♥ 瀬圉家 10 / 本家 10 / 本邸 4 / 応接室 4
衛美
「 玄武は『 地獄絵図より酷い事になる 』って言ってます。
妖花っていう花が咲く迄の期間は約1ヵ月──。
妖花が散って、妖果っていう実が実ってから地面に落ちる迄の期間は約半年──。
地面に落ちた妖果から妖魔が生まれて、妖魔は餌になる生物を探し求めて街中を徘徊して回るそうです。
妖果が実ったら、避難させないと大変な事になります。
妖魔を倒せるのは、法力を使える陰陽師と退魔師だけです。
法力の使えない人達は、早目に安全な場所に避難させた方がいいです。
今の内に避難場所の確保や食料,物資,資源の手配と調達をした方がいいです。
日本全国にいる祓い屋で妖魔を討伐する為の討伐隊みたいなチームを編成したり──、今から出来る事は早目に取り掛かった方がいいです 」
鴇胤
「 …………≪ 瀬圉家 ≫だけではどうにも出来ん。
喜芳、先ずは県内の陰陽師御三家,退魔師御三家,祓魔師御三家の当主へ連絡だ。
緊急招集後、妖樹の件と今後について話し合わねばならん 」
喜芳
「 そうですね。
御三家への連絡後、県内にあるそれ以外の祓い屋の当主へも連絡をさせます。
衛夛は次期当主達へ緊急招集を呼び掛けるように。
招集場所と日にちは──── 」
鴇胤
「 ワシは県内と県外に居る現役を退いた隠居仲間へ連絡するか。
政界に顔の利く奴も何人か居るからな。
何とかなるかも知れん 」
衛美
「 ──お祖父様!
私の話を信じてくれるの? 」
鴇胤
「 当たり前だ。
衛美はワシの可愛い孫娘だ。
それに弓弦君も居るしな。
衛美を生まれた時から守護ってくれている玄武の言う事を疑ったりもせんよ 」
衛美
「 お祖父様!
有り難う、お祖父様(////)」
鴇胤
「 だがな…ワシの隠居仲間や現当主,次期当主達が話を信じてくれるとは限らんぞ。
日本全国に散らばる≪ 瀬圉家 ≫の本家と分家には全面的に協力要請を出すが、≪ 瀬圉家 ≫総本家の当主が、どのような判断をされるかも分からん 」
衛美
「 ≪ 瀬圉家 ≫総本家??
お祖父様、家が≪ 瀬圉家 ≫の総本家じゃないの? 」
鴇胤
「 各都道府県には本家が置かれていてな、家は47本家ある中の1つに過ぎんのだ。
家は●●●県内にある分家を纏める役目を担っている為、本家と呼ばれているに過ぎん。
分家を纏める47の本家を纏めるのが≪ 瀬圉家 ≫総本家になる 」
衛美
「 そ、そうなんだ…。
じゃあ、≪ 瀬圉家 ≫総本家が信じてくれなくて、動いてくれなかったら、他の本家も分家も動いてくれない──って事になるの? 」
鴇胤
「 有り得るな。
総本家から圧力を掛けられれば、本家も身動きが取れなくなる。
本家は勿論、分家も総本家の命令には逆らえん 」
衛美
「 そんな……。
それじゃあ、日本中にある祓い屋の総本家に信じてもらわないといけない──って事になるの? 」
鴇胤
「 まぁ、そうなるな。
衛美が作ってくれた2種類の資料は役に立つ。
この資料を大量に刷り、緊急招集に応じてくれた出席者へ配布する。
●●●県で分家を纏める本家の当主達が、この資料を持ち帰り、全国の本家を招集させて会議を開くだろう。
本家会議で決まった事を総本家へ上げれば、総本家がどう対応するか今後の方針を決断する 」
衛美
「 …………緊急招集に応じてくれた出席者達が、資料を持ち帰ってくれても、全国の本家へ緊急招集を掛けて本家会議を開いてくれるとは限らないのよね?
資料を廃棄される可能性だってある… 」
鴇胤
「 それも有り得る。
他県の本家が今後、どう判断し、動くのかワシにも分からん。
せめて、この県内だけでも出来る事はしたいが、≪ 瀬圉家 ≫にも限界がある。
力不足を補う為にも、県内中にある他の祓い屋の本家からの協力が不可欠となるが──、協力を得られるかどうかは分からん… 」
衛美
「 意外と複雑なのね…お祖父様…。
( 玄武、どうしたらいいのかしら? )」
玄武
『 どうもしない。
話もして、資料も渡した。
それで終わりだ。
後の事は鴇胤,喜芳,衛夛に任せればいい。
6:4を忘れるな。
祓い屋家業では、出過ぎる釘は折られて抜かれる。
必要以上に女が前へ出るのもでしゃばるも良くない。
どうしても “ でしゃばりたい ” と言うならば、時機を見極める必要がある。
時機が来るまで目立つ事は控え、なすべき事を最優先で取り組む事だ。
下手に目を付けられても面倒だからな 』
衛美
「( 1番目立つ事をしちゃう玄武がそれを言っちゃうのね…。
じゃあ、これから私はどうするべきなのかしら? )」
玄武
『 決まっている。
大学を中退して、【 四星玄武の退魔所 】で働けばいい。
依頼と平行しながら、心霊スポットを巡り、呪具を回収する。
序でに悪徳陰陽術師と妖魔を討伐すればいい 』
衛美
「( 悪徳陰陽術師と妖魔は序でなのね…。
妖樹を召喚した霄囹はどうするの?
放っとくわけにもいかないでしょ? )」
玄武
『 放っとけばいい。
向こうから勝手にちょっかいを出して来るからな。
霄囹に関しては此方からは何もしない。
無視しとけばいい 』
衛美
「( 無視って……。
500人近い国民を誘拐して、誘拐した500人近い国民の命を奪って、活きのいい霊魂を餌にして、妖樹を日本に召喚した悪い奴なんでしょ!
そんな奴を無視なんてして本当にいいの?? )」
玄武
『 構わない。
何処に居るかも分からない霄囹を探し回るのは無駄な行為だ。
向こうから来させればいい。
来なければ来ないで構わない 』
衛美
「( 構うでしょう〜〜。
それにしても、本当に日本中に妖樹を召喚させるつもりなのかしら?
妖樹1本を召喚するのに500人近い犠牲者を出してるのよ。
日本中になると…… )」




