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♥ これは式神  作者: 雪*苺
十一日目 / 木曜日 5月2日
87/104

♥ 瀬圉家 6 / 本家 6 / 別邸 6 / ダイニングキッチン 2


衛美

げんは昔から食い意地が張ってたわ… 」


玄武

えいぐにでも大学を中退してもいいぞ。

  ワタシはでも “ ウェルカム ” というやつだ 」


衛美

「 勝手にウェルカムしないでほしいわ… 」


玄武

えい、論文とやらを書くなら心霊スポット巡りを題材にしてはどうだ?

  全国の()()心霊スポットを巡る大学生はを探してもえいしかないぞ 」


衛美

いやよぉ!!

  論文のテーマを心霊スポットにするなんてぇ… 」


厳蒔弓弦

えい、私も手伝おう。

  単位は取れなくても論文は提出しといた方がいいからな。

  同僚の退魔師やふつ魔師の中には心霊スポットマニアや事故物件マニアもる。

  頼めばお薦めの心霊スポットや事故物件を教えてくれる 」


衛美

づるさんって実は心霊スポット巡りとか事故物件巡りとか好きな人ですか? 」


厳蒔弓弦

「 いや、好きではないが…。

  職業柄な関わる事もある 」


衛美

「 職業柄……そうですよね…。

  祓い屋ですもんね…。

  …………でも、祓い屋が日本全国にて、活動してるのに心霊現象とか怪奇とか減らないのはどうしてなのかしら?

  事故物件も減らないし、心霊スポットだって増えるし…… 」


玄武

「 表面的に否定はしていても、人間は心の片隅で怪奇を求めているからな。

  人間は昔から人智を超える不可思議な “ なにか ” に惹かれるものだ。

  怪奇を生み出す元は人間自身が無意識に作り出す闇だ。

  世界から怪奇を本気で無くしたいと思うならば、諸悪の根源である人間が絶滅すればいい。

  人間が絶滅しない限り、怪奇はなくならない。

  霊的現象や怪奇が世界中で起きるのは、呪詛術,怨恨術,禁忌術を私利私欲の為に作り出し、悪用した過去の人間達の所為でもある。

  術式を発動させる事の出来る生物は地球上で人間だけだ。

  故に人間が絶滅すれば怪奇は起きない 」


衛美

「 …………それは…流石に無理かも… 」


玄武

「 人間が生存している限り、心霊現象や怪奇とは “ いたちごっこ ” の関係だ。

  諦めるしかない。

  そのお蔭もあってか、オカルト業界は遥か昔から現在も変わらず潤っているわけだがな 」


衛美

「 …………これもお祖父様と伯父様に話すの? 」


玄武

「 勿論、話すぞ。

  ──づるも今の内に風呂へ入ってたらどうだ?

  20時にはだ時間がある 」


厳蒔弓弦

「 そうだな。

  なん頃に話がわるか分からないしな 」


玄武

「 後片付けは式神にさせよう。

  気にしないでゆっくり入ってるといい 」


厳蒔弓弦

「 助かる 」


玄武

づる、退魔師の衣装に着替えておけ。

  なにか起きてもぐ動けるようにな 」


厳蒔弓弦

「 ……分かった 」


玄武

えいもだ。

  今の内に着替えておくといい 」


衛美

「 …………なにか起きるの?? 」


玄武

「 念の為だ。

  備えあれば──と言うだろう。

  づるいの弓はワタシが預かっておく。

  本邸へ武器を持ち込むわけにもいかないからな 」


厳蒔弓弦

「 分かった。

  下りてる時に持ってよう 」


衛美

「 私も一緒に2階へ行きます 」


玄武

「 電話が掛かってたらワタシが出よう 」


衛美

「 お願いね、げん


 椅子から腰を浮かせて立ち上がった私はづるさんと一緒にダイニングキッチンを出た。


 階段を上がって2階の寝室へ向かう。


 階段を上がり切った所でづるさんと分かれて、私は自分が使っている寝室のドアを開けると、寝室の中へ入った。

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