♥ 瀬圉家 5 / 本家 5 / 別邸 5 / ダイニングキッチン 1
──*──*──*── ダイニングキッチン
弓弦さんが作ってくれた美味しい料理を食べながら、今夜お祖父様と伯父様に話す内容と同じ事を実体化している玄武が弓弦さんに話してくれる。
弓弦さんは玄武の話を聞きながら驚いているみたい。
まぁ…そうよね?
今まで自分が信じていた事が「 千年以上前の霄囹が私利私欲為に真実を捻曲げて、隠蔽と偽装をした誤りだらけの間違った知識と情報だ 」なんて言われたら、誰だって困惑しちゃうと思うの。
それにしても随分と酷い事をしたのね、昔の霄囹って。
完全に悪役じゃないのよね。
因みに、玄武と私が居ない間、何処からも電話は掛かって来てないみたい。
電話番の人、お祖父様に伝えるの忘れてないわよね??
未だ2時間もあるし、大人しく待ってはみるけどね。
玄武
「 ──と、まぁ…こんな感じだな。
今と同じ内容を鴇胤と伯父に聞かせる。
後で衛美が作った資料も見てみるといい 」
厳蒔弓弦
「 分かった。
後で見させてもらおう。
千年以上前の霄囹を知っている玄武の言う事だ。
真実なのだろう。
私は信じられるが、鴇胤様達が信じられるかは…… 」
玄武
「 其処に関して期待はしてない。
信じるも信じないも鴇胤達の自由だからな。
信じなければ泣きを見るだけだ。
さぞや見物になるだろうな。
今から心が踊る 」
衛美
「 …………いい性格してるわよね、玄武は! 」
玄武
「 そうだろう。
もっと褒めていいぞ 」
衛美
「 褒めてないわよ!
嫌味を言ったのよ…。
イ・ヤ・ミ!! 」
玄武
「 そうなのか?
嫌味を言えるとは衛美も成長したのだな。
嬉しく思うぞ。
──だが、未々だ。
衛由は全身全霊で殺意を込めた嫌味を湧き出る湯水のように怒濤の如くワタシに吐いていたからな。
衛美も毒を吐くなら、衛由を見習え 」
衛美
「 殺意なんて込めれないわよ…。
毒を吐くつもりもないし、頑張るつもりもないわ… 」
玄武
「 そうか?
衛美にはガッツと気合いが足りたいな。
時代が違うからか? 」
衛美
「 …………育った環境の違いじゃない?
私は別に病弱じゃないし、身体も不自由じゃないもの。
ベッド生活なんて入院した時ぐらいだし 」
玄武
「 それもそうか 」
衛美
「 第一、私は瀬圉衛由がどんな人だったのか知らないんだからね。
見習いようがないわよ… 」
玄武
「 それもそうだな。
衛由も衛美に似て可愛かったぞ。
まるで衛姫の生き写しのようだ 」
衛美
「 生き写し…。
本当に?? 」
玄武
「 あぁ、本当だ。
顔も姿も声も生き写しだが、性格は全く違うな。
生き写しなのは転生陣を使った影響──副作用と言ったところか。
子供時代の眞小呂が童顔で可愛くて良かったな 」
衛美
「 榻萠之眞小呂の顔もこんな感じなの?? 」
玄武
「 転生陣を使ったのはワタシの眞小呂だぞ。
実際には大人の眞小呂だがな 」
厳蒔弓弦
「 玄武、悪徳陰陽術師から取り返す榻萠之眞小呂は遺体は大人の肉体なんだな 」
玄武
「 そうなる 」
厳蒔弓弦
「 昨夜、回収したのは遺体のどの部分だ? 」
玄武
「 左足の小指だ 」
衛美
「 足の小指……。
そんなに小さいの?
全部の呪具を回収するのは大変そうね 」
玄武
「 そうでもない。
日本全国には心霊スポットと呼ばれる場所が多数あるだろう 」
衛美
「 確かにあるけど… 」
玄武
「 心霊スポットは呪具の効果を試すのに最適な場所だ。
近くに呪具が隠されている可能性は大きい。
危険度レベルが高ければ高い程、呪具の効果は強力だ。
心霊スポットを巡れば呪具の回収は容易いだろうな 」
厳蒔弓弦
「 心霊スポット巡りか。
私はあまり気が進まないが、祓い屋家業も手を付けない最凶最悪な心霊スポットなら幾つか知っている。
行ってみる価値はあるだろうな 」
衛美
「 最っ低…。
何で選りに選って心霊スポット巡りなんかしないといけないの!!
私、お化け屋敷も肝試しも駄目なのにっ!! 」
玄武
「 呪具を回収して眞小呂の遺体を集める為には必要だ。
衛美が来ないと始まらない。
安心しろ、衛美には何も見えない。
呪具が近くにあれば、頭の中は大惨事になるだろうが大丈夫だ 」
衛美
「 ちっとも大丈夫じゃないわよぉ! 」
厳蒔弓弦
「 玄武、衛美と呪具の共鳴を弱らせる方法はないのか?
頭の中に声が響く苦痛を少しでも和らげる事は出来ないか?
心霊スポット巡りをするにしても、なるべく衛美の負担を減らしたい 」
衛美
「 弓弦さん!(////)」
玄武
「 それもそうだな。
衛美の負担を減らす方法か…。
検討してみよう 」
衛美
「 私も心霊スポットに同行するのは変わらないのね…。
今から気が重いわ… 」
厳蒔弓弦
「 玄武の受けた依頼も消化しながらだからな。
ハードになるな。
衛美、大学の単位は大丈夫か? 」
衛美
「 多分…大丈夫じゃないです…。
下手したら大学を中退しないといけなくなるかもです…。
私の進路ぉ… 」
玄武
「 何が進路だ。
衛美の進路は既に決まっている 」
衛美
「 決まってる??
どんな進路よ? 」
玄武
「 弓弦の嫁だ。
衛美は強制的に【 四星玄武の退魔所 】の正社員だぞ 」
衛美
「 強制的にって…。
大学を中退しても、進路に悩む必要はないって事ね?
それは有り難いけど…。
弓弦さんのお嫁さんになるかは未だ分からないわよ? 」
玄武
「 ワタシが認めるから決定だ。
弓弦以外は許さない。
ワタシは弓弦を手離さないぞ 」
衛美
「 弓弦さんにも選ぶ権利はあるんだからね!
玄武は何時から食い意地が張っ──…………昔からだったわね… 」




