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『エアサポート26より全ユニットへ。容疑者を確認した……どうやら、別のクラブハウスでパーティをやったらしい。市警に連絡して警官を回してくれ。何? 救急車じゃない、警官だ。しいて言うなら、必要なのは検視官だろうな』
デジタル暗号化された無線が静寂を破り、三人の間にピリッと緊張が走った。
『容疑者集団はアバターストリートを南下中』
『コマンドより全ユニット。封鎖状況を確認する。各班報告を……』
無線が一斉に騒がしくなり、ベンは小さくため息をついた。
「メイジー」
「はい?」
彼は転がっていたバッグを手繰り寄せ、無造作にハードケースを引き出すと、ぱちんとロックを外して開く。
きっちりと切り抜かれた黒いプロファイルから黒光りする重厚なリボルバーを抜き出す と、無言でシリンダーを開き、手早く六発の弾を装填。
重みのある金属音とともにシリンダーを戻すと、チェストホルスターに収め、運転席の窓越しに差し出した。
「選別だ。霊的スタン弾六発。サービス込みだ、チップは弾めよ」
「武器課から支給されたのがありますけど?」
「そっちは9ミリ。人間用だ。……こっちが、俺たちの本命」
メイジーは小さく肩をすくめ、後部荷台からビーリンが放ったホルスターを受け取ると、慣れた手つきで素早く身に巻き付けた。
「コイツはお前が持っておけ」
ベンはそう言って、クイックローダー二つと弾の入ったポーチをビーリンに投げ渡す。
「弾と銃は別々ですか?」
「リボルバーだぞ、バイクの操作しながらどうやって装填する気だ?」
不満そうな声を上げるメイジーを、無線越しにからかいながら、ベンはビーリンが腰のトレーディングカードケースの隣に弾薬を納めるのを確認する。
彼女は符を扱うそれと同じ手付きで、実に無造作にそれを済ませた。
「よし。コントロール、こちらウェストブリッジ12、いつでも行ける。どうぞ」
『コントロールよりウェストブリッジ12。了解』
『エアサポート26より全ユニット。容疑者集団はインターチェンジを東進。5分で予定ポイントを通過する』
「おいマジかよ、速いな」
ベンはダッシュボードに表示される時刻を見て眉をひそめる。
が、すぐにヘッドセットに向かって声を上げた。
「聞いたな、スタンバイ」
「了解」
メイジーが荷台に乗せたままのバイクのスロットルを軽く回す。
だが、 響いたのは、エンジン音というには異質な、甲高く機械的な咆哮だった。
「……なにこの音?」
「TIEファイターのエンジン音に聞こえました」
「なら動力はツインイオンエンジンなんだろ。話が違うってシリウス星人にクレーム入れておけ」
ビーリンが慣れた様子でメイジーの後ろに跨り、メイジーの腰のハーネスにカラビナをセットしてからしがみつくように手を回す。
「……来ます」
その声とほぼ同時に、眩いヘッドライトの集団が遠くに現れ、小さな煌めきが一瞬で高速の轟音とともに通過した。
『行け!』




