第22話 約束のその先編
あなたとわたしが、連絡を取らなくなってから、数か月がたった。
どちらからも「もうやめよう」と言ったわけでもない。
大きなケンカをしたわけでもない。
ただ、ある日を境に、
わたしから送るメッセージの数が少しずつ減って、
あなたからの返信の間隔も、少しずつ伸びていった。
既読がつくまでの時間が長くなって、
既読だけがついて終わる日が増えて、
何も言わない沈黙のほうが、
いつの間にか「ふつう」になっていった。
わたしは、一度だけ、ちゃんとあなたに聞いた。
「どうして、前みたいに返してくれなくなったの?」
少し間をおいてから、あなたはこう言った。
『仕事が忙しくて、返す時間がないから』
それは、あなたにとって、
いちばん都合のいい言い訳のように聞こえた。
「返すのも嫌になったんでしょ」
その言葉を、わたしは心の中だけでつぶやいて、
画面には打たなかった。
二週間たつころには、
「忙しいんだろうな」と自分に言い聞かせる回数が増えて、
一か月を過ぎたころには、
その言い訳さえ、口に出さなくなった。
わたしからも、もう連絡はしなかった。
そうやって少しずつ、
ふたりのあいだの会話は、
光が消えていくみたいにフェードアウトしていった。
それが「終わり」なのかどうかも分からないまま、
カレンダーだけが、静かにめくられていった。




