表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/102

第五章 らいむらいと7

 「私は良いと思うけどな。こんなチャンスは滅多にないことだし。面白そうじゃない?」

 あずさにあっさり言われた明日歩は、ムッとしながら口を尖らせる。

 「ただでさえ忙しいのに、これ以上仕事を増やされたら堪らない。決めた。こればっかりは親父の頼みであろうが、母さんの願いであろうが、オレは断る。断ってみせる」

 

 ――その翌日、明日歩は5階建てのオフィスビルを見上げていた。

 

 深呼吸をして、勢い付けて自動ドアの前に立つ。

 その様子を不審に思った警備員がすぐにやって来た。

 それだけで舞い上がった明日歩は、社長に会いに来たと言うと目を逸らしてしまう。

 怪訝な顔を見せる警備員が、これ見よがしにどこかへ連絡を取るのを見て、明日歩はすっかり逃げ腰になってしまっていた。

 「出直します」

 「お会いになるそうです。そちらのエレベーターで3階までお越しください」

 え?

 流石に一人でっていうわけにはいかなかったらしく、エレベーターには警備員も同乗していた。

 ③階のボタンを押した警備員が、チラッと顔を見られ、明日歩は愛想笑いを浮かべる。

 滅多に味わえない緊張感である。

 ふと明日歩は自分の名前を名乗っていないことに気が付き、警備員の顔を改めて見てしまっていた。

 対応が陳腐すぎるのだ。

 実は不審者扱いで、警察が来るまでの間、どこかへ閉じ込められるとか……。

 想像が想像を呼んでしまい、明日歩は昔のトラウマが蘇ってしまっていた。

 奮起して何かを成し遂げようとすると、必ずと言って、思いがけない方向へ話が展開してしまう。今回もその流れに似ていた。

 背中に冷たいものが流れるのを感じつつ、明日歩の目の前の扉が開く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ