6-1
柔らかな朝日が、白いカーテン越しに差し込んでいた。
その光を受けて、ベッドの上で一人の美少女がぱちりと目を開ける。
曾美鈴が細くしなやかな体を猫のように伸ばすと、そのまま流れるようにシーツを抜け出し、窓辺へ歩いた。
カーテンを少し開き、外の空気を胸いっぱいに吸い込む。
「……天氣不錯」
低く呟いた声は、眠気混じりの静けさに溶けていった。
日曜の早朝。追跡劇で張り詰めていた神経は、今は嘘のように和らいでいる。
「……フム」
軽やかな足取りで廊下へ出ると、かすかに漏れる灯りに誘われて、半開きのドアの前で足を止めた。
中を覗き込むと、メイジーが大の字になって眠っているのが見えた。
片足は布団から投げ出され、部屋の中には昨夜の痕跡が散らばっている。
シャワー後に脱いだと思しき下着やタオル以外は、服もバッグも無造作に転がっていた。
まるでこの部屋の主の混沌を象徴するような、無防備な光景。
美鈴はその様子を静かに見つめ、口元を緩ませた。
外では、遠くの高速道路を走る車の音がかすかに響き、通りの街灯がまだほのかに輝いている。
穏やかな朝の風が、窓の隙間から入り込みカーテンを揺らし、部屋に新鮮な空気を運んできた。
美鈴はゆっくりと背を向け、静かにその場を離れた。
今はただ、彼女の静かな時間が続くことを願うように。




