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第4話 出会い編
空港で二人で食べたうどんの味を、わたしはまだ覚えている。
楽しい時間は、あっという間に終わっていく。
あなたは16時の飛行機に乗るから、
15時すぎには、また空港へ戻らなきゃいけない。
空港について、二人でうどんを食べた。
ふたりとも、ほとんど無言のまま。
麺をすする音と、
遠くのアナウンスだけが耳に残る。
言いたいことは、たぶんたくさんあったのに、
どれも口まで出かかったところで
ちょっとだけ、引き返してしまった。
悲しい曲じゃないのに、ユーミンが流れた瞬間、涙がこぼれた。
「そろそろ時間だね」
わたしたちは立ち上がって、
搭乗口へ向かった。
別れぎわ、あなたはふいに
わたしを抱きしめた。
お互い、少しだけ照れながら。
腕の回し方も、目線のやり場も分からない。
あなたの背中が、搭乗口の向こうに
小さくなっていく。
やがて、完全に見えなくなった。
ひとりになったわたしは、
待合ロビーの椅子に座る。
ふと、ユーミンの曲が流れているのが
耳に入ってきた。
悲しい曲ではないのに、
どうしてか、涙がこぼれた。
さっきまでそこにいたあなたの存在だけが、
BGMみたいに、胸の中で鳴り続けていた。




