第二十六話・御褒美の為に...
「そこの盗賊どもぉぉおおっ! 俺の御褒美の為に、全員死にさらせぇぇえええっ!!」
「ウギャァァァ―――――――ガハァッ!!」
魂の叫びと共に思いっきり殴りつけた盗賊が、二、三回バウンドしながら近くに生えている木へ叩きつけられる。
「ちょっ! なんなの、レンヤ!? そ、その御褒美ってのはさぁっ!?」
「願望だよ、願望! 助けてくれた御褒美に美女二人がお礼ですってチューしてくれたらいいなぁっていう、俺の細やかな願望っ!」
何を口走っているのという呆れた表情でこちらを見てくるルコールに、俺はキラリと歯を光らせながらニヤリと笑う。
「はは...あんたそんな見た目のわりに、意外に心は少年だよねぇ......」
そんなレンヤを見て、ルコールはさっきより更に呆れ顔をこぼす。
「き、貴様ぁぁぁああっ! いきなり沸いて出て来て何を訳のわからん事をぉぉぉおおっ! このクソがやろうがああぁぁぁぁああっ!!」
自分達の仕事を邪魔され、青筋を立ててムキムキと激昂している盗賊のひとりが大きく斧を振りかぶり、こちらに向かって猛突進してくる。
「そういうお前こそっ! 俺の御褒美の邪魔をするんじゃ......ねぇぇぇええっ!!」
「ウロォォボゥゥロォォッ!!?」
ドタドタと足音を鳴らし突進して来る盗賊の懐へ俺は滑り込む様に入り込み、そして下から思いっきり拳を振り上げ、盗賊の顎を叩き砕く。
「おお、クリティカル! 中々凄い威力のパンチじゃんか、レンヤ♪」
レンヤの叩き込んだパンチで盗賊の顔が潰される様にめり込むのを見て、ルコールが感心した表情を浮かべる。
「ねぇねぇ、レンヤ! レンヤのパンチ力が凄いのって、もしかしてレアギフトの『怒髪天』の効果が発動しているからかな?」
「まぁねぇ~!」
レアスキル...『怒髪天』
ルコールがこのレアギフトの存在を知っているのは、こいつら盗賊退治の前に自分のステータスを知ってた方がいいと、ルコールから貰ったステータスをチェック出来るというアイテムを使用し、自分のステータスをチェックしておいたからだ。
因みにこのアイテム、一回限りの使い捨てアイテムらしい。
「ったく...勇者だっていうんなら、ステータスをチェックするスキルか魔法くらい覚えさせておけってんだよなぁ...」
あ、でもステータスチェックを覚えていないのって、もしかしたら勇者の中では俺だけの可能性も否めないか?
いや、何か絶対その可能性が大きそうだな!
「...まぁいい」
...ってな訳で、その時に俺のステータスをチェックした結果がこれだ。
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レンヤ・シロカワ
LV25
ジョブ【勇者】
HP【580/580】
MP【330/330】
力【A】
防【D+】
素【B】
魔【A-】
幸【C-】
≪スキル≫
『瞬歩』...LV2
『気合い』...LV2
『採取察知』...LV3
『識別』...LV1
≪レアスキル≫
『怒髪天』LV...2
『アイテムボックス』
『超・成長』
『錬金』LV...1
『絶対ドロップ』LV...3
≪状態耐性≫
毒【D】痺【D】石【D】
幻【D】魅【D】即【D】
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これが今現在の俺のステータスらしい。
HPは生命ポイント、これが無くなると戦闘不能になる。
MPは魔法ポイント、これが無くなるとギフトの技や魔法を使用できなくなる。
減少したHPやMPは休憩やアイテム、または技や魔法にて回復する事ができるらしい。
力は攻撃力。
防は防御力。
素は素早さ、回避。
魔は魔法力、魔法防御力。
幸は幸運、クリティカルアップ。
これらステータスは、E-からDCBAS+の順で能力値が高いとの事。
因みに、とある条件をクリアすると更に能力値は上昇するらしい。
次に状態耐性は...
毒は毒と猛毒の耐性。
痺は痺れと麻痺の耐性。
石は石化の耐性。
幻は幻惑、精神攻撃の耐性。
魅は魅了、洗脳の耐性。
即は即死の耐性。
ステータスと同じくランクが高い程、耐性能力が上がり、Sで完全無効になるらしい。
しかし状態耐性が全部Dって...俺、一応勇者様だよなぁ。
「こういう状態耐性ってさ、勇者には効果が効きにくいっていうのがゲームや漫画とかの王道パターンだろうが! せめてさ、A...いやBくらいにしとけやぁぁあっ!」
それにしても、俺のステータスってあんま強いようには見えないんだが?
た、確か勇者は通常より十倍近くステータスが上がるとか、あの城の王女様が言っていた気がするんだけど?
ステータスチェックの技を覚えていない事といい、
この最低ランクの状態耐性といい、
そしてステータスの上昇率の悪さといい、
俺の勇者能力を設定したどこぞの誰かに対し、心の底から愚痴と文句を言いたくなる俺だった。




