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第21話 自然消滅だけは編
社長への手紙は、
わたしとあなたと仕事の線引きを、
ちゃんと大人に見てもらうためのものだった。
怒りをぶつけるためでも、
お金を要求するためでもない。
それでもあなたは、
いちばん最初に「俺のため」と「対価」のことを気にする。
『別に、怒ってるわけじゃないよ』
『ただ、ちゃんと話が伝わったらいいなって思っただけ』
そう返すと、
しばらく間をおいてから、
あなたは、お決まりの言葉を送ってきた。
『やっぱ、考えすぎだって』
『気にしすぎ』
そこに続けるように、
『でも、ありがとね』
『俺のこと考えてくれて』
その「ありがと」が、
前みたいに素直には飲み込めなかった。
わたしが守りたかったものと、
あなたが守りたかったものが、
まるで違う場所にあることだけは、
はっきり分かってしまったからだ。




