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第37話 それでも、もういい
あなたとのトークルームには、
『了解。』で終わったままの画面が、そのまま残っている。
小さな吹き出しが最後の一行で止まったまま、
その先に続くはずだった会話だけが、
ぽっかりと空白になっている。
「自然消滅だけは、やめてね」
「そういうことはちゃんと言うよ。絶対別れないから」
あの夜のやりとりが、頭の中で再生される。
言葉の温度も、送信ボタンを押したときの鼓動も、
まだ、はっきり思い出せてしまう。
結局、
あなたから「別れよう」という言葉は、
わたしのカマがなければ、
きっと一生届かなかったのかもしれない。
約束は、最後まで少しだけ、
いびつな形のままだったのだと思う。
それでも、もういい。
あのトークルームに、
これ以上、新しい言葉を重ねなくていいと、
ようやく自分で自分に言ってあげられた気がした。




