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婚活パーティは魔王城で!  作者: 寿 明結未(ことぶき・あゆみ)
第一章 恋する乙女に必要なのは、愛と筋トレと大胸筋

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第5悲劇 (閑話)魔王城は、大慌て!①

 ――魔王Side――


 そんな化け物が現れた等全く知らず、俺はいつも通り魔王としての仕事をこなしていた。

 魔王城付近は魔素が濃くて魔族が生まれやすい土地となっている。

 だがその反面、魔族が食べる食料危機は何度も陥ってる。

 そのため、食糧危機を何とかするべく研究に研究を重ね、今では魔族が飢える事なく生活することが出来るようになった。

 とは言え、言うことを中々聞かない、低能なF魔族や魔獣というのはいるもので、毎回頭を悩ませる問題だ。

 人間からすれば害悪でしか無い魔物であっても、彼らの存在は人間にとって〝素材〟にも〝食肉〟にもなるのだ。

 オーガやオークといった彼らは、格好の餌食だった。

 また、沼地や水辺付近に住むリザードマン達も似たようなものだ。

 彼らも人間にとっては害悪で、素材であり肉なのだ。


 人間……なんて野蛮なんだ。

 普通、肉として食ったりはしないだろう?

 何故食えるんだ?


 我ら魔族はベジタリアン。

 肉は食わない、世界に優しい生き物だと言うのに。

 ちなみに、オークもオーガも肉は食わない。

 彼らもなんだかんだと畑を耕して生活しているのを知っている冒険者や人間は、どれくらいいるだろうか……。


「はぁ……」

「たたたたた、大変です魔王様!」

「どうしたんだ?」

「キャシャシーン地方にある巨大なオーガの村が……勇者一行に倒されました!」

「だから目立つ所に村を建てるなと言ったのに……。生き残りは?」


 そう部下に聞くと、首を横に振りつつ生存者0というのが分かった……。


「そうか……。弔うことも出来ないのか……」

「問題はそれだけではありません。偵察にいかせていたコウモリが言うには……その勇者達は恐ろしいことを言っていたのです!」

「恐ろしいこと?」

「勇者一行は……婚活しているそうです」

「婚か……え? で? それが何か」

「この魔王城を……婚活会場と見ております!」

「なっ!?」


 魔王城を婚活会場だと!?

 一体何を考えてるんだ人間は!!


「跡をつけさせた所、女勇者PTは全員EXランク! その上、婚活するためならば、婿を手に入れるためならば……相手は魔族でも構わないと!」

「何だと!? コチラの希望は全て無視なのか!? 我らは平和に暮らしたいだけだというのに!」

「あ――。世界の人間王国は、ポコポコと勇者召喚して私達を根絶やしにしようとしてますもんなぁ……」

「何を呑気なことを! 一体これまでにどれだけの異世界勇者がお帰りになったと思っている!」

「お帰りと言うより、『元の世界にお戻り』……ですかね」

「ああ、優しく帰ってもらったな……。まさか、魔法が効かない相手か?」

「〝現地勇者〟のようです」

「〝異世界勇者〟じゃないのか……厄介な」


 異世界勇者なら〝帰還魔法〟でお帰り願えるのだが、現地勇者だとそれが出来ない。

 なので、最も厄介なのは、現地勇者だったりするのだ。


「クソッ! よりによって現地勇者が……しかも魔王城を婚活の場に……許せん!」

「ですが脅威です!」

「……確かに別の意味でも脅威だ」


 普通なら魔族と結婚したいなんて言う馬鹿はいない。

 それこそ【人間男性から全く相手にされない人間女性】なんてそういる筈無いだろう?

 いや、いるからこうなっているのか?

 わからん、わからんぞ?


「その――なんだ。その婚活勇者……といえば良いのか? そ奴らはどんな見た目をしているんだ」

「今映像を流します」


 部下が映像を魔法で出してくると――パッと映ったのは、普通の女の子のような……胸がぺったんこの娘だった。

 ホワイトパールの髪を赤いりぼんで上に結び、真っ黒な瞳は大きく可愛い。


 いや、可愛いぞ?

 寧ろ俺の好みのタイプだ。

 これで婚活しに来てくれるのか?

 え、嫁に来てくれる?

 嫁に来てくれるなら、心からウエルカムなんだが?


「魔王様、問題はこの現地勇者ではありません」

「違うのか?」

「コチラを御覧ください」


 そう言って映りだした映像には――俺は身体が固まった。

 どちらも……魔族でもそう持ち合わせていない筋肉の持ち主。

 その時調査書が届き、オーガ達がどう殺されたのかが記載されていた。


「金髪筋肉がキャサリン、通称キャシーと言う女戦士でございます。銀髪筋肉はナンシーと言う踊り子です」

「女……?」

「女性でございます」

「……人体の神秘を感じるな。普通ここまで女性でも筋肉が発達するものなのか?」

「EX冒険者は何が起きても可笑しくありませんから……」

「ああ、尖ってるんだったな」

「筋肉に尖っているのでしょう」

「なるほど……もう一人は? 普通の少し筋肉質な女性に見えるが」

「こやつはオネェです」

「……オネェさんだったか」


 つまり、好みの女性がひとり。

 これは現地勇者と言うから俺としては当たりを引いた気分だ。問題は残り三人か……。

 特に、キャサリンとナンシーは不味い。

 オーガキングのゾウタくんの腹を突き破り、顔面を破壊……。

 しかも拳で屠っている。


 哀れゾウタくん……。

 君の死は無駄にしたくないが、無駄にするかも知れない。


「そして、今後この婚活PT【ゼクディ】は、ダンジョン制覇もしながら魔王城を目指すでしょう」

「ふむ……ダンジョンボスの皆が心配だな……。直ぐにダンジョンボスに連絡しろ! 筋肉女子が来たら即逃げよと! ダンジョンは捨てて構わん! 〝自分の将来と命、大事に!〟」

「御意!」

「時に参謀!」

「はい!」

「この現地勇者ちゃんだけ呼び寄せる事は……?」

「おそらく、オマケがついてくるかと……」


 オマケとは筋肉女子のことだな……。

 彼女たちはいらないんだが……あと、オネェさんもイラナイ……。


「彼女たちは、今後の要重要案件とする!」

「かしこまりました!」


 いつか待っているが良い! 現地女勇者ちゃん!

 必ず我が者としてやろう!!

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