第五十九話・クエスト依頼書
「いい、レンヤ! 次またババアって言ったら、マジでその顔面粉々に砕くからねっ!」
「は、はい! 以後気を付けますっ!」
ルコールが俺の顔近くに人差し指をビシッと突きつけ、威圧感タップリの表情で次はないぞと忠告してくるので、頭を丁寧に下げ、了解とばかりに謝罪する。
―――そんな騒動があった後、数十分の時が経過した。
「遅ぉぉぉぉい! ミュミュの奴、一体いつまであたし達を待たせるつもりなんだぁぁぁあっ!」
待ってども待ってども、未だに戻ってこないミュミュに、ルコールが激怒りする。
「ねぇ、レンヤ。ここでボケッと待ってても何か暇だしさ、ミュミュがここに戻ってくるまで、あそこに見えるクエストボードに貼り出されているクエストの依頼書、見に行ってみない?」
ミュミュを待つ事に飽きたルコールが、俺にそう述べて目線を後ろへ向ける。
「クエスト...ボード? ああ、あれの事か?」
ルコールの目線の先へ自分の目線を向けると、そこには大きな掲示板らしきものが目に映った。
「良く見ると、あのボードに色々な大きさの紙が沢山貼ってあるな?」
あ、ひょっとして、
「なぁ、なぁ、ルコール。さっきクエストの依頼書って言っていたけど、あの紙がそのクエストの依頼なのか?」
「うん、そうだよ。あのクエストボードはね、その名の通り、様々な人々から発注されたクエストの依頼を貼る場所なんだよ!」
へぇ...様々な人々からの依頼か。
「あれを見るに、結構クエスト依頼って多いんだな?」
ざっと見ても、五十以上はあるもんな?
「ほら、レンヤ! ミュミュの奴が戻って来ない内に、どんなクエストが依頼されているのかを見に行くよ!」
掲示板に貼ってある依頼書の確認の為、ルコールがレンヤの袖をクイッと引っ張りそう言う。
「そ、そんなに急かすなって! おっさんはな、ノンビリ動きたい生き物なんだから!」
全く...うんびゃく歳のババアの癖に、何であんなにあいつは元気なんだ。
元気にクエストボードへ駆けて行くルコールに呆れつつ、俺は疲れの貯まった腰をトントンと叩くと、ルコールの後をゆっくりとついて行く。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ほほう...結構、色々な依頼があるんだな?」
ルコールに急かされてクエストボードに移動した俺は、目の前に映る数々のクエストの依頼書に目線を動かしていく。
......どれどれ?
魔物退治に、薬草の素材の採取か。
「うん、ファンタジー物で良く見るテンプレな依頼だ!」
他には...どんな依頼があるのかな?
ボディーガードの依頼に......お! 馬車移動の守備の依頼もあるな。
「ねぇねぇ、レンヤ。レンヤは一体どんな依頼をやってみたい?」
「ん、俺か? う~~ん、そうだな。俺は.........こいつかな?」
ルコールに俺がやってみたいクエスト依頼は何かと聞かれ、俺はしばらく悩んだ後、目の前のクエスト依頼書へ人差し指をスッと向ける。




