シャーロットの日記
(一部抜粋)
✕月✕日
今日は私の8歳の誕生日。いつもの厳しい授業も怖い家庭教師も無くて、優しいお父様とお母様が沢山プレゼントをくれた。それから知らない人からも沢山届いていたけれど、いつか顔をみて祝ってもらいたいって思う。お父様からのプレゼントの一つに日記帳を貰ったから今日から書くことにする。
✕月✕日
今日は昨日誕生日で授業がなかったからって沢山授業をやった。難しい問題ばかりで間違えると叩かれる。でも淑女になるために皆やってるらしいしお母様もやってたらしい。皆すごいと思う。
✕月✕日
今日はテストで100点取った。けど叩かれた、いつもより叩かれた。驕らないようにしないといけないらしい。でも叩かれたあと薬で治してくれる時凄くスースーして気持ちいいからその時間は好き。
✕月✕日
12歳の誕生日が来た。今日から他の令嬢とも触れ合うようにとお父様とお母様は場を設けてくださった。家庭教師は言っていた、公爵令嬢は社交界では中心とならねばならないと。お父様とお母様の名に恥を塗らぬよう気品ある公爵令嬢を精一杯振る舞った。しかしあまり会話は弾まず、触れ合った令嬢達の瞳に怯えが映るのを感じた。次はもう少し愛想のよく笑えるようにしたい。
✕月✕日
愛想よくすれば令嬢達との距離も縮まると考えていたがそれは大きな勘違いだったようだ。笑顔を心がけていたのにある令嬢達の噂話を聞いてしまった。
「いつも微笑んでいるのに目が笑っていないから何を考えているのかわからない」「微笑を浮かべながら深紅の瞳で見つめてくるから怖い」
散々な言われようだ。お父様の瞳も赤色だけどいつも優しそうだ。何が違うんだろう。
✕月✕日
私は今日で14歳になった。あと数日でデビュタントだ。誕生日には沢山の人が来てくれて直接祝ってくれたが大体の人が二言目にはお父様とお母様に話しかけるのを見て、ずっと沢山の人から祝われてると感じていた私が馬鹿みたいだ。
✕月✕日
デビュタント前日。さすがに緊張が隠せずお父様が頭を撫でてくれ、お母様がホットミルクを作ってくれた。どちらも久しく味わってなかったもので涙が出そうになった。お父様とお母様は言った。私は皆から愛される子だから何も心配は要らないと。お父様とお母様の子供なんだから確かにそうかもしれない。
✕月✕日
デビュタント当日。華々しい社交界デビューとは全くいかなかった。お父様とお母様と参加者に挨拶を終えひと休憩しようとしていたら沢山の令嬢達が私の周りに寄ってきた。その令嬢達と軽く会話をしただけなのに何故か私の取り巻きみたいになってきて、私という存在を笠に着て別の令嬢に威張りだしていた。咎めても私の為だとか言って他の令嬢達に威張りだす。私はどうしたらいいかわからなくて逃げるように帰ってしまった。
✕月✕日
デビュタントからしばらくしてあの時の令嬢達は沢山私の名前を出して威張っていたみたいで勝手に私の派閥なるものが出来ていた。私は怖くてどうしたらいいかわからなくて何も言えないままでどんどんあの令嬢達は調子に乗って行く。そして私はどんどん自分の手を汚さずに悪行を行う悪女と呼ばれている。結局お父様とお母様の名に恥を塗ってしまった。お父様とお母様は社交界にあまり積極的ではないが噂を知るのは時間の問題。いつ私の噂を知ってしまうだろうか。いつ誰にでも愛されると言ってくれた私に失望するのだろうか。
✕月✕日
こんな私に婚約者ができた。しかも王太子殿下だそうだ。陛下は私の噂を知っているだろうに信じないでいてくれているのかもしれない。王太子殿下と2人きりで庭園を歩くよう言われた時私は緊張ばかりで何も話題が浮かばなかった。それでも笑顔だけは絶やさないようにとしてたら王太子殿下が私に言った。
「どうやら噂は本当みたいだね。微笑みを浮かべながら自身の手足に悪行を行わせる、深紅の瞳に捉えられたら恐怖から逃げることはできない。深紅の悪女。」そうして嘲笑った後に契約を持ちかけてきた。表向きだけの婚約者だって。私も普通の結婚ができると思ったのに。
✕月✕日
公爵令嬢だからパーティーにはいかなくちゃいけないけれど憂鬱。何をしても悪い様にしか取られないからずっと俯いていて無言で過ごしている。それなのに悪女の噂は止むことはない。あの令嬢達がずっと私の名前を出して悪行をしてるから。
馬鹿みたい、人の名前を借りて威張るなんて。馬鹿みたい、本当の私を見ないで悪女の噂ばかり信じる人たち。馬鹿みたい、婚約者が悪いことしてるかどうか調べずに契約を持ち出すなんて。馬鹿みたい、結局何もできなくて怖くて黙ってるままの私。
馬鹿みたい馬鹿みたい馬鹿みたい馬鹿みたい…
(ここから解読不能の文字の羅列が続く。)
お父様とお母様の期待を裏切ってしまった。
ここで日記は終わる




