What does your conscience say?
どこか背徳的な、止められないトキメキ感に緊張で気が焦る。深呼吸。周辺情報確認から確認スタート。
落ち着け。俺は好きなものは最後まで取っておくタイプなんだ。
肩を回し、まずはTwitterに溢れかえっているハッシュタグを確認していく。
一つ一つ、実際に足を運んだ方々の写真、コメントの楽しげな雰囲気をグルーピング化する。
それを切り分ける。どの会場の何回目か、どこから来たのか、いつからファンなのか、どれくらいファンとして主張をしているのか、配られたグッズに差異はあるのか、男性、女性、年齢。
表化されている情報をグルーピング化して、情報としてトリアージしていく。
少しづつ、属性、傾向を洗い出す。
「彼」を「求め続ける」我々を。
そうしてしばらく情報に思考を埋めてわかったことは「とてもファンクラブなイベントでファンの皆様方はとても幸せそうです」という別に詳細に調べなくてもわかること。ま、そんなもんである。
今回、少なくとも共通して配られたグッズは「ポストカード」だと推察。
他にも「シール」や「キーホルダー」が該当している可能性があるが、確実に配られたのは「ポストカード」だ。椅子の上に置いてある写真などを考えればまず間違いない。
モノクロームな「ポートレート」。
ハイライトによって「彼」の「右顔」は影となり、シルエットしかわからない「肖像画」。
「なぜ?」
このデータが「全員」に配られた?
強烈な「違和感」を感じたが、まずは次に進める。
「違和感」は大切だ。どれだけデータを集めたとしても最終的には「言葉にならないなにか」、すなわち「勘ピュータ」が答えを導き出すことがある。感じた違和感をメモに残す。
「この髪型、写真の撮り方からすると該当する曲は「予感を感じさせる曲」。この写真はジャケット写真の別バージョン。なぜ?」
携帯を開き、ライブ映像のあるコンテンツを確認する。「今日の一曲」「今日の写真」「放火犯予備軍認定証明書を得るためのマニアッククイズ」というある意味、素晴らしいコンテンツがそろっている。誰が必要としている情報なのかは全く不明。
「彼」の音楽は全曲サブスクで解禁済みである。このコンテンツを購入する購買層はCDなどは全部そろえているだろう。今更「終わった時間」のマニアックな知識に価値がある気がしない。
このコンテンツの最も重要な「売り」は期間限定の「ライブ映像」だろう。商品化されなかったものなどもあるし、期間限定、コンテンツ限定。俺も今回の特別編集版のライブ映像を観るために課金している。
今回の「映画」のタイトルは「彼の2番目のヒット曲」がモチーフ。選曲は「ファンクラブ」での「スカジャン」に対する投票結果が大きく反映されていると「編集後記」に記載があった。
・・・「なぜ?」。さっきの「違和感」が大きくなる。
であるなら、なぜこの時代の曲の「ジャケット写真」にしない?少なくとも「映画の題名の曲」にするのが普通だ。
しかも、今回「ポートレート」から想定される曲はだいぶ特徴的な曲だ。初期の不思議な時間帯の曲であり、「バンド解散」を1988年とすれば、約1年後に発表されている。
ぬぐい切れない「違和感」がだんだん大きくなっていく。
どこか訝しげな、だけど高揚しながら。
リメイクされた「古い映像」の再生を始めた。
— ‘You should become the person you are’.




