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25話 最強の人間

永沢は、俺に視線を向けた


「え!?マジで建、女なってんじゃん!?おもろぉ!」


「引っ叩くぞコラ」


永沢が俺にそんな事を言って来やがった、誰が言いやがった……?


「そんでぇ、あの黒の子何なの?」


「俺の生徒だ、止めてくれ」


俺は永沢にそう頼んだ


「いや、あれどうにかしないと……私の目的あの男なんだけどなぁ」


と、予想通りの返答が返って来た


「じゃ、中島は俺がやるから、未来……黒の子頼んだ」


「はいはーい」


俺と永沢はそう言い合い、俺は中島に、永沢は未来さんに向き直った


中島は、未来さんの手によってかなり疲弊していた


「お前、今度は何が目的で来やがった?」


「……ハッ、今、目的が……出来た」


そう言った中島が、俺に向かって黒い鎖の様な物を放って来た、俺はそれを〔三式〕で叩き落としつつ、中島に向かって駆け出した


「ッ!さすがに二度は喰らわんってか!」


中島が俺に話しかけてくるが無視して、腹に思い切りの拳を振るった、中島は50メートル程吹っ飛び止まった


「グフッ…………ガッッ!?」


起き上がろうとしてる中島の腹に踵を落とす、中島は苦悶の表情を俺に向けてくる


「…………ハッ、いい気味さ」


俺は、そう鼻で笑い、次は、心臓の部分と頭に手を当て、〔二式〕を起動し、中島の胸元と頭をミンチにした


「これでまだ動くんならこいつはもう生物じゃねぇよ……」


俺は中島から離れ、未来さんの方へ目を向けた





「うわっ、思ったよりめんどいなこれ」


私は、無数の黒い鞭の様なものを手で叩き落とし、地を蹴った、そして、顔面に拳を喰らわせる


「…………いいのが入った感触が無いんだよねぇ…」


私は、確かに体重、それなりの速度を乗せて拳を顔面に振るったのだが、黒い子……未来ちゃんだったっけか?…とにかく、未来ちゃんは、ピンピンしていた


「異能なの?これ?」


私は、未来ちゃんに問いかけるが、答えは返ってこない、まぁ、半分意識が無いようなものだ、当然だろう


そして、未来ちゃんの手のひらに黒い粒子の様なものが収束していき、やがて黒い塊となった


「ヒィィ…こわいこわい、それでどうするのかしら?」


未来ちゃんは、それを私に向かって放って来た、避けることも出来たが、避けたら被害が拡大しそうなので、私は腕を払った


空気が切断され、塊は真っ二つになり、未来ちゃんの身体が二つに分断された、だが、未来ちゃんの身体はあの黒いのが消え、分断されたはずなのに上半身と下半身が繋がっていた






相変わらずだと、思った

傷一つ付けず、息が切れる様子も、底を全く見せる様子もない、そうこれが信濃永沢なのだ


「一応、俺の方は終わったが…」


「ん、お疲れぇ、子供にしてはクッソ強かったぁ」


「当たり前だ、俺が見てるんだから」


「ハイハイソウデスネー」


と、永沢は俺をジト目で睨みながら、そう答えた、何かおかしい事を言ったのだろうか…?


「ところで、もうすぐじゃないのか?」


「そだね、もうすぐ……後、二週間くらい?」


こいつ、信濃永沢には病気がある、【超越】の異能でなんとか出来ないのか、と思ったのだが、これは異能に作用する病気な様で、治療法も確立していなく、もう永沢は死を待つだけの人となってしまっていたのだ


「……そうか、それにしては元気だな?」


「うーん、作ってるって言う方が正しいかなぁ?」


そして、永沢が目を瞑り、開いた、その目には輝きが無く、濁りきっていた


「これが、意識してないと出ちゃうんだ」


「……そうか、大変だな」


俺は、心がこもっていない声でそう言う


「フフッ、寂しいのぉ?」


「寂しくは……なるだろうな」


俺は正直に答える、すると、永沢は驚いた表情を、俺に見せる


「あら、予想外の言葉」


「ハッ、だろうな、つうか中島は大丈夫なのか?」


「あっ!そうだった!」


永沢は、そう言い、中島の所へ駆け寄った


「またね!バイバイ!」


「あぁ、じゃぁな」


俺は、手を振っている永沢に手を振り返し、辺りを見回した、そこらじゅうに人が倒れている


「ありがとうな、お前ら」


俺は、今回のMVP達へ、感謝する


「この為の授業だったんですから」


「そうですよ、俺達、強くなれたって思えました」


生徒たちが、ZSクラスの生徒たちがそう俺に言ってくる、嬉しい限りだ




しばらくして、大量の教師達が試験会場の入り口から入って来た、そして生徒達を寮へと帰した

俺は会議には参加しなかった、紅葉に丸投げした訳ではない、俺には、やる事が出来てしまった


「はぁ、これを使うハメになってしまうとはな…」


俺は、一冊の本を棚から取り出し、机へと持って行き、開く、そこには十人の名・・・・があった、俺は、過去を思い返した




少し、俺の昔話に付き合って貰おうか

次回から【十人ノ原理他者】の過去編です

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