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婚活パーティは魔王城で!  作者: 寿 明結未(ことぶき・あゆみ)
第二章 婚活はあらゆる意味で命懸け! それでも進む筋肉乙女!

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第16悲劇 波乱が終わってまた波乱!?

 それは、オッスオッスダンジョンから帰宅し、ギルドマスターと話をつけていた最中のことだった。

 ドアがノックされ、細マッチョ的なパーティが入ってきた。

 冒険者PT名は【アザース】と言うらしい。

 いかにもチャラい系のお兄さんたちだけど、なんだろうか?


「この【アザース】達は、冒険者ランクはSランクだ。以前君たちが倒した蜘蛛の魔族にやられてな。どうやって倒したのか聞きたいらしい」

「ちょ、待てよ」

「まじかよ」

「キャシーいるじゃん!」

「誰たちだったかな? 記憶にはないが」


 顔も見ずに告げるキャシーに、アザースの人たちは食いかかった!

 なになに、どういう事?

 キャシーと因縁ですか!?

 よく生きてますね!!


「俺達が一年冒険出来なかった時期があるんだ。キャシーがパーティを抜ける時に揉めて、武器を全部破壊されてな」

「あら、良かったわね! 武器の破壊だけで済んで!」

「本当ですね! ちょっと軽く叩いただけで、貴方がたなら軽く複雑骨折してますよ! 命があって良かったです!」

「命があるのはありがてぇ! だがな、武器の弁償しやがれ!」

「高級なミスリル使ってたんだぞ!」


 ミスリルでこの騒ぎか……可愛いわね。


「Sランクなら……ミスリルじゃなくても……」

「こ奴らは女遊びが激しくてな……。そっちに金を使っていたから武器がミスリル止まりなんだ」

「ア――。納得ネ。下半身ガ武器ッテヤツネ。納得ヨ」

「で、一番の稼ぎ頭だった私がPTを抜けたことで、稼ぎが悪くなったんだろう。貢ぐのも大変なんじゃないか?」

「好きな女性に貢ぐのはありだけど、実りのない相手に貢ぐなんて、馬鹿な男たちね。アタシなら実りある好みの相手に貢ぐけど。ね? イサミン♡」


 あれ、ミルクちゃんから貢がれるフラグ立った?

 何を貢がれるのかはわからない。貰える物は貰うけど!


「私もお返ししますね? ミルクちゃん♡」

「想いの贈りあいね♡」

「百合かよ! 尊いわ……」

「……情報は金になるそうだな?」

「くっ!」

「蜘蛛男との婚活は失敗した……というだけだが、詳しい内容は伝えていない。情報は金になる。それで手を打とうではないか」

「足元見やがって!」

「畜生!!」

「ふははは! 何せこちらの乙女パーティは全員EXランクなんでな! 君たちとは違うのだよ!」

「嘘だろ⁉」

「こんな百合カップルがEXってありかよ……」


 百合カップルって多分私達のことよね?

 ミルクちゃん名前も可愛いけど、本当にクールビューティーって言葉がぴったりな見た目してるから、そう見えるのかな?

 それとも、筋肉凄い露出も凄いキャシーとナンシーがいるから、相対的に見てミルクちゃんが細く見えるとかかな?


「んふふ♡ アタシは異世界勇者、こっちのアタシの愛する女性は、現地勇者なの」

「勇者二人もいて討伐したのか……納得」

「でも、実際倒したのは、キャシーとナンシーの二人でしたね」

「アタシもなんだかんだと、一撃入れただけだし……他は……ねぇ?」


 色々してましたよ?

 調教完成してましたよね?

 ピンヒールって本当に役に立ちますね!

 ミルクちゃんのチラリズムも合わさって……お似合いです!!


「と、いうわけで弁償は魔族を追い払った事に関する内容でいいな?」

「ッチ、分かったよ」

「あの鋼鉄の糸をどうやったのかも聞きたいしな……」

「では、お話しよう……。我らの熱き婚活の一部を!」


 ――こうして、キャシーによる語りが始まったのだ。

 そもそも、私達は〝婚活〟の為にダンジョンに小手調べに入ったのだ。

 人型の魔族という事もあり、期待度はかなり上がっていた。

 けれど、蓋を開けてみると……。


「体に巻き付いた何とも言い難い弱々しい針金等、我らにとって見れば、何とも肩透かしだったな」

「ソウネ。私達ヲ支エルダケノ、チカラハアッタカラ、ソレヲ利用シテ、ボス特攻シタダケネ」

「一体どうやって……」

「こう、ぐぐっと鋼を引っ張るように体を傾けてからの……相手に向かってぐるぐるっと高速回転しながら」

「私ヲ、受ケ止メテ♡」

「それだな」

「「「「うっぷ」」」」


 男性陣ちょっと酷い。

 ナンシーの色気たっぷりの声と言葉に対して酷い!!

 と、思ったけれど、ふたりは特に気にした様子もなく話を進めていく。


 キャシーとナンシーにとってはそれなりに、あの魔族は良い男だったらしい。

 けど、どうしてもナンシーにとっては、譲れない事があったのだそうだ。


「魔族ハ、ベジタリアン。私トハ、相容レナイカモ、シレナイノヨ……」

「「「魔族がベジタリアン?」」」

「そうなの、魔族って野菜しか食べないんですって。肉を食べるのは野蛮だそうよ」

「嘘だろ……。魔族って肉食わないのか?」

「では、各地で起きている人間を襲って食ったという魔族らしきものは」

「人間でしょうね……。魔族は肉を食べないのは本当のようだし」

「恐れるべきは人間……という訳だな」


 ここまで話すと、ギルマスは沈黙し、【アザース】の人たちも困惑していた。

 今まで魔族は人間の肉を好んで食べると言われていたのが、全部覆されるのだ。

 つまり、人間を襲って食べていたのは――……。


「闇が深いな……」

「この事は各ギルドマスターに報告しよう。【ゼクディ】の皆は少し休んでから、各々隙にまた動いてくれて構わん」

「そうさせてもらうわ」

「今日はたまには酒場で酒盛りでもしないか?」

「イイネ!」

「久々の酒場もいいですよね!」

「もう、仕方ないわね♡」


 こうして私達はその日の夜は酒場にて食べて飲んで過ごすことになったのだけれど、まぁ、放っておかない人たちっているわけで。


「貴方、今アタシのイサミンに何しよったの?」

「ふぐぐっ……ぐゔぉぇっ!」

「り、リーダー!!」

「誰か回復魔法使えるやつ連れてこい!」


 何故こうなったのかは……後でお伝えするとして……。

 正当防衛って、EXでも通るんですかね?

 

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