21話 イマジナリーメモリーィィ
短かった美紀さんでした……今回から建視点メインに戻ります
◆
その女を……なんて言ったか?
「えーと、うーん、えーと、そう!雛野だ!」
「そうだよ!ダーリン!」
思い出した思い出した、調停雛野だった、なんでダーリン???
「えー、なんで俺がダーリンなんだ…?」
今の俺は、女性の姿だ、少なくともダーリンと夫を関する見た目ではない
「フフフフ、だって、そんな濃い匂いさせといてダーリンじゃないなんてあり得ないわ!」
「え?匂う?どうかな、美紀さん」
「なんで私に振るんですか……」
臭くはない、と美紀さんに言ってもらった、良かった
つうか何だよ匂いって、犬かよこいつ
「えーと、俺、これから仕事だから、さよなら…?」
と、俺が早歩きで雛野から離れ学園へと、歩々を進めると
「………(無言で早歩き)」
「…………(クッソ笑顔の無言で建の2倍くらいの速度で早歩き)」
こいつ……速いッ!?しかも、俺を抜かす事はないが俺に密着する様な距離感を保っていやがるぞこいつ
結果、雛野を引き剥がす事は出来ず、学園へ引き連れて来てしまった
「えー……それは災難だったね……」
俺はとりあえず、学園長に報告をした、【異能】によって女体化してしまった事、雛野とか言う謎の女性がついて来てしまった事だ
「えーと、女体化の件は、私がなんとか異能力者を手配するよ、調停雛野さんに関しては……」
「……っす……」
「まぁ、建くんが見ていてくれるかな?それしか解決策が思いつかなくて…」
「……うっす……」
俺は力無く答えた
俺は学園長室を後にした、とりあえず教室に向かおう、そしてホームルームをして、後は紅葉に任せて、俺が授業する時は……そんな事を考えていると、俺はいきなり倒れた
「あれ………?なんで……?」
なんで倒れた?なんで起き上がれない?やばい、なんか、思考が、おそく……お……こせ……俺………身体を………はや……く……
そうして、俺は意識を落とした
「………あ……?」
視界いっぱいに光が入り込んで来る、眩しっ
「あれ……俺…あったま痛ぇ」
頭痛がする、めっちゃ痛い、この感覚は……そうだ異能を使い過ぎた時の感覚に似ている
「なんで……?」
俺が辺りを見渡すとそこは見覚えのある場所だった
「よっす、急に倒れたってどした?」
「あぁ、どこかと思えばここか…」
そうここは、紅葉と戦った後に寄った所だ(6話参照)
「ちょぉっっとお前の脳を見させて貰ったんだがな?」
「無許可かよ…」
まぁ、今気にするのはそこではない
「お前、【異能】が……」
「ん?【異能】がなんだ?おーい……?」
こいつが、これ以上言葉を発しない理由を即座に理解する、死んでいたのだ
そいつは、座っていた椅子から落ち、地面に倒れた
「はぁー…誰だ……?」
何故か…俺は冷静であった、生徒が死んだ時の様な怒りを悔しさを感じない、こいつだったからか?
そんな事を考えていると、出入り口から1人の人影が現れる
「…捨て駒…かな?」
〔一式〕をそいつに飛ばした、あら上半身と下半身が真っ二つ!…正直、これで死んでくれて助かった、俺は鼻から出た血を拭いながらそう思う、恐らく、これ以上の【異能】の行使はできない、してしまえば脳が焼き切れる
「はーーーっ、あったまいってぇ」
俺は、あいつの死体を何故か置いてあったライターを使い燃やして、この部屋を後にした、埋葬は出来んが火葬くらいはしてやんねぇとな?
俺は、自分の家に帰って来た、辺りはもう暗く深夜帯だろう、ということがわかった
「雪も、紅葉が見てくれてるかな…?」
家に入ったら鍵を閉めて寝よう、そう思いながら家の扉を開ける、鍵を閉める、玄関に寝転び意識を落とした
◇
私は、起き上がった
あれが調停建……かなり疲弊していたが、私程度ならすぐに殺せると…まぁ死んではいないが、あと男なんじゃなかったっけ?あれはどう見ても女……まっ、今は関係ないか
「死体は………燃やされてる…情報漏洩の防止の為かな?」
そんな事を考えながらパソコンに目を向ける
「パソコンは……開いたまま…?」
驚いた、疲弊していたから頭から抜けていたのだろうか?
「まぁ、ありがたく見させてもらおっかな」
私は、パソコンの「調停建 機密情報」と言うファイルを開く、と言うかこのファイルしかなかったのだが、フフフ、これはこれは、お宝の山じゃない、情報は時に暴力よりも強くなれるとはこのことね
多分違うだろう、とそう思いながら、そのファイルをパシャパシャ写真を撮る
「………こんなもんかな…」
そう呟き、私はこの施設を後にした
◆
俺は目を覚ました
「んーーーっ」
身体を起こし伸びをする
「ふぅ」
一息つき、リビングへと向かう、そうして、リビングを見ると俺は絶句した
「…えぇ……(ドン引き)」
そこは、地獄か?と言うほどにゴミ屋敷とかしていた、なんで???
「あ…建帰って来てたのね」
「あ、え、あ、お、おう、雪見ててくれてありがとうな」
「本当によ、一週間も寝てたんだから」
「え?いっ……一週間……?」
俺…どんだけ寝てたの?
危ない、今回で設定をお漏らししてしまうとこだった…
奴はこの設定を守るため犠牲となったのだった…




