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36 お家

「ユリアぁぁぁぁ!! どうして王太子なんかと踊ったりしたんだい? あんなに嫌っていたじゃないか!」


舞踏会を終えてお家へ帰ると、お父様に問い詰められた。今にも私の顔面に飛び込まんとする距離だったので、どうにかならないかと思ったが、お母様がお父様の襟をつかんで抑えていることで、既にましな状況であるから、諦める。


「どうしてと言われても、エルカルドに王太子とダンス踊ってあげないと可哀そうだと言われたんですもの。」


少しエルカルドに原因を押し付けた気がするが、気にしないでおこう。

しかし、お父様はエルカルドという情報に対して異常なくらい反応した。


「エルカルド〜!!あいつには、ユリアを絶対にやらん!!」


結婚する気もない奴にやらんと言われてもノーダメージなので、もうお父様のことは無視してお母様に話しかける。


「お母様、私舞踏会で疲れてしまったので、先に休んでもよろしいですか?」


「もちろんよ。ゆっくりしなさい。この人のことは、私が片付けるから。」


かっこいいセリフをいただいたので、お父様が叫んでいることに耳を傾けないようにしながらそそくさと自室に逃げ込む。


それから、メイが気をきかせて出してくれた紅茶を飲み「お話相手になってくれない?」と目で訴えかける。メイにしては素直に首肯したので、体調でも悪いのかと思い席をすすめる。これまた、素直に席に座る。やはり様子がおかしいので、直接聞いて確認するべきだと口を開く。


「メイ、なんだか様子がおかしいようだけど、どうしたの?」


「お嬢様は、どの殿方とご結婚されるおつもりなのですか!?」


メイは私の問に対し、食い気味に言葉を発した。


(最近は食い気味に返事をするのが流行っているのかなぁ。不思議な流行りだなぁ。)


と思ったが、とりあえず様子がおかしいメイの話を聞いて見ることにした。


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