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ページを閉じた私の向こう  作者: みなありす


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13/26

第13話 約束のその先編

あなたの会社の社長に手紙を書こう、と思ったのは、


ある夜ふと、キーボードの上で手が止まったときだった。




その日も、あなたからのメッセージは「ちょっと相談」で始まった。




『ショップの新商品の写真さ、


 もう少し明るく見えるように、加工お願いしてもいい?』




画面には、段ボールからまだ出したばかりみたいなコーヒー豆と、


見慣れたあなたのマグカップ。




「いいよ」




反射でそう打ちかけて、


わたしはそのまま、送信ボタンの手前で止まった。




デスクトップのフォルダには、


あなたの配信用のサムネ、ショップのバナー、


SNS用に切り抜いた画像が、何十枚も並んでいる。




どれも、


「助かる」「センスいい」「ほんとありがと」


という言葉とセットで増えていったもの。




なのに、ふと冷静になって見てみると、


フォルダのどこにも、「わたし」の名前は残っていない。




あるのは、あなたの店のロゴと、コーヒーの写真と、


「SOLD OUT」の赤いスタンプだけ。

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