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♥ これは式神  作者: 雪*苺
十一日目 / 木曜日 5月2日
98/104

♥ 上空 4 / 対峙 3 / 大空の空中戦 3


霄囹(?)

「 衛(えい)美(み)ぃ。

  僕はねぇ、初めから此(こ)処(こ)には居(い)ないのさ。

  憑依陣を使って死体に憑依しているだけだからねぇ! 」


衛美

「 ──えっ??

  死体?! 」


霄囹(?)

「 そうだよ。

  僕が憑依する死体なんて幾らでもあるのさ。

  だけど…、返してあげるよ。

  降参はしない。

  その代わり、僕を此(こ)処(こ)まで追い詰めた衛(えい)美(み)への御褒美をあげるよ。

  ──じゃあね、衛(えい)美(み)ぃ!

  今度こそ本(ほん)当(とう)に “ さよなら ” だよ。

  不意討ちするなんて無しだからねぇ 」


 霄(しょう)囹(れい)がそう言うと、グリフォンとグリフォンの前に立ちはだかっていた式神が消えた。


 グリフォンの背中に座っていた誰かの死体は真っ逆さまに地上へ落下して行く。


衛美

「 死体に憑依するなんて…。

  霄(しょう)囹(れい)の本体はロ●アに居(い)るって事なの?? 」


玄武

『 さぁな。

  霄(しょう)囹(れい)の転生体が日本人である保証はない。

  外国人かも知れない可能性も捨てきれないな 』


衛美

「( 玄(げん)武(ぶ)、これから日本は…世界はどうなって行くの…。

   新世界とか楽園とか──、勝手過ぎるわ… )」


玄武

『 世界の現状はワタシには分からないが、霄(しょう)囹(れい)が嘘を言っている可能性もある 』


衛美

「( 嘘……。

   仮に嘘だったとしてよ、嘘を吐(つ)く意味はあるの? )」


玄武

『 あるから吐(つ)くのだろう。

  外国へ行ければ霄(しょう)囹(れい)の言った事が事実か否か確かめられるが、領空も領海も霄(しょう)囹(れい)が掌握している可能性もある。

  やれやれだな… 』


衛美

「 …………。

 ( どうしたらいいの…。

   結局、妖(よう)樹(じゅ)はこのままだし、地震だって起き続ける……。

   日本中だけじゃなくて、世界中が妖(よう)樹(じゅ)と妖(よう)魔(ま)の被害に遭ってるかも知れないなんて…… )」


玄武

『 衛(えい)美(み)、別邸へ戻るぞ。

  G(ゴールデン)W(ウィーク)が開けても、これでは大学へは行けまい。

  当分は心霊スポット巡りだな 』


衛美

「( …………こんな状況でするの…。

   全然気分じゃないのに… )」


厳蒔弓弦

「 衛(えい)美(み)、どうした? 」


衛美

「 弓(ゆ)弦(づる)さん、玄(げん)武(ぶ)が別邸へ戻るそうです 」


厳蒔弓弦

「 そうか。

  こんな惨劇を目(ま)の当たりにしては、今夜は眠れそうにないな… 」


衛美

「 無理してでも寝ないと…。

  明日(あした)から心霊スポットを巡るみたいですから… 」


厳蒔弓弦

「 こんな状況でか?

  …………戻ったら明(あ)日(す)の仕込みをしないとな 」


衛美

「( 霄(しょう)囹(れい)が言ってた事が本(ほん)当(と)か嘘か分からないけど、お祖父様と伯父様へ伝えないといけないわ…。

   気が重いわ… )」


玄武

『 資料を作ってもいいが時間が掛かる。

  LINE(ライン)とやらで衛(えい)夛(た)へ送ればいい 』


衛美

「( そうね…。

   そうしようかしら… )」


玄武

『 霄(しょう)囹(れい)が提示した条件は書かないようにな。

  人身御供にはされたくないだろう 』


衛美

「( そ、そうね…、

   お嫁さんの件には触(ふ)れないでおくわ… )」


──*──*──*── 瀬圉家


──*──*──*── 本家


──*──*──*── 中庭


 式神朱雀はゆっくり降下すると≪ 瀬(せ)圉(ご)家(け) ≫本家の中庭へ降り立ってくれた。


 弓(ゆ)弦(づる)さんと私が、朱雀の背中から降りると朱雀の姿が消えた。


 真っ暗の中、玄(げん)武(ぶ)が術式を使って周辺を照らしてくれる。


 弓(ゆ)弦(づる)さんと私は本邸へは向かわず、足下に注意しながら慎重に別邸へ向かって歩いた。

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