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♥ これは式神  作者: 雪*苺
十一日目 / 木曜日 5月2日
100/104

♥ 瀬圉家 2 / 本家 2 / 別邸 2 / リビング 2

☆ ☆ ☆

☆ 祝 ☆ 100話です!!

☆ ☆ ☆


玄武

「 世間で家出,誘拐,拉致,神隠し…等(など)と未(いま)だに行方知れずとなっている行方不明者の中には、悪徳陰陽術師の被害者も居(い)るだろう 」


衛美

「 …………じゃあ、悪徳陰陽術師の子孫が陰陽師の中には居(い)るかも知れないの? 」


玄武

「 そうなるな。

  産まれる子供は女が産むのだから何(なん)等(ら)害はない。

  至って普通の子供だ。

  あくまでも身体(からだ)を乗っ取られているのは術(術)者(師)本人だからな 」


衛美

「 そう…良(よ)かった… 」


玄武

「 どのような環境で、どのように育てられるかで人間は変わるからな。

  産まれた子供が、どの様(よう)に成長するかは両親と本人次第だ 」


衛美

「 そう…なのね…… 」


厳蒔弓弦

「 式神は召喚した後(あと)も手が掛かるのだな 」


玄武

「 そうだ。

  故(ゆえ)に陰陽師は1度に何(なん)体(たい)も式神を召喚しないものだ。

  多くても精(せい)々(ぜい)3体が人間の限界だな。

  然(しか)し、霄(しょう)囹(れい)は死体に憑依した状態で何(なん)百(びゃく)体(たい)という数の式神を召喚させた。

  現代の陰陽師とは格が違い過ぎる。

  四(し)聖(せい)獣(じゅう)に比べれば大した事のない式神ばかりだったが、霄(しょう)囹(れい)は侮れない奴だ 」


衛美

「 あの大量の式神を霄(しょう)囹(れい)は制御してた──って言うの? 」


玄武

「 そうだ。

  式神は暴走せず、術(術)者(師)である霄(しょう)囹(れい)に忠実だったからな 」


厳蒔弓弦

「 手強い相手──と言うわけか。

  勝てるのか? 」


玄武

「 本体を捕まえれさえすれば、どうにでもなる。

  問題は何(ど)処(こ)に霄(しょう)囹(れい)の本体が居(い)るかだ 」


衛美

「 ロ●アに居(い)るんじゃないの? 」


玄武

「 衛(えい)美(み)、霄(しょう)囹(れい)の言葉を真に受けるな。

  本(ほん)当(とう)にロ●アに居(い)るとは限らない。

  広いロ●アの何(ど)処(こ)に居(い)るか分からないのに探すのか?

  邪魔者になるワタシを日本から離れさせる手段かも知れないだろう 」


衛美

「 ──あっ、そう言えばそう…よね…。

  じゃあ、霄(しょう)囹(れい)に対しては、向こうから仕掛けて来(く)るのを待ってる状態になるのね… 」


厳蒔弓弦

「 式神で妖(よう)魔(ま)を倒せるなら、玄(げん)武(ぶ)にも倒せる事になるな 」


玄武

「 当然だ。

  ワタシには他愛無い事だ。

  ワタシは術式を使い、全(まった)く同じ四(し)聖(せい)獣(じゅう)を何(なん)百(びゃく)体(たい),何(なん)万(まん)体(たい)も召喚出来るからな。

  妖(よう)樹(じゅ)をどうにかする事は出来ずとも、妖(よう)魔(ま)を一掃する事は出来る。

  妖(よう)魔(ま)にもピンからキリまで居(い)るだろうが、何(なん)の問題ないな 」


衛美

「 …………玄(げん)武(ぶ)、あの鬼(おに)強い青龍や朱雀を何(なん)万(まん)体(たい)も召喚出来るって事? 」


玄武

「 そうだ。

  法(ほう)力(りき)を必要としないから幾らでも召喚し放題だ 」


衛美

「 ──それじゃあ、世界中で人間を襲ってる妖(よう)魔(ま)を倒す事だって出来るのね! 」



玄武

「 妖(よう)魔(ま)を倒す事は出来るが、世界中の妖(よう)魔(ま)を倒すのは無理だな 」


衛美

「 えっ……な…何(なん)で?? 」


玄武

「 ワタシは衛(えい)美(み)の〈 守(ま)護(も)り手(て) 〉だ。

  衛(えい)美(み)から離れる事は出来ない。

  衛(えい)美(み)が世界中を飛び回るのか?

  顔も名前も知らない奴等の為に諸(もろ)々(もろ)に掛かる費用を全額負担し、世界中に蔓延(はびこ)る妖魔を倒して回るのか? 」


衛美

「 …………そ、そうよね…。

  何(なに)をするにしてもタダでは出来ないものね…。

  出費を全額自己負担するなんて、今の私には無理だわ… 」


玄武

「 身の程を知り、自分には何(ど)処(こ)まで関われるのかを見極め、妥協と線引きをする事だ。

  無理をしては続かない。

  これから日本国内に産まれ出る妖(よう)魔(ま)の討伐ですら厳しい状況となるだろう。

  “ 何(なん)とかして助けたい ” と思う衛(えい)美(み)の気持ちはワタシにも分かる。

  然(しか)し、出来る事があっても限度がある。

  ワタシも万能ではない。

  海外の人間と妖(よう)魔(ま)は諦めろ。

  心(こころ)を鬼(おに)にして切り捨てる覚悟と強さを持つ事だ。

  衛(えい)美(み)は法(ほう)力(りき)を使えない弱い一般市民だという事を自覚するようにな 」


衛美

「 …………そうよね…。

  …………日本以外の海外の事は、諦める事にするわ… 」


厳蒔弓弦

「 日本中を回る事も難(むずか)しいだろうな。

  海外から見れば狭い島国だが、日本全国を回るのは骨が折れる。

  県内でも十分広い。

  県外の事は、他県の祓い屋に任せれば良(い)いと私は思う。

  玄(げん)武(ぶ)が付いて居(い)るとは言え、衛(えい)美(み)が1人で背負う必要はない。

  実戦経験が豊富なプロが大勢居(い)るのだから任せよう 」


玄武

「 いい事を言うな、弓(ゆ)弦(づる)。

  弓(ゆ)弦(づる)の言う通(とお)りだぞ、衛(えい)美(み)。

  県外の事は “ 丸投げ ” しろ。

  良(い)い言葉だ、家訓にしよう 」


衛美

「 “ 丸投げ ” なんて無責任な言葉は家訓になんてしないわよ!! 」


玄武

「 そうか?

  名言だと思うのだがな… 」


衛美

「 何(ど)処(こ)がよぉ… 」


厳蒔弓弦

「 玄(げん)武(ぶ)は実体化していても術式は使えるのか? 」


玄武

「 実体化している間(あいだ)は術式は使えないな。

  転移陣を発動する時のように、実体化を解(と)かなければ術式を転回させる事も出来なければ、発動させる事も出来ない。

  実体化すると諸(もろ)々(もろ)と制限され、出来る事も減ってしまう。

  ワタシが直(じき)々(じき)に統括している式神を召喚する事は出来るが、それ以外の式神の召喚は出来ない。

  ワタシ自身の能(のう)力(りょく)も大幅に減少するからな、結界を張れても範囲が狭まる 」


厳蒔弓弦

「 結界の効力も弱くなるのか? 」


玄武

「 それはない。

  効力はそのままで範囲が狭まるだけだ。

  安心するといい 」


衛美

「 …………玄(げん)武(ぶ)は実体化すると色(いろ)々(いろ)と制限されて出来ない事が増えるのね。

  実体化って負担になるの? 」


玄武

「 いや、負担にはならない。

  ワタシとしては、なるべく実体化したくはないが、弓(ゆ)弦(づる)の料理を食べる時は喜んで実体化するぞ 」


衛美

「 玄(げん)武(ぶ)は食いしん坊だものね 」


玄武

「 心外だな。

  ワタシは食いしん坊ではないぞ 」


衛美

「 何(なん)で自覚してないの? 」


玄武

「 衛(えい)美(み)、そろそろ寝てはどうだ。

  22時を過ぎているぞ 」

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