全開で激昂される所だったぞ!」


イヤイヤイヤッ!


あんた、まさにその憤怒全開の激昂状態だったじゃんっ!


ギルマスに対し、俺はそう叫声を荒らげそうになったが、慌てて両手で

口をパッと抑えると、その言葉を喉の奥へと飲み込むのだった。


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