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第36話 自分の「好き」のために、取っ手を握り直して
ずっと誰かを応援する側だったけれど、
そろそろ、自分の「好き」のために時間を使ってみたくなった。
その行き先が、たまたま海外だっただけ。
あなたの配信は、もうすっかりバズっていた。
コメント欄は、新しい名前で埋まっている。
わたしの応援は、きっともう、必要ない。
そう思ったとき、
どうしてか、少しだけほっとした。
今そばにいるリスナーさんたちを、大切にしてあげてほしい。
その希望だけを、心の中であなたに預けて、
わたしは、スーツケースの取っ手を握り直した。
出発ロビーのベンチに座って、
ふとスマホの画面を開く。




