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35 舞踏会④

引き続きユリアはテンションがおかしいです。

(急に静かになってしまったわ。特におかしいことは言っていないと思うのだけれど。)


善いことをしたと思って、自信満々な顔で周りを見渡すとみんな会話をやめ、こちらを見ている。


(ここに面白いものなんてありませんよ。固まった王太子と、目を見開いているイケメン二人だけですよ。)


困ってしまったので、見る価値のあるものはないという顔をしてみるが効果はない。それどころか、まだ話していた人たちも静けさに気がついて話をやめてしまう。これでは、注目を集め過ぎてしまい、楽しみにしていたダンスも踊れなくなるかもしれない。

それは困ると思い、より貴族社会に詳しそうなエルカルドに小声で聞くことにした。


「エルカルド、なんかみんな話をやめてこちらを見ているのだけれど、私なんか粗相でもしたかしら。」


直球で聞いたことに驚いたのだろうか、少し目を見開いた後、一回大きなため息をして、呆れたような声で言われた。


「本当に何もわからない? 君は、将来の国王であり、夫になるかもしれない人のお誘いを断ったんだよ。」


エルカルドったら、国王はまだしも、将来の夫だなんて見当違いなことを言っている。

まあ、正式な話は何も始まっていないからね。エルカルドがこう言うのも仕方がないかもしれない。

だが、私としては王太子と結婚という拷問を受け入れるつもりはないので、しっかり訂正しておく。


「いや、まだそうと決まっているわけじゃないし。」


「いや、でも、せっかくお誘いしてくれたんだから、応えても良いんじゃないのか?」


訂正に対し、食い気味に返されたのでそういうものだろうかと、納得しそうになる。

なので、私の麗しきメリンダ嬢に、私が王太子と踊っても良いかを目で聞いてみる。

すると、メリンダ嬢はエルカルドと同じように食い気味に頭を縦に振るので本人が良いなら、、、。と思い、腹をくくる。


「王太子殿下。私のパートナー達は足首を左右に捻って、動けないそうなんですの。私は、今宵のダンスを楽しみにしておりましたので、先程のお誘いがまだ有効であれば、一緒に踊っていただけませんか?」


私の本来の意に反して、王太子と接近することになったのだから、そうなるように推したエルカルドとキアノには、不自由を味わってもらおうと足を捻ったことにする。


(よし、全部言いきったわ。これ以上は何も言えませんよ。)


と満足していたが、王太子からの返事がないので不審に思って見やると、王太子は膝をついたまま、顔を真っ赤にしていた。

不意をつかれたことで、私もつられて真っ赤になってしまい、二人でモジモジする。


そんな私達にしびれを切らしたのかエルカルドとキアノが、足首を怪我している演技をちゃんとしながら寄ってきて、舞踏会の会場の中央に私達を押しやる。

ここまでされて、今までのようにモジモジするわけにはいかないので、王太子の方を見て、踊りましょうか、といった視線を向けると、王太子がコクリと頷いた。


始めはぎこちない動きだったけれども、だんだん二人の距離感なるものが掴めてきて、最後の方は私が目指した国王陛下と王妃殿下のダンスに近づいたんじゃないかと思う。






ダンスを終えてダンスを踊る輪から外れた後、王太子から、


「また、踊ってくれないか?」


と言われたが、色々悩むところもあったのでとりあえず保留としたのは、この会場にいた全員が知ることとなった。

恋愛話っぽい感じにしてみました。

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