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犯人は誰

 各国の王子から軍隊への勧誘をされている隆二をエミリーは遠くから見ていた。

「また無理して…」

「いや、無理なんかじゃないと思いますけど。戦闘終わった後、笑ってましたから楽しいんじゃないですか?もしかしたら戦闘狂だったりして」

 そう話しかけてきたのは、ノンだ。

 ノンは料理の乗った皿を左手に持ち、ステーキにフォークをぶっ刺しながら立っている。

「ノンちゃん行儀悪いよ。ていうか戦闘狂とか言ったら師匠かわいそうじゃない。……あながち間違ってないかもしれないけど」

「そうでしょう?あの状況どうするつもりなんですかね。各国の王子に軍隊に入ってくれやらなんやら言われてますが。まあ、愛想笑いをしている時点で受ける気はなさそうですけどね」

 エミリー達から見るには、隆二は押し寄せてくる王子達の質問やら頼みやらを、曖昧な答え方で乗り越えていた。

 ちなみに隆二は対人スキルが高いわけでもなく、どちらかと言うと低い方なのでしどろもどろになりがちなのだが、何故かこの世界に来てからというもの相手への警戒心が削げ落ちているような感じがする。

 それは前の世界よりもこの世界の住民の方が気さくで親しみやすいからであろう。

「1つ疑問に思ったことがあるんですけど」

 指を1本を立ててノンは言った。

「何かな?」

「オルリナさんやキエルさんにも確認を取りたいんですけど。こんな強力な敵が襲撃してくるのが日常茶飯事なのですか?だとしたら、互いの国の騎士団トップが即負けるようなことは問題ですよ」

 それほど公務をこなしていないエミリーには返答に困る質問だった。

 エミリーが悩んでいる時、

「あんな敵は日常茶飯事なんかではないです。あんなのが毎回襲撃に来ていたら、王族含め私達はとっくに全滅しています」

 オルリナが会話に入って来た。

「今回の敵は規格外すぎます。召喚術というのは一見召喚したら後は楽だと思われがちですが、それは違うんです。召喚させる時にも召喚する者が高位の者ほど、消費MPが多いですし、召喚後の維持も莫大なMPを消費します。あれほど高位の者を召喚し、尚且つ長時間維持できる者というのはそうそういません」

「だとすると今回召喚術を使った者が誰か、ということになりますね」

 エミリーとオルリナが犯人捜しをするが、思い当たる者などいるはずもない。

「まずそれは置いといて」

 オルリナが1度話を置く。

「リュウジさんを騎士団に一時的にでも入隊させれませんかね?」

「どうですかね。本人に聞きましょう。リュウジさーーーんっ!!」

 ノンの呼びかけに気づいた隆二は王子達の波から抜け出して、こちらに来た。

「なんだ?」

「リュウジさん、騎士団に入るつもりあります?」

 隆二はキョトンとした後、さも当然のように言った。

「え、嫌だ」

 即答だった。

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