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♥ これは式神  作者: 雪*苺
十一日目 / 木曜日 5月2日
99/104

♥ 瀬圉家 1 / 本家 1 / 別邸 1 / リビング 1


──*──*──*── 瀬圉家


──*──*──*── 本家


──*──*──*── 別邸


──*──*──*── リビング


 私はソファーベッドの上に俯せに寝そべった格好で、衛(えい)夛(た)のスマホ(スマートフォン)へLINE(ライン)を送信する為に文章を打っている。


 今夜から寝室では寝ないで、リビングで寝る事にしたの。


 1人用のソファーは、玄(げん)武(ぶ)がソファーベッドに変えてくれた。


 勿論、弓(ゆ)弦(づる)さんもリビングで寝る事になったから、リビングにはソファーベッドが2つあるの。


 弓(ゆ)弦(づる)さんはダイニングキッチンで明日(あした)の料理の仕込みをしている。


 リビングには小型犬くらいの可愛い姿をした十二支の式神が居(い)て、各(それ)々(ぞれ)が自由に寛いでいる。


 私が不安がらないように──って玄(げん)武(ぶ)が態(わざ)々(わざ)召喚してくれたの。


 例え地震が起きても玄(げん)武(ぶ)の張ってくれている結界が地震の揺れを和らげて、被害を最小限にしてくれるから、不安がる必要はないんだけど……。


衛美

「 ──玄(げん)武(ぶ)、お父さんとお母さんは無事かしら? 」


玄武

「 車は駐車場にあるからな、優(すぐる)も美(み)緒(お)も本邸に居(い)る。

  無傷かどうかは知らないが無事だ。

  安心するといい 」


衛美

「 本(ほん)当(と)?

  嘘じゃないわよね? 」


玄武

「 気になるなら衛(えい)夛(た)に確かめてみてはどうだ。

  本邸に居(い)る衛(えい)夛(た)なら、優(すぐる)にも美(み)緒(お)にも会える筈だ。

  状況ぐらい聞けば教えてくれるだろう 」


衛美

「 そうよね。

  お父さんとお母さんの事は衛(えい)夛(た)に確認してみるわ。

  ──玄(げん)武(ぶ)、霄(しょう)囹(れい)が言ってたけど、玄(げん)武(ぶ)は術式を作れないの? 」


玄武

「 術式を作れるのは人間の術(術)者(師)だけだ。

  式神に術式は作れないな 」


衛美

「 どうしても?

  術式は使えるじゃないの。

  新しい術式を作るにも術式を使うんでしょう?

  玄(げん)武(ぶ)にも作れるんじゃないの? 」


玄武

「 式神は法力を使えないからな。

  仮に術式を発動させる事は出来ても、新たな術式は作れない 」


衛美

「 そんな…… 」


玄武

「 本来、式神は術式を発動させる事は出来ない。

  術式を作るのも発動させるのも本来は人間の術(術)者(師)にしか出来ない事だ。

  ワタシが術式を発動させれるのは、眞(ま)小(お)呂(ろ)のお蔭だ。

  ワタシを統括式神として生み出す時、法力を使わず、あらゆる術式を発動させれるようにしてくれた。

  何(な)故(ぜ)、眞(ま)小(お)呂(ろ)が其(そ)処(こ)までしてくれたのかは分からないがな 」


衛美

「 …………眞(ま)小(お)呂(ろ)にとって、玄(げん)武(ぶ)は特別な式神だったのね… 」


玄武

「 眞(ま)小(お)呂(ろ)はワタシのかけがえのない家族だった…。

  生みの親ではあったが、弟のような友のような存在だった。

  眞(ま)小(お)呂(ろ)の霊魂(たましい)を霄(しょう)囹(れい)に穢(けが)させたくはない。

  衛(えい)美(み)には悪いが、眞(ま)小(お)呂(ろ)を目覚めさせる事は出来ない 」


衛美

「 ……ううん、いいの。

  眞(ま)小(お)呂(ろ)に頼らないで、召喚返しの術式を作る方法を探そう。

  きっと見付かるわ!

  見付けて見せる! 」


玄武

「 衛(えい)美(み)… 」


厳蒔弓弦

「 ──玄(げん)武(ぶ)、妖(よう)魔(ま)を倒せるのは『 陰陽師と退魔師だけだ 』と言っていたが、陰陽師は式神で妖(よう)魔(ま)を倒すのか? 」


衛美

「 そうですよね。

  退魔師は魔具に法(ほう)力(りき)を込めて使うから妖(よう)魔(ま)を相手にしても戦えますけど、陰陽師って武器らしい武器って持ってませんもんね。

  映画で見ましたけど、御札ぐらいですよね?? 」


厳蒔弓弦

「 霊符の事だな。

  陰陽師は霊符に自分の法(ほう)力(りき)を込めて使うのが一般的だ。

  物体ならば法(ほう)力(りき)を込めて扱う事は出来るが、持ち歩き易く使い勝(がっ)手(て)のいい霊符が主流となっている。

  式神を召喚する時は、人(ひと)形(がた)の霊符に法(ほう)力(りき)を込めて使うのが主流だ 」


衛美

「 そうなんですね。

  じゃあ、陰陽師は霊符や使役している式神を操って妖(よう)魔(ま)を倒すのかしら??

  玄(げん)武(ぶ)、どうなの? 」


玄武

「 戦い方は陰陽師に依って異なるだろう。

  法(ほう)力(りき)を込めたBB弾をモデルガンで撃つ陰陽師も居(い)るぐらいだ。

  現代の陰陽師は自分に合った多種多様な戦い方をするだろうな。

  1番手っ取り早いのは式神に戦わせる事だ。

  術(術)者(師)は高見の見物をしていればいいだけだからな 」


衛美

「 まるで玄(げん)武(ぶ)みたいね… 」


玄武

「 ワタシと術(術)者(師)は違うぞ。

  ワタシは式神に指示や命令を出すだけで、式神の制御もコントロールもする必要がないかならな。

  法(ほう)力(りき)の消費に悩む事もない 」


衛美

「 どういう事?

  式神は召喚したら終わりじゃないの? 」


玄武

「 式神は術(術)者(師)が法(ほう)力(りき)を練り、使役したものだ。

  召喚したら、式神が暴走しないように手綱を上(う)手(ま)く操らないといけない。

  簡単な雑用をこなす弱い式神ならば放っといても術(術)者(師)に害はないが、強い式神となれば制御し、コントロールする必要がある。

  式神を使役するのに最も大事な事は、自分の身の丈に合った式神を使役する事だ。

  制御もコントロールも出来なくなると、式神は暴走し、使役者である術(術)者(師)を喰(く)らう。

  式神に喰(く)われた術(術)者(師)の身体(からだ)は式神に乗っ取られ、式神の中で生かしたまま取り込まれる。

  式神は法(ほう)力(りき)を供給されないと姿を維持させる事が出来ないからだ。

  式神の体内に取り込まれた術(術)者(師)は式神を動かす為の原動力にされるわけだ。

  暴走し、主(あるじ)を喰(く)らった式神は “ 野良式神 ” となり、彼方(あちら)此方(こちら)で何(なん)等(ら)かの問題を起こす。

  一方、術(術)者(師)の身体(からだ)を乗っ取った式神は、術(術)者(師)の記憶を元にして人格を手に入れる。

  術(術)者(師)の体験,経験,知識,地位,権利,人望…等(など)を利用し、術(術)者(師)として人間社会で生きる。

  野良式神と違い、知性もあり理性もある。

  見た目は人間と変わらない。

  言葉は通(つう)じるが、下手をすると野良式神よりも厄介な存在だ。

  身体(からだ)は術(術)者(師)のものだから、子孫も作れる。

  昼間は陰陽師として普通に生活し、夜間は悪徳陰陽術師として人(ひと)々(びと)を襲い、喰(く)らっては騒ぎを起こしたりする 」

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