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第二十五話・アリア・グラン・フォーラム


私の名前はアリア・グラン・フォーラム。


ここギガン城が領土するレスティー大陸から遥か南にある

オープ大陸と呼ばれる大陸...


そこを領土する中心巨大都市、フォーラム帝国の第一皇女だ。


そして私の横に座っている女性は、私のお母様で名前は


キサリ・グラン・フォーラムと言い、フォーラム帝国の皇后だ。


私とお母様は、フォーラム帝国の皇帝...つまりは御父様である、

ザルジ・グラン・フォーラムから直々の勅命を受けて、ギガン城に

向かう為に馬車を走らせていた。


道中に盗賊が出るという話は聞いていたが、我がフォーラム帝国の誇る

兵士達がそんな下劣な人物に負ける筈がないと、可ほどの心配もして

いなかった。



しかし、私の予想は覆される。



私の想像以上に盗賊連中は烏合の衆ではなく、指揮や連携がしっかり

取れていた。


恥ずかしながら我がフォーラム帝国の兵士は、連携というのを小賢しいと

思っている節がある様で...簡素に言うなら、力こそが正義と言わんばかりの

攻撃方法を取る。


その隙を突かれて、ひとり、またひとりと我がフォーラム兵士が次々と

倒されていく。


そしてとうとう最後の兵士が倒されてしまうと、盗賊がのそりのそりと

私達の乗っている馬車へと近づいてくる。


「そ、そんな...我がフォーラム帝国が誇る兵士達がこんな下賎な連中に

倒されてしまうだなんて......」


そんな喫驚をこぼしていると、私とお母様の馬車へ辿り着いた盗賊が

ドアノブをガリャリ回し、ドアをゆっくりと開けてくる。


「ゲヘヘヘ......」


開けたドアから、下賎な顔と響くお下劣な声をした盗賊がこちらを

イヤらしい目付きでジロジロと値踏みする様に見てくる。


う...ううう......気持ち悪ッ!


私はそのあまりの気持ち悪さから、背筋がゾッとなって表情が

青くなってしまい、思わず吐いてしまいそうになった。


目の前にいる盗賊の後ろに、私が目線がふと動かすと、待機していた

盗賊連中も、怯えている私達の姿が面白いのか、下卑た表情でニタニタ、

ニタニタとこっちを見ている。


こ、こいつら...ボコボコにしてやりたい!


そんな私の気持ちがお母様に伝わったのか、私を制して盗賊と交渉...

とは呼べない会話を続けている。


盗賊の話を黙って聞いていると、この盗賊達の裏側にヴィレン伯父様が

いて、今回の経緯に、どうやら一枚噛んでいる様だ。


己、あのクソオヤジめぇぇえっ!


前々から怪しかったんだが、ここに来て行動するなんてっ!


お母様の言う様、こんな事をしでかしたら、流石にギガン城の人達に

バレるだろうに...あのクソオヤジは何を考えているのやら?


そんな思考を働かせていると、とうとう盗賊連中が私とお母様を

亡きモノにしようと持っていた武器を大きく振り上げた。


「ハァ...まさか、十代前半で命を落とすだなんて...マジで最悪なんです

けど...」


そんな諦めにも似た言葉を愚痴る様に粒くと...


「そこの盗賊連中!俺の御褒美...チューの為に全員、死にさらせぇぇっ!!」


突如、馬車の外から中年の大きな声で、ガキっぽい事を叫ぶ大声が私の耳に

聞こえ入ってくるのだった。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] お母様=皇女→皇妃、第一王女→第一王女皇女 じゃないでしょうか? 帝国なら、王=皇帝、王女=皇女、王妃=皇妃。です。
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