第42悲劇 自堕落パジャマライフと、尊い気配
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タケシさんが諦めるまで、私達は拠点にこもることにした。
ミルクちゃん曰く、二日もすればいなくなるだろうと言うことだったので、私達もそのつもりで家の中でゆったり過ごしていた。
その間、持ち物の整備も行った。
充実した引きこもりライフの中、私達は知ったのだ。
「異世界の調理とお菓子がやばい」
「ソレナ!」
「お菓子は特にまずいな……いくらで入ってしまう」
「私ハ飲ミ物ネ! ……美味シイネ」
「あらあら♡ 異世界の味の虜ね♡」
「あ、ミルクちゃん」
「皆意外と辛いのが好きだったのは予想外だったわ♡」
そうなのだ。
キームーチィ鍋を全員で食べた。
美味しかった。
みんな汗だくになりつつ食べて、冷えたラガーを飲んで身体が整った!
最高だったもの!
また、その後に入るお風呂が最高で……。
気持ち良くて、ついつい、のぼせそうだったわ。
「皆辛いのが好きっていうのが分かったから、今日はカーレーにしてみるわ♡」
「ミルクのご飯で」
「肥エテシマイソウネ!」
「今度魔物の集落で少し運動しますか?」
「「いいね!」」
「チョットシタ運動ニハナルヨ」
「筋トレはいつもしているがな!」
ノリノリで語り合う時間。
自堕落にパジャマ姿で過ごすというのも悪くないわ!
「ダンダくんも辛いの好きなですね」
「はい、香辛料ってこの世界では結構流通してますが、ミルクさんの作る料理は洗練されてて凄く美味しいです!」
「んふふ。ねぇ? 皆で婚活成功したら、同じ村で住まない?」
「「いいね!」」
「いいですね~!」
「住むとしたら、どの村になりそうですか?」
「そこも含めて考えていきたいわね♡」
「案としてはゴルバディス大商店の支店があるところがいいなぁ」
「となると幾つかあるが、〝オウーマイーガ街〟は住みやすそうだったな」
「ソウネ、アソコは住ミヤスイヨ」
皆婚活に成功したら、同じ村か街に住むのだと思うと寂しさもない!
いつでも会える仲間がいるって素敵だわ!
「その時は、落ち着いたらお店でもやる? キームーチィ鍋の店とか♡」
「最高ネ!」
「色々夢が広がるな!」
「皆さん……あの……婚活に成功したらもう冒険者はなさらないので?」
手を上げて声を上げたのはダンダくん。
確かに冒険者を続けてもいいけど……。
「ダンダ、我らは婚活と言う使命を持っている。それすなわち結婚。わかるな?」
「は、はい!」
「結婚の先には何がある」
「えっと」
「イッツ・マイ・ベイビー」
凄い、バリトンボイスで言ってのけたキャシーかっこいい!
「子供を抱えて冒険者は出来ないだろう」
「確かにそうですね……」
「ダンダくんもその時は一緒にお店やる?」
「それだと、俺も婚活しないとですよね?」
「そうなるわねぇ♡」
「婚活……」
その一言を口にすると、目はちらっとキャシーを見ている。
ああ、もう、いじらしい!
そしてキャシーが鈍感なのがまたイイ!
お願いキャシー!
ダンダくんの熱い想いを受け止めて!
「そうか、ダンダも婚活か」
「そ、そうですね!」
「互いに良き相手を捕まえようぞ!」
「俺の場合、タックルしてもビクともしなさそうで……」
「ほう?」
「いえ、あまり気になさらないで下さい。いずれ男を見せます!」
「うむ! 焦らずにな!」
「はい!!」
あああ……。
異世界風に言うと尊い……。
ダンダくん頑張って!
びくともしなくても、コバンザメみたいに離れなきゃいいのよ!
「ダンダくん、恋愛は自由よ♡ 頑張って!」
「は、はぃ……」
「応援シテルネ」
「ああああ……もしかして」
「「「うふふふふふ♡」」」
毎回尊いを頂いております!
ありがとうございます!!
「頑張ってね♡」
「ひゃぃ……」
真っ赤になりつつうつむく初心な心をもつダンダくん!
私達三人は、君の恋を応援してるぞ!
そんな私達が応援している中、キャシーは豪快にラガーを飲み「ダンダにも相手か」と呟いていた。
脈ありなんじゃないの? っておもったけど――。
「碌な女性でなかったら、拳が飛ぶかもしれんな」
「えええええ!?」
「はっはっは!」
そんな事を言うキャシー。
気付いてないのか、まだ自分の気持ちに鈍感なだけなのか……。
ダンダくんには、本当に頑張ってほしいと思った瞬間でもあった。
翌日には拠点を出てモッチョモッチョ街へと走り出した私達。
タケシのことなどスッカリ忘れていたのだけれど――……。
「見つけたぞミルク!」
「「「……」」」
モッチョモッチョ街の入口にテントを張り、タケシが仁王立ちしていた。
彼が急いでテントを片付けている間に、横をすり抜け街へと入っていったのであった。




