♥ 上空 4 / 対峙 3 / 大空の空中戦 3
霄囹(?)
「 衛美ぃ。
僕はねぇ、初めから此処には居ないのさ。
憑依陣を使って死体に憑依しているだけだからねぇ! 」
衛美
「 ──えっ??
死体?! 」
霄囹(?)
「 そうだよ。
僕が憑依する死体なんて幾らでもあるのさ。
だけど…、返してあげるよ。
降参はしない。
その代わり、僕を此処まで追い詰めた衛美への御褒美をあげるよ。
──じゃあね、衛美ぃ!
今度こそ本当に “ さよなら ” だよ。
不意討ちするなんて無しだからねぇ 」
霄囹がそう言うと、グリフォンとグリフォンの前に立ちはだかっていた式神が消えた。
グリフォンの背中に座っていた誰かの死体は真っ逆さまに地上へ落下して行く。
衛美
「 死体に憑依するなんて…。
霄囹の本体はロ●アに居るって事なの?? 」
玄武
『 さぁな。
霄囹の転生体が日本人である保証はない。
外国人かも知れない可能性も捨てきれないな 』
衛美
「( 玄武、これから日本は…世界はどうなって行くの…。
新世界とか楽園とか──、勝手過ぎるわ… )」
玄武
『 世界の現状はワタシには分からないが、霄囹が嘘を言っている可能性もある 』
衛美
「( 嘘……。
仮に嘘だったとしてよ、嘘を吐く意味はあるの? )」
玄武
『 あるから吐くのだろう。
外国へ行ければ霄囹の言った事が事実か否か確かめられるが、領空も領海も霄囹が掌握している可能性もある。
やれやれだな… 』
衛美
「 …………。
( どうしたらいいの…。
結局、妖樹はこのままだし、地震だって起き続ける……。
日本中だけじゃなくて、世界中が妖樹と妖魔の被害に遭ってるかも知れないなんて…… )」
玄武
『 衛美、別邸へ戻るぞ。
GWが開けても、これでは大学へは行けまい。
当分は心霊スポット巡りだな 』
衛美
「( …………こんな状況でするの…。
全然気分じゃないのに… )」
厳蒔弓弦
「 衛美、どうした? 」
衛美
「 弓弦さん、玄武が別邸へ戻るそうです 」
厳蒔弓弦
「 そうか。
こんな惨劇を目の当たりにしては、今夜は眠れそうにないな… 」
衛美
「 無理してでも寝ないと…。
明日から心霊スポットを巡るみたいですから… 」
厳蒔弓弦
「 こんな状況でか?
…………戻ったら明日の仕込みをしないとな 」
衛美
「( 霄囹が言ってた事が本当か嘘か分からないけど、お祖父様と伯父様へ伝えないといけないわ…。
気が重いわ… )」
玄武
『 資料を作ってもいいが時間が掛かる。
LINEとやらで衛夛へ送ればいい 』
衛美
「( そうね…。
そうしようかしら… )」
玄武
『 霄囹が提示した条件は書かないようにな。
人身御供にはされたくないだろう 』
衛美
「( そ、そうね…、
お嫁さんの件には触れないでおくわ… )」
──*──*──*── 瀬圉家
──*──*──*── 本家
──*──*──*── 中庭
式神朱雀はゆっくり降下すると≪ 瀬圉家 ≫本家の中庭へ降り立ってくれた。
弓弦さんと私が、朱雀の背中から降りると朱雀の姿が消えた。
真っ暗の中、玄武が術式を使って周辺を照らしてくれる。
弓弦さんと私は本邸へは向かわず、足下に注意しながら慎重に別邸へ向かって歩いた。




