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宣言して突っ走る癖があることくらい私だって自覚してる


 シャーロットを取り戻すための情報を見つけると言っても全然当てはなくベットに突っ伏す事しか出来ていない。

その事実にあまりに凹んだのでエドクレスを呼び出すことにした。公爵と話してから部屋の中じゃなくて部屋の外に監視がつくようになったのだ。だからエドクレスを遠慮なく呼び出すことができる。


 久しぶりに呼び出されたエドクレスは少し不満げな顔をして何かを言おうとしていたが、私はその何かを言わせる前にエドクレスの美しい銀のふわふわの毛並みに飛びつきめちゃくちゃもっふもっふした。

 エドクレスが今自分が何をされてるのかわかっていないようで動きがピタリと固まり虚無になっていたが私は全く気にせずもっふもっふし続ける。人類にとって動物の毛並みをもっふもっふするのは身体中の疲れが抜けるほど癒される行為なのだ。エドクレスは精霊だが。

 しばらく無心でもっふもっふしているとエドクレスは人の体温に気持ちよくなってきたのかウトウトし始めた、と思えばもう完全に寝てしまった。ウトウトから寝るまでがすごく早い。そして私はエドクレスの毛並みに顔を埋めたまま、寝た。


数時間後シャーロットの部屋を開けた公爵がエドクレスに顔を埋めて眠る私を発見して死んでいると思った公爵が慌てて私を揺さぶったところ呑気に、


「今何時ですか〜?」


なんてふざけたことを言ったためめちゃくちゃ怒られた。

2時間程で私と何故か怒られたエドクレスは公爵の説教から解放された。ただでさえ大事な愛娘が異界の魂に乗っ取られてんのに、愛娘の体で得体のしれないでかい精霊に顔を埋めて動かなくなってたら誰でもビビるに決まっている。


(この件に関しては反省している。)


公爵は説教を終えた後、気を病んだ公爵夫人と公爵夫人が好きだったという星空を見に出かけていった。


エドクレスは説教が終わると同時に私の魂の中へ逃げていったが、私の脳内は昼寝をしたことで完全に冴えていた。


 そして何が何だかだったシャーロットの手がかりも一つ思いついたのだ。

まず、異界の魂の乗っ取りというのはかなり昔から起きていること。なので情報を得るにはその場所もかなり昔から存在するものでなければならない。そして異界の魂の伝承は高位貴族にしか伝えられないらしい。なら王家やルードリェア公爵家に無い情報が他の家門にあるかもしれない。

そしてその可能性として一番高いのは小説のヒーローの家門。もう一つの公爵家、サーナルド公爵家。


サーナルド公爵家は数少ない歴史ある家として作中に登場しており、この家門にならば王家やルードリェア公爵家になかった資料などがあるかもしれない。


思いついた勢いのまま王宮へ向かって国王の執務室のドアを開ける。


そこには突然現れた私に驚くエドリックと国王がいた。

そして二人が驚いているにも構わず話し始める。


「あの!サーナルド公爵家に情報をもらうことはできませんか?」


しばらくの沈黙の後エドリックが溜息をつきながら口を開く。


「サーナルド公爵家に協力を求めるのは無理だよ。理由は簡単だ、これはルードリェア公爵家の問題だから。」

「え?」

「王国はルードリェア公爵家とサーナルド公爵家の二つの公爵家に支えられていてその二つは同等の力を持っていなければならない。しかし王家の人間も公爵家の令嬢も一人しか産まれなかったから必然的に私とシャーロットが婚約することになった。だから今現在ルードリェア公爵家を優遇しているような状態でルードリェア公爵家を助けるよう王家から言うわけにもいかないって事。」


思わぬ権力事情が飛び出てきて頭を悩ます。

 あくまでこれはルードリェア公爵家の問題で情報提供させるわけにもいかないということはわかるが、もしかしたらシャーロットのための何かが分かるかもしれないのにと、もやもやしてしまう。


「私が私の世界で読んだ小説って何か意味があると思うんです。それでわざわざそこに登場した公爵閣下は何か手がかりを握っててもおかしくないのに…」


 私が手がかりがあるかもしれないのに手が出せない現状が悔しくて俯いていると、エドリックが頭をポンと撫でてくれた。

顔を少し上げるとエドリックは戸惑った顔でハンカチを出してくれたが、私が泣いていないのを見ると恥ずかしそうに慌ててハンカチをしまい込んだ。

国王のほうを見るとまるで私を鏡で見たような悔しげな表情で俯いていた。


シャーロットを取り戻したい気持ちはみんな一緒なんだ。

そこで私に何かできることがないかと考えて私は、


「公爵閣下と会ってきます!」


と宣言した。


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