表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚活パーティは魔王城で!  作者: 寿 明結未(ことぶき・あゆみ)
第三章 婚活の前にやることが多すぎる件

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
45/49

第45悲劇 (閑話)その頃魔王城では――。

ブックマーク、評価、感想、誤字脱字報告ありがとうございます。

 ――ハロルドSide――



「ふっ! ふっ! ふん!」


 その頃俺は、ナンシーの姿を見ながら筋トレをしていた。

 エステル魔王様の目には番予定である現地勇者しか映っておらず、俺の目にはナンシーしか映っていない。

 お互い番に一途なのだ。


「ああ、ナンシー……君はもう少しで俺のもとにたどり着くんだな……」

「ああ、イサミ……君はもう少しで魔王城に到着するんだね……」


 お互いに滾る想いが止まらない。

 もうすぐ、もうじき、もうちょっとで会えるのだ。

 愛しき番に。

 そんなの、滾らないほうが可笑しい!!


「ああ、ナンシー……君は会えない間、あんなにも美しくなって……」

「ああイサミ……君は会えない間にもっともっと可愛くなって……」

「「心臓を打ち抜かれてしまった……」」


 頬を染めつつエステル魔王様と同じ発言をすることは、この部屋では許されている。

 愛おしい番に対して褒める称えるは当たり前なのだ。

 ああ、狂おしい程愛しているよナンシー……。

 君なしで最早俺は、息すら出来ない……。


「異世界勇者は害悪に過ぎない……奴らは女を食い物としてみている」

「最低野郎どもめ!!」


 奴らには倫理観というものがない!

 女はハーレム要員、食い物というのが根付いているのだ!

 一体何がそうさせるのかはわからないが、困惑する人間女性や魔族女性とはとても多いのが現状だ。

 自分たちがイケメンとでも思っているのか?

 否! 大いに否!


「後数名助け終われば、一旦サキュバス達には魔王城に引き返す指示を出す予定だ」

「でしょうね」

「彼女たちも婚活に忙しいと言うのに……全く」

「出生率は高いですが、婚活して実を結ぶと言う魔族は少ないですからね」

「一部の魔族が支えている……と言う現状を打破したい。そのため『魔族向け婚活セミナー』もしているのだ。それが裏目に出たな……」

「せめてそこに、現地勇者は良いが、異世界勇者は駄目だと付け加えなくては」

「ああ、正にそうだな」


 エステル魔王様と語り合いつつも、俺は筋トレを止めない。

 流れ落ちる汗が俺の頑張りを証明してくれる。

 頑張っただけ引き締まった肉体と筋肉が、きっとナンシーを受け止める身体になっていると思いたい。


「そんな異世界勇者に……俺の番が捕まらなくてよかった……」

「くっ!」

「ああ、すみません魔王様……」

「いや、イサミは騙されているだけなんだ……。きっとそうに……ふ……ぐすっ」

「ああ、魔王様泣いちゃった……っ!」


 アワアワする中、魔王様は現地勇者のぬいぐるみを抱きしめて泣いていられる……。

 ここ最近、イサミと言う勇者を観る度に涙ぐんでおられる。

 それには事情があった。


 過去のイサミと言う勇者の事を遡って魔法を使い見たらしいのだ。

 その悲劇の数々に、魔王様は胸を痛められた。

 今が幸せならそれでいいのではないだろうか……とさえも思っているようだ。

 無論、出来れば自分が幸せにして差し上げたいらしく、根底は変わっていない。

 変わっていないが……辛いらしい。


 ああ、純粋な魔王様……おいたわしや。


「イサミの幸せを考えると、身を引くべきだろうか……」

「いけません魔王様! 唯一の番でしょう!?」

「我はまだ千年の時を生きる……。いっそ、いっそ……イサミによく似た娘を貰うというのも手だと考え始めた……」

「中身は絶対ミルクですよ!」

「ミルク許さん! 死を持って償うべきだ!」

「その意気です!」


 良かった、番を諦める等絶対あってはならないこと。

 ふ――っ! と安堵の息を吐き、偵察コウモリが映し出す番たちを見る。

 ああ、やはり君は最高だ。

 きらめく髪、美しい唇、色気のある目線。

 全てが芸術品と言って過言ではない……。

 そんな君を妻に、番にできる喜びは、天にも昇りそうだ……。


「おお、我が番ナンシー……。君を早く愛したい……」


 獅子の俺を、まるで子猫のように扱い愛してほしい……。

 そして、沢山子を作ろう。

 君との間なら、十人でも欲しい。

 

「エステル魔王様」

「なんだい?」

「番が来たら……彼女のもとに婿に行きます」

「うむ、それは知っている。だが仕事は辞めるんじゃないぞ」

「はっ!」


 婿には行く。だが、稼ぎは持っていくぞ。

 大事なことだ。仕事がないとナンシーや子どもたちを育てていけないからな。

 ああ、早く会いたい。

 早く会いにおいで……。

 俺はいつまでも君を待っている――。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ