27 隠し子
舞踏会が再来週に迫った今日、私はドレスの完成形が届くと聞いていたので、いつになく早起きをした。
こんなに早起きしたのは、少し前に商会に連れていって欲しいとお父様に頼んだとき以来だわ、と思いながら身支度を整える。こんなに朝早いと、朝ご飯はまだまだ先なので、朝のお散歩に行くことにする。
メイについてきてもらい、お庭でお散歩しながら、メイと他愛のない会話をしていた。
すると、突然剣がぶつかる音がした。お父様は普段一人で素振りをしているはずだから、剣が交わる音が聞こえるのはおかしいのである。暗殺者でも来たのかしらと思って庭に植わっている低木の影に隠れながらお父様の方を確認すると、私と同じ位の青年二人と楽しく稽古をしているように見えた。
こんな朝早くから稽古をするなんて怪しい、と思い三人の会話を盗み聞きすると、こんな会話が聞こえてきた。
「キアノもエルも随分強くなったなぁ。小さい頃は剣も持てなかったというのに。」
「公爵様が定期的に稽古をしてくださったからですよ。」
「そうですよ。己だけではここまで強くなれません。」
「それはなんとも嬉しいことだ。我が娘は剣を持てるかどうかだから、ここまで二人が強くなってくれると、とても心強い。」
「「光栄です。」」
なんだか、仲よさげに話している。一瞬私の悪口が聞こえた気がするけど、仲よさげに話している。
この二人は、、、、もしかして、、、、。お父様の隠し子!?
じゃあ、もしかして私が王太子から婚約破棄されたのって、あの二人の隠し子がこの公爵家をどっちが仕切るかで揉めて、公爵家の力が衰えたから、王太子もこれなら他の女に目移りしても言い訳できたくね?って考えてヒロインにばったりあって、そこで一目惚れしたから、、、、、、? といろいろな思考が脳内を駆け巡る。
これは単なる妄想の範囲内を出ないのだけれど、急激に不安になり、恐怖を感じる。しかし、私は今の暮らしを守るために、それらをぶち壊す元凶となり得るあの二人について詳しく知る必要がある。
勇気を出して私は、三人の前に低木の影から体を現した。




