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私の軟禁生活と情報の入手方法について


 それから一週間が経ったが私はシャーロットの部屋に軟禁されている。一日中監視され騎士は最低二人はつくようになった。シャーロットの部屋から出れるのはお風呂に入るときだけだ。


 公爵は国王陛下に協力してもらいながら毎日まともに睡眠も取らずシャーロットを元の体に戻す方法を探している。


 公爵夫人は気を病んでしまったのか私のやること全てをシャーロットと同じ様に振る舞わさせる。まるで人形にシャーロットのふりをさせたがるみたいに。


 私は今シャーロットの部屋で公爵夫人に髪を梳かされながらシャーロットが好きだったという刺繍を行なっている。私は刺繍は得意ではないがシャーロットが好きだったというのだから公爵夫人のためにもやらなくてはいけない。公爵夫人からシャーロットを奪ったのは私なのだから。


「ロッテ、やっぱり貴方は綺麗な髪ね。貴方の髪を梳かすのは私大好きよ」


「ありがとうございます。お母様」


私は本物のシャーロットを小説の中でしか知らないがなるべくシャーロットのように話してシャーロットのように振る舞わなければならない。


「ねえ貴方の桃色の髪にはやっぱり赤色がよく似合うわ。貴方の瞳の色みたいなリボンを編み込みましょう」


「素敵ですねお母様。嬉しいです」


「やっぱり貴方も気に入ってくれると思ったのよ、ロッテ」


 私は考えているこのままじゃだめだと。一週間、公爵家と王家の力を使って調べているにも関わらず一切手がかりがない様子だ。


 私がシャーロットを奪って私が公爵と公爵夫人の家庭を壊したんだ。手を尽くしてシャーロットを取り戻さなければならない。国王陛下と公爵が調べて手がかりが無くてもその異界の魂である私だけが分かることがあるかもしれない。


 しかし今の私は外に出してもらえず調べることもままならない。


 では外部の人間を使おう。


まず私が婚約である王太子と接触してそれを監視に報告させる。


 問題は王太子との接触方法。おそらく公爵は本物のシャーロットではない私の話をあまり聞きたくない状態。ならば監視に私が手紙を出したいと言っていると伝えてもらえばなるべく私の話を聞きたくない公爵はてきとうに了承する可能性がある。了承しなかったらしてもらうまで監視に頼むまでだ。すればいずれ嫌気が差し、根負けするだろう。


 そうして監視に公爵に伝えてもらうよう頼んだらすぐに返事が来た。目論見通り了承であった。


 シャーロットの部屋にある便箋で王太子へ手紙を書く。王太子への手紙には検閲があるだろうから手紙にはあまり情報を書かずこちらの屋敷を訪ねてほしい旨を書くだけ。異界の魂に身体が乗っ取られたという話が広がってしまえばもとに戻ったときのシャーロットの名誉に問題が出る可能性がある。なるべく情報は余計な人に漏らさないように。確か小説の情報によると王命によって無理矢理婚約させられた婚約者だったが婚約者に手紙を出すくらい外部の人間がもし知ってしまったとしても不審ではないだろう。


 小説での王太子はヒロインに惹かれ何かと手を貸す当て馬だった。性格は爽やかな美少年に見えて捻くれ者の腹黒野郎って感じな覚えがある。こういうタイプは外面を酷く気にするから、『最近私達が不仲であるという噂が立っています』とでも書いておけば噂を払拭するためにこっちの屋敷に来るだろう。


 手紙を書き終えて送ると数日後に『屋敷を訪ねる』と返事が来た。


            ■


 そして約束の日。あいも変わらず部屋から出られないため部屋で王太子を待つ。


 今回王太子が来ることは監視にも公爵にも話していない。さすがにシャーロットの部屋に来客は断られる可能性があったからだ。だが何も言わず王太子が来てしまえばいくら公爵でも王太子は無碍にはできないだろうという作戦だ。


 おそらく国王陛下は王太子を含め誰にもシャーロットの体が異界の魂に乗っ取られたことを話していない。いくら息子でシャーロットの婚約者だからといってもシャーロットが乗っ取られたことを知ったらシャーロットのことを嫌悪するのではと考えているのではと危惧してるのだろう。


 ルードリェア公爵家は王太子と結婚させるには最適の相手だからなるべく破談にしたくない、だから王太子が何も知らないうちに元のシャーロットに戻して解決したいってところかな。まあ国王陛下が喋ったかどうかなんて想像でしかないが


 でも小説でのシャーロットと王太子は表面的にしか仲良くしていなかった上シャーロットは小説のヒーローに付きまとっていた。そう、元から圧倒的不仲だったのだから言おうが言わなかろうがどっちも同じだろう。


 外で揉めている声が聞こえ始めた。多分王太子の乗る馬車が到着したのかな。


バルコニーから様子を窺うと王太子側の御者と公爵家の使用人が揉めている。公爵が出てきたと思ったら王太子が中に招き入れられた。作戦成功。


 そのままバルコニーの椅子に座って待っているとノックが聞こえて扉が開く。そこには爽やかな愛想笑いという笑顔を浮かべた王太子がいた。


「久しぶりだねシャーロット。」


「はじめまして、王太子殿下。」


 王太子の挨拶にこう返すと彼は一瞬たじろぐがすぐに元の飄々とした態度に戻る。


そして王太子は部屋いる監視をチラリと確認し監視に話しかける。


「ねえ君ら、久しぶりの婚約者とので逢瀬だからさ二人きりにしてくれない?」


王太子から頼まれた監視は渋々と部屋を出ていった。中々の仕事っぷりだ王太子。


「人払いは済んだということで、大体今日は随分なお迎えだったね。久しぶりに会いに来る婚約者の話すら家に通しておかなかったの?」


「まあ事情がありましてね。これから本当の用件を聞いてもらえますか?」


そう言うと彼は怪訝そうな顔をしながら頷いた。


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