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王族を守るためには

 どうしても騎士団に入りたくない隆二を説得すること数分。

 給料が貰えようが良い武器が貰えようが、隆二はもう持っている物を欲しいとは思わない。

 というかそもそも前から言っているように、隆二は組織というものを好まない。

 職業柄かどうかはわからないが、襲撃した暴力団の内部分裂などを見ているため組織というものにいい印象が持てない。

「でもあんな怪物を召喚する者を野放しにしているこの状況では、王族が常に危険に晒されることになります。私とキエルの2人で攻撃しても全く太刀打ちできなかったのですから、もしステルダム国に帰り私1人になったら、瞬殺されてしまいます」

 オルリナは現在の危機的状況を述べた。

 事実、隆二が騎士団に入隊しなかった場合、召喚術を使用した者を捕らえられなかった時点でまた襲撃してくる可能性大であり、その場合には隆二がいないため王族、騎士団共々全滅ということも考えられる。

「ならさー。俺テレポート持ってるし呼んでくれたらいつでも駆けつけるさ」

「じゃあ、その知らせはどうやってリュウジさんのところまで届くんですか?」

 隆二の提案にノンが核心をついた質問をした。

「ん~!スマホがあればな…」

 隆二がボソッと言ったことはノン達には聞こえなかったようだ。

 まあ、意識して小さく言ったのだが。

「そういう伝達できるスキルはないですからね…。」

 ずっと唸って考えている隆二達だったが、エミリーがハッ!思い付いた。

「城のベランダから旗を振ったらどうですか!?おーいって!」

「見えねえわ!俺そこまで目はよくない!」

 エミリーの天然バカが発動した。ちなみに決してエミリーは勉強ができないわけではなく、むしろ学校のテストで毎度トップを取るような天才である。しかし、天然という致命的な部分があるだけである。

「あっ!確か対象をテレポートさせる転移装置アイテムがありませんでした?」

「転移装置?」

「昔、リュウジさん以外でテレポートのスキルを所持している者が自分のスキルを使用して、転移装置を作成し、売りさばいたアイテムのことですね。それなら城にも在庫があったはずです。しかし、あれは場所に設置するものでは?それではリュウジさんがどこか行っている時に連携が取れません」

 ノンが提案した転移装置にもオルリナが指摘した難点があるようだが、ノンは大丈夫です、と言った。

「あれは対象の現在地にテレポートする、という機能もあるのでいつでもリュウジさんのいる場所に行けます」

「なるほど…。なら問題解決だな」

 ノンの博識によって一応は王族を守るための策は完成した。

「騎士団入隊はもう諦めるとして。リュウジさんを『ステルダム国四天王』に入れましょう」

 オルリナが突然、隆二には理解不能なことを言いだした。

「『四天王』にリュウジさんが!?」

 ノンは目を見開いて驚いている。

「『四天王』って何?」

「『四天王』とは騎士団に所属している者以外でステルダム国で強い4人のことを指します。騎士団の運営やステルダム国の防衛に対しての発言力を持ちます」

 隆二の質問にエミリーが答えた。

 どの国にも犯罪はあり、隆二がいた前の世界でも1日に事件事故が起こる回数は多い。つまりは、その多発する事件事故が騎士団だけでは対処できなくなったため、民間に助けを求めたのが『四天王』制度だろう。

 それに加え、実際に国で生活している者の意見を聞くことによって国をよりよくすることもできるのかもしれない。

「どうしてそんなのに俺が?」

「リュウジさんは王やエミリー様からの信頼もあるし、何と言っても強いですから。現四天王とよりも強いと思います」

 オルリナはどこから取り出したかわからない資料を読み上げた。

「現在四天王は、1人が病によって引退したために空席が1つあります。現四天王は、ギルド職員、ガレス・レーベル。元旅人、ケルド・カーム。剣闘士大会優勝者、ガイ・ベールです」

 それを聞いた、隆二とノンは驚いた。

「「ガレスさんって四天王だったの!??」」

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