世界の道理と真実を見る鏡が映したもの
庭園に出ると黒髪を靡かせた公爵閣下を見つけたので作戦のためまず接近をする。
そして庭園でふらりと転ぶ演技をした。
「あ~こんなところに段差が…」
そう言いながらそう言いながら転んでいく様は誰が見ても演技完璧だったであろう。
そう、この作戦はまず私が転んで倒れそうになった所を公爵閣下が抱きとめ、そこから会話が始まるという素晴らしく自然に運命的な出会いを出来るように考えたものだったのだ。
シャーロットの顔は絶世の美少女。そんな美少女が転んだらイケメンが抱きとめるのがこの世の道理ってものだと思う。
そのまま景色が回り、体が支えられるのを待っていたら何故か地面に倒れていた。
急いで起き上がって公爵閣下を見ると全く振り返らずに先へ足を進めています。
(なんで!?)
こんな美少女が側で転びそうになってたのにガン無視スルー決め込む人間が存在するなんて。
いや、まだあの視界にこの美少女が入っていないだけかもしれないと思い公爵閣下を追い抜かして目の前でもう一度試みる。
しかしまたもやガン無視スルーを決め込む公爵閣下。
もう一度と公爵閣下をまた追い抜かそうとすると公爵閣下が口を開いた。
「さっきから何やってるの?」
「え!?見えてたんですか?」
全く反応が無かった為視界に入っていなかったのかと思っていたので驚いていたら公爵閣下は呆れた顔でため息をつく。
「君はさっきから僕の目の前で下手くそな演技で転んでいただろう。それで見えてないわけない。」
「それじゃあ話しかけるなり抱きとめるなり色々あるでしょう!」
「わざわざ不審者に接触しに行く愚か者は居ないよ」
呆れた顔を更に極めましたといった様子でもう一度公爵閣下はため息をついた。それを見て思わずたじろぎながらも必死の反論を繰り出す。
「…確かに!挙動不審だったかもしれませんが、公爵閣下と少しお話したいことがありまして近づこうとしていただけです!」
このまま不審者という印象だけ残って終わると何の成果もないどころかシャーロットが戻った時困ってしまうかもしれない。言い訳はしとかなければ。
私の話を聞いた公爵閣下は3度目のため息をついた。
「僕が君に話しかけなかった理由は君が明らかに不審な行為を行っていたからと」
「…君がシャーロット嬢ではない何かだったから。」
公爵閣下が私を見つめていた。
何故か公爵閣下には私がシャーロットではない体を乗っ取った異界の魂であることがバレているようだ。
私を責めるでもなくただずっと見つめている公爵閣下に背筋が凍る。
(何故バレた…?どう誤魔化すべきなんだろう、)




